やる夫・テレジアが女帝と呼ばれるようです
/｀ヽ
/＾⌒７ ｀ー
/ / ｀ヽ
／ ｛ ｛ '、
/ / ､∧{ ﾄ 丶 ﾍ 皆様、こんにちは。解説の高翌良みゆきです。
/ / //＼'、 |､_メ＼ 八
｛. ｲ{ ﾄf弋;;)ﾑ. ^ﾄ､弋;;)!ゝ ﾄ ゝ 今回の前説では、テレジアの父であるカール６世が
. ∨い 小 二彡ﾍ_{ゝﾆ彡| │ どのようにして皇帝になったのかについて
｝ ＼| lU7 ,＿_ ｲ,イ{ ざっくり説明したいと思います。
/ リ 〉=ﾄ≧r―r＜ノ 八.
/ ﾉ ﾊ| Yﾍ¨¨7／ ノ ヽ
/ ／ 〃 | |__∨/ xく ヽ ＼
｛/（ { │ }7只|／ﾍ ∨ ハ ｝
ヽハ j `┬‐' ＼i〉 | ヽ ｝（
∨} 人 /`ー───|＿__｝ 人 ヽ
/／ ∨/ / l | l | ﾉ ∨ ＼}
l / │ | l |(う_ノ
前説・その三
【 スペイン継承戦争 （1701 - 1714） 】
.. .o. ╋ .o.
.. |｀‐´｀‐´|
＿|＿皇＿| ._
＞ ` " " ′.＜
／ " " " " ﾞ ﾞ ﾞ ﾞ ＼
7 " " ",.",ｨ ﾊﾞ ,ﾞ ﾞ ヾ r‐ ' _ノ
! " " /-Ｋl/ Vｌﾊﾞ.N ＿ ) (_
| "ｎ l =｡== _ ,≦ﾊ! （⊂ﾆﾆ⊃)
|."しｌ| ￣ ,._ ∨ ｀二⊃ﾉ
| " ﾞハ ー--7′ （( ￣
r'ﾆﾆヽ._＼. ¨/ ;;
r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._ [l、
／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞ ／,ｨつ
. /: : : : : : : : / : : : ヽ＼ ,∠∠Z'_つ
| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ. / .r─-'-っ
. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l / ）:::厂 ´
|:.:.:.:.::.:.:.:ｌ -─-: : /:_:_:_:_l /￣｀Y´
. |:.:.::.:.::.::l._＿: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :〉
|::.:::.::.::l: : : : : : /:::: : : : : |: : : : ﾞ/
カール５世 （1500〜1558）
_＿_,|ヽ､.__＿_____
λ,. | ゛ ゛｀ヽ､
,ィ´" ,ﾒ､ ｉ ｉ ､ ｀ヽ､
,ｲ´ ,ﾁ|ﾄ´ 〉| ,ﾊ ‐ｔ-､ ヽ ﾊ. 第２話でも少し触れましたが…
. / / /ﾘ ﾘ ﾚ'| | ヽ;|V､ ﾍ. ｊ. カール５世はスペイン王でありながら
/ ,ｨ´ ,ｲ ,ｨｆﾃｫ. λ | ｫﾁ心､ ﾍ. | 神聖ローマ皇帝に即位します。
|/ | :|;λ ﾄ:zｊ }-{ヽ| ﾋ::汐|:ヽ > { そして皇帝位を彼の弟が、スペイン王は息子が継いだことにより
. | |ｉ: :}､＿,.ノ ゝ ＿ .ノ| ｊ;〉´ 〈. ハプスブルク家は２つの系統に分裂することになります。
｀ヽ|:| :j.､ ､__ | ,ｊ:: : {
ﾘ .:|:::｀::‐- _ -‐＜ﾘ ﾒ|:: : λ オーストリア・ハプスブルク家と
ノ 人:: :: ::..:,rｰj ﾉノ :人:::. 〈｀｀ヽ､. スペイン・ハプスブルク家です。
ノ´ ノ" ゝ‐／ t__ ノ" ノ ゛＼:.:人 j::｀::ヽ
（(ｊ （ /ｉ | ,r' ,ｨ´~ ﾍ:: ｀ヽ､::::;;)..
ゝ､| / ｀ﾐﾑ ﾒ／ ﾘ ,ｨ彡Ξミﾐ､ﾍ:: ）"..
r､_ _,r=======､ ,.==,f､ ,r==､ r――-､＿ ,ｲ7
ﾚー二二ﾆ'´￣ﾂ（（ｦc｝ tr==ゝ｀´r==fｿ ___/ ｿcζ´｀¨￣￣￣¨ノ}
＼二二二ﾆ=' _,.'t==ﾂ￣￣￣'ww｀￣￣ｯｯξξΣ二二二二ツ'
ゝ=＿＿,=' ／´￣ー=='ﾚX (O)Xxww￣｀丶｀￣｀ー―--''
｀ー---､____＿,.イ ／ |WWWWWﾄ､＼＼_______,-'￣￣´
｀ー‐‐‐ﾚ! A､ /i_, |｀ー'￣
_,..ノく､__jY{r='X丶=､
ﾚtr'´¨ゝ=|=='｀ヾ¨^ﾘ}
／ ﾒ=7'='=!='='==X＼
/｀¨X'='=/ _j_ ',___丶メ'´丶
/ー'-=/__{_____|____',____',__}___',
L__|___j＿|＿__j＿__|＿_|＿|___|
| | |___|＿__|_＿_j____| l |
弋=ゝ¨',___',____.|_____,'_ /｀ﾒ=､'
',_r-'￣､ ',____j___/｀¨ﾒ=､_ _/
＼ Ｘ¨､､￣|フ=､'､ ／／
｀ゝ､＼＼_|_ ／／='
｀ー――‐'´¨
. ,､
. | ｀ヽ、.
. ,ｒ‐--}｀ヽレ‐-､.｀ヽ、
＼ ／ ,| }｀ヽ､.｀ヽ、｀ヽ、
＼ ／ / //| | /| ｀ヽ､｀ヽ ｀ヽ、. ハプスブルク家の家紋である双頭の鷲は、
＼ ／/ / // .ｌ l/| |､ ヽ ヽ ｀i.
＼ / / / //| /| | l| ヽ ヽ ヽ | このとき分裂したスペインとオーストリアの
＼ l | / /,.. -､ l | ,..-､ ヽ ヽ ', |
. ＼-､ ! / l //ｒ｀::ｒ ヽ、.l lｒ:::ヽヽヽ i ヽ .l | 二つの系統を表しているともいわれています。
ｒ'{ヽ ',__ ヽ{ ﾄ| l l.:::ﾉ i__,/ ゝ l:::::::ｒ' 〉 ﾄ､ ', ∨ |
{ﾆi／／｀ヽ、 l ､i. ___,ノ '､ ｀ｰ ,' / |) ） } | ヽ'.
. ｙ ／ ｀ < |｀ ､_ ｰ ｀ー‐'_,/ |'´ | ,/ | ||
>' ,／ /ヽ,.-､_＞-‐ ＜) l ﾚ' | ||
＼ ,／ / ,／/::／ /::/ / | }{.
／ / ｀ヽ､.
／‐ // l ｀ヽ.
, ‐´ ／ ,/ / l ､ ヽ.
／ , , / / /l l ﾊ ヽ ヽ
／ / / / ／'´7/ l / -Lll ヽ l ヽ
/ ／ / / / / l l l / l. l ﾄ､ V. l この両家は特に仲違いをすることもなく、
l ／l / / / _,/､」│ l/ ヽl l ` ヽ l. 良好な関係を保っていたのですが…
l/ l l l / 〃､フ:､∧ l ﾆ=ﾐl､ヽ. ヽ. .:l
l l ハ〈/:::::::::ll ヽ l ´,､/`:､ヽヽ l l 1700年、スペイン王カルロス2世が嫡子を残さず
l ∧ l ∧ l:､: :ｄ l _〉l l:: :::::::::〉,l l ､ l l 死亡したため、スペイン・ハプスブルク家は
ヽ Nゝ､ |l l `─' ﾗ´F l: : ´,､/N､ l l ﾘ 断絶してしまいます。
ヽ ヽl｀l＼｀ﾄ､＿ ,ノ ' l ` ‐' ' / ﾊ. ﾄ l ll
ll `l,､ 。 ヽ､_ _ノ// l N ｲlﾉ l. そこで、前スペイン王フェリペ4世の娘を娶っていた
l 〃 ｀ ‐､_ ￣ ィﾌ' W l／l l l. 神聖ローマ皇帝レオポルト１世とフランス王ルイ１４世は、
l l 丶 ヾ ＞,‐ ´ ﾚ/ ﾊ ヽl!｜. それぞれ自分の血縁者からスペイン王の候補を擁立します。
l / l＿,＿ ,〉, ノ ／' ノミ､l ll :l
_ ,､ l / /川 / ／´ ／´´ ヽ ヽ l
(_r‐､- l. ﾄ ､. l / l 川 /‐-ｙ´´ ／/´ ヽ ヽヽ
, -､. l l 丶｀´ヽヽl /l 川 / ／/ ／´/´ l ヽl!
.(_, -‐-｀_ ／〃､/ l 川 l 〃l / 〃 l ヽ.
. .o. ╋ .o.
. |｀‐´｀‐´|
. |＿皇＿|
／ ⌒ ⌒＼
／=⊂⊃=⊂⊃=＼
／:::::::⌒（__人__）⌒:::::＼
| ﾄｪｪｪｲ |
＼ ｀ー´ ／
／ ＼
「バロック大帝」 レオポルト1世 （1640−1705）
_,.ィ'三三二ﾆ二三ミー ､、
,ｨ'´ィィィィ彡三ﾆｴﾆ二三ミミヽ
,ｨf//ｨ'ｨ'ｨ'ｨ'／ィｼ' ｀`ヾヽﾐﾐﾐヽﾐﾐヽ
ノｨ'//,'ｲ///,ｲ!lj/ l|lﾄﾐﾐﾐtゝ､ミ'、
//ｲ{|{lh{lilililil|l| |i,' li八ﾐヾ｀ヽヽﾐ':、
ﾊ{｛{N､',',',､{（(li| |l ,.........||＿!l|l|lﾄﾄゝﾐヽ丶、
!|l{lﾄi､',ﾐﾐﾐ','ji|l|l!:||:.i /:.:.,:'ｨﾘftiﾐkjljljlj|j|トミミミ≧ｭ､、
､ヾミﾐヽヽ',',}｝l|:.||: | ,':.:.: ｀`lF彡ﾄ'ﾘl|l|l|l|lﾄ､liトミ三ﾐﾐヽ
ハ',',}｝}iﾄＮ|}|ljj|:.|! !:.:.. |l ｛l|l{lﾘﾊﾄl|l|､}〉| ｀ヾヽヽ
ﾊﾘﾄﾐ',W八ﾘﾉﾂ'.:.ﾘ ,..、 |l |ﾄﾄWl|l|l|lNjljl| ヾｿ}
{{{{｛lﾘﾊﾘllﾂﾉ/.:.:/: '―' '、.:ﾘト､{｛､',NNhﾄ、 ﾉﾘ′
,）}Ｗ/}｝ﾘﾉ,ｲ:,､'＿＿＿＿＿,.ﾒｨﾘj}j＞､{（(NﾄV、 ,ｲjﾘ
ｲﾉﾘ//ﾊ}l//ｲ/｀ ―----― ´ /ﾘﾉﾊﾉﾊﾄﾐヾミﾐﾐゝ､/ﾉ/
///ｲﾉﾊﾘﾉｲﾉﾄi{、｀:.:.‐;,-;,‐.:.:´ ｲﾂﾉ八ﾄﾐﾐト｀ヾヽ、ﾐ｛{{/ー- 、
｛{{i{i{i{(({i{i{i|l|l|ﾘﾊﾄi､,ｲi{,,,}iﾄ､ｨﾂ{fﾘｲ ﾊliliﾄミヾヽ',iﾄﾐヾWト､ ヽ
,}）}）}lﾄiﾄl|l|l|l|| `ﾂﾉﾘ{｛{M}｝lﾘｨfｲヾ! LlLlレ‐=ﾐ)}lト}|l|liヾ'、ヽ、
､__,.ノｨﾒｲﾄ'､',',lililili|::..'´,ﾝiﾒ!ﾙｲl/lｲ八`/ {´￣/ Ｗ!,ﾘﾘﾊ ヾﾐ､i}
｀ﾆ彡'´ 'ﾘ ヾ',lNi|l:.:.:、 ´jﾂ ヾ' / ,':: '、::/ ヾﾐ彡小、_, ﾘ
, - ､_,. -'´ ／ /: ヾ',W :. / ' ,':: ∨ X` ,ﾉ '′
‐ '´ ／ ,':: ',iﾘ .::ﾉ /::: / ∧`ー-、
／ /:::: }ﾄ、 / ,':::: / ∧､ 丶､__
／ /::::::. ,ノﾉヾ、ヽ /:: ／／:｀`丶、 ∧ヽ、
／ /.:.:.:.:l ,ｨﾂ′ 丶、 ノ::./ /:::::::::::::::::::::`丶、 ∧ ヽ、
／ , ':. -‐|=彡' /^ヽヽ .:.:. /ノ:::: 〈丶、ﾍ ＼
「太陽王」 ルイ14世 （1638 - 1715）
レオポルト１世は次男・カールを…─────
_________
／ ＼
／ ⌒ ⌒ ＼
／ -（◎）-（◎）- ＼
i ⌒ （__人__） ⌒ |
ヽ、 `ー ' ／
/ .┌─┐|
i 丶 ヽ.{ .茶 } |
| ヽ、__)一(_丿
ヽ、___ ヽ ヽ
と_＿＿_＿ノ＿ノ
カール （後のカール６世）
:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀`＜彡彡三ミヾ三≧､、
:.:/:.:.:.:.:.:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:ヾ_彡=ﾆ三ﾐヾ三三ミｰ､、
/:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:./:.:.: : /:.:.:.:.:.:.:.:./7｝ィ彡三ミﾐヾ彡三三ﾐ
:.:.:.:.:.:.:.:/.:..../:.:.: : /:.:.:.:.:.:.:,ｲイ!ｨ彡彡イ三ミヾ彡三三
:.:.:.:.:.:.:/.:.../:.:.:.:.. ,':.: .:.:./ |:.:/ｲﾉｨﾉｨイ三テzﾐ'､'三三、
:.:.:.:.:.:/:.../:.:.:.:.:.:.:.:.... .:／ ∨//ｲ/ｨ彡ｱ／￣ `ヾﾐヾﾐ
:ｯ‐＜:.:/:.:.:.:.:./:.:.:ｨ:..: ./､__ ∨//イ´ ,:'´ ﾞ!ﾄ'、
' ,ﾆ7/|:.:.:.:.:/|:.:/l|:.:.:.../=ミ^il..:.ノ,ｲ/ / / |l|li いいスペイン王になるんだ…
/'´ j/ ,!:.:.:./ ,':/ l|!:.:.:,ﾑ/dﾘﾞ':.,'ノ//工メ､、 ﾘ!l|l
,. -/ ,!:.:./u// ﾊ:.:/｀ﾞ'＝' ∨ノ､tｯﾘ｀ヾ':.:.:.:.:.ｨ＝=/..jl|l だが…
::::/ /／ l/ ∨ ι ヾ:／｀三ｼ''" | /ｨtfiメy'ﾘﾉ!
∨ '´ ι u 丶 !l:.:`'テﾗf//ｲ フランス人であることを忘れてはいけないよ
u ,ｨﾆ、 ､-‐ ' |:.:.:/:.ﾉ八{｛|
ι ／`ｰ-;｀>‐'′ ',:.:,ﾘ'ﾉﾉﾉﾊl|l
､ ｲヽ::::::::/ﾉﾊｨ '､__ --彳'////八lﾉ
丶、 ト-t__/八ﾘ{、 丶｀`＝==ｧ,ｲﾉﾉｲ////f{
::::＼ ｀ｰ―t Wﾘﾊ'､丶､｀二二´ｲｼｲﾉﾉﾑfｲ |l|
:::::::::丶､ ―r' ｿﾉﾉﾙﾘfrゞﾃrッﾁ/ｲ/ﾉ/／|i{ |l!
:.:.:.:/ .. ./:/ u ι .:::. u ヾi:.:.:.: ',:. ', ,ﾉﾉ!lWﾘj/ l|! |lli／￣＼ﾐﾐ'、
:.:.:.l:.:.:.::.:.:/:/―一 ''´:. :.:.:.:.:.:zｰ;---!l:.:.:.:.:.l:..:.,ィｼｲijijl{Y..,,_,ﾘ l/ Vミ
:.:.:l:.:.:.:.:.:.jV＿＿__ :.: :.:'´:.:.:.:.:＿lﾄ!:.:.:.:.:.:.//イliﾊil|l}｝｀ﾒミﾐﾐ! さ .!ﾄﾐ
:.:.l:.:.:.:.:.:.:|l´,o‐ ､ﾞヽﾞ' ,':.:.:.:ｯ' ,o‐iﾐ!:.:.:.,':.{｛/ ｿﾉ八lﾘ.:/:7:‐-| あ |トﾐ
:.:l:.:.:.:/|:.:ﾄrtｭ･ ﾉ _,ﾞ |:.:.:.:'､ ､ ･ ﾉ:.:./:.:|li':./ﾉﾉﾘﾂ..:{!:.:;'fj７| |liﾄ'、
:.l:./!:.! |:.ハ丁￣´u |:.:.:.:.:.｀""丁ﾞi:.:/|:.:.l|!:f;ｯ '´.:.:.:.:|!:t`＝'ﾄ､ ,ｲl|l'､、
:.:/ |:.| |:,' （_j r-'⌒ヽ_ |:.:.:.: ,｝ |:/,レ''"´ |l `｀'＞'´ ｀ヾl|l|l|ﾄ、
:/{, ﾚ' ,ﾘ ,ﾉ ） |:.:.:. `ｰﾘ（ ﾘ / ∨l|l|
ﾄ'､'、 ι （ ： { ,へ、 / >､ / | 元頁 |l|l|l|
ヾゝ':、 〈 ： ） ` "´ u |li､fﾞ＞ i' _」 .|l|l|l|
ﾘヾゝ、 _｝ ： ,ﾉ＝==＝= ,､ |til|〈__ | ∠、 弓長 |l|l|l|
_r'〜'⌒` _ノﾆ^二ﾞ二^ﾆ'ｰ`ーｧt) !l|l| ﾄ-;=,､、_| | |l|l|l|
j 卞--―――‐--‐｀'´ '″,ｲ !l|l! ﾘ^､}＝=ﾃー;ｯ| 7|´レ |l|l|l|
） ご あ ｛、 ι ／l|! j||l {l! ｀￣´「￣ ヽ /l|l|l|
. ｝ ざ り ） ｀"""""""""´ ／ ti/ﾉﾘ ﾘゝ-‐ {｀i――rrｲl|l ,jﾘ
. ） い が ト､ ／ / /ｨﾙ' /ﾉfrﾉ'、 , , ,frィヾ'､lWiyﾄﾐヾﾄｲi|
. 〉 ま と (´ ｀ ―-― ´ / ,ｲｲ/ﾘ ,f{iﾘ}Y从ﾘｲ从ﾘｲ!l|l刈l|ﾘﾘ川川川
.（ す う } ｀¨ ~' ¨~´ / /;ﾉ/ /_ノﾘﾉ УＷ'ﾘﾉﾊﾘ八ﾘ从ﾘ川川l|l|l|l
ヽ__ _人 ..:' ／ ,.ｨ彡'´ ／ ' ´
｀ー '´ ヽ
アンジュー公フィリップ
ルイ１４世は自分の孫であるフィリップ（後のルイ１５世の叔父）をスペイン王の候補とした。
／￣￣＼
／ ─ ＼
ｨ赱､ r赱ﾐ
. | (入__,,ノ i
| ( ／u |
. | |! |u }
. ヽ ι! .| }
＿ヽ;:i;l ｡ﾟ・ ノ＿
ノ i:;l|;:;::; ＼
／´ ι! :i;l ｡ﾟ |ヽ
| ｌ｡,j i:i;l ｡ﾟ i!、o ＼
ヽ -一''''''"~~｀`'ー--､ -一'''''''ー-､.
ヽ ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒＿(⌒)⌒)⌒))
スペイン王 カルロス2世 （1661-1700）
知的障害があり、「ハプスブルクの下顎」の症状が特にひどく、
常に口からよだれをたらしていたという。
／.:.:.:.:.!.:.:/.:.:.:i ＼⌒ヽ .:.:.:.:.:.:＼.:i:.:.:.:.:.:.:.
. ／.:.:.:.:.:.:.:.⌒ﾄ:.:.:.:! ＼.:.:.:.:＼.:.:.:.:.ヽ.:.:.:.:.:.:.i
/.:.:/.:.:.:V.:.:|.:/_､:.:.:i ｨｒﾃﾄﾐ:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.| カルロス2世は生来虚弱体質で、
./.::.ｲ:.:.:.:.:j.:.:.:iﾊ心ヽ:::.､ !ﾄ':::::jﾊ:.:.:.:.:.:.＼:.:.ヽ:.:i 「生まれながら死に瀕していた」とまで言われていました。
／ !:.:.:.:/!:.:.:.!jﾍv'ﾊ ＼! . Vヾ:ｲﾘ､:.＼:.:.:.:}ヽ:.!:.:!.
､:.:.:ハ .:.:人 ｀ﾞ' ）-（ ｀,,¨´ ﾉヽﾉヽ/!:.:.ﾉ.:.i スペイン王は他にも病弱な人物が多く、
ヽ{ ＼ﾘ:::.:Ｙ'' '。 ` ｰ‐ ／.:.:.:.:.:./.:i:.:.:.:.:.:! オーストリア・ハプスブルク家との度重なる
／:.:.:／)＞... . ...イ.:.:.:.:.:.:.:/__:ﾊ:.:.:.:.:..! 近親婚の結果とも言われています。
ｰ=彡ﾉ｀' ﾆ〈 {:::i:.:.::/.:.:./￣￣｀ヽ/∧:.ヽ:.:.:!
, ―- ＿,「` ー‐- _.
/: : : : : : : : :! : : : : : : : : : :｀ '. 、.
/: /: : : : : : : :!: : : : : : : : : : : : : : : ヽ
,': /: : : : : /: : | : : : i .:i : , : : : :, : i: : : ',.
l./ ./: : : | : : : |:/! : !: : : : ', :,l: : : :',
/. . : : : :/ : ,. ｧl : : : |:| l:` l､.: : : : ﾊl. . , !. カルロス2世は幼い頃から
/ : : /: : ,'／: / l: : : :l:! 、:'､＼: : `' !: :!: :! 嫡子を残すことが絶望的と言われていたため、
/: : : ,': : .:ｌ: : :/＿_l: : : :l| _ヽ_lヽ、.: .: ヽ |: :|. やがてはフランスとオーストリアとの間で
,': : : :l:i : : |: :/, 〒.､! : : :! ,〒 ﾐ ヽ.: : : ヽ: :!. スペインを巡っての争いが起きると目されていました。
l: : : /!ｌ: .: ,L/トi':::Nヽ: : :l トi':::Nヽ_ヽ.: .: :',:l
ヽ: :l. ｌ|: :/ ﾑ弋二ﾉ !`-l 弋二ﾉ l. ｌl.:〉、: l:!. . レオポルト１世が皇帝に兵八千の援軍を出すことを条件に
ヽ! ヾ {「 rｲヽ二 .ノ , 丶､ 二（ ヾ 〉 : l: /l.. . ブランデンブルグ選帝侯に王号を与えたのも、（王冠条約）
,'.:〉! ヽ V ,/ ｏ ヽヽｩ 〉: : l/ l!.. . これに備えるためであろうと思われます。
,':/.:,ヽ ）` tz---t '' 7'" } `ヽ : : ',
//.:/.{￣｀ ''くl:.:.:.| l,. ┴ ''' ´l / ヽ: : :',.. .
//.: :|,/ミミ､､、 ヽ:|´￣ { ,. ,., 彡!' !:ヽ :',
／.: .: / ` 、 ``ミ!:.l. ﾊ彡' , - ' ` ､ |: :丶ヽ
xY:}:{:Yx
,r=≠≧xﾙ≦z==x、
__,ノ::/´〃;ｲ:{::=ミ､＼､:::＼
-=彡;:::j:::{:::::{{::{:{､:ヽ::::}:}::::}ﾊ:}ﾊ:＼
_ノ;/;:/::,ﾉ;:ｨ:ﾘﾉ}:}:}::}:V:ﾉ}:;ﾊ:{､Vヾ=ﾐ､
/´ /;:/:ｆ´{:{ {:{{ {:{ﾉハ{:{ {{ ﾘム:Y彡} }
{:{:{:Y⌒ﾘ ｀ﾘ ヾ、 ヾ ｀ヽ ﾐ}:}彡ﾑ
{ヾYゞ＝=ｘ､:. } .:,r=＝‐ﾉ'^Yｆr}}､
,ﾊ,ﾘ}: Y´@｀ヽ）:. .... .: ｨｆ´@｀Y r;{ﾐ:ｆ }
ｲ:,ｆ:: ミ＝'´ ..:j:::.. 、 ｀＝彡 r;.:}:}}|
|八r:‘r r; ‘^ｰ'^’ ‘r; r_;:ﾑﾘ
＿_ . --一ベr;，::__r=ニｰ'ニ=､_,:: .r_;ｿ / ｀ ー――‐ ､
l￣ ／ |｀ト､｀ヾ二二二ｱ´,rｨ´｜ /
| | }: :|`ト::.. ー ..::ィｆ: :{ ! | /
. ＼ ｉ |: :| :!:: ｀:i:´ :// : ﾊ i ／|
｀ト-r: ､ | : ヾニヽ:レ／: : : :,:} r: ´: V
プロイセン国王 フリードリヒ１世
スペイン王カルロス2世の遺言書には、フィリップに王位を譲る旨が記されていた。
|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|
| |
| |
/ ￣￣￣￣ /＿＿＿__
/ フランスに /ヽ＿＿／/
/ 全部 ./ / /
/ あげます / / /
/ ＿＿＿＿ / / /
／ ／ / /.
／ ／ / /
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣/ / /
彡彡彡 ｲノィf////ィ彡ｨ／ |li|トiＮlil|
彡彡イ/,イﾉノﾘ//,メ､!,'／ }ihl|lﾄh!li
イﾝﾉ/ｲf//ｨ彡'//==x'<_::::........ // !{l}jj｝l|
彳ｿｨ彡'ﾉﾉ彡ｲiﾘ ／卞'ｼ"i:.! ,::::::// li|liﾘ'ili|
ﾉイ彡彡彡イ!lil|/ / !/､=ﾐf､ﾝ´/lf{ jli|
彡彡イjiｼ'´,ﾉﾘﾘ / ':!.:｀丁/ﾉｲﾊヾj|ﾘ
ィﾘ/ｨﾒｲli,ィ彡" ／ | !ｲﾉﾉﾊlヾYi
//'´7Zｨ'彡'´^メ､_ 'ー--' ／{ｲ//ﾙ'ﾉ,ｲ!
/ ,ｲ彡7ｨ', / 、 ｀ ‐ ､_, ／//lV/ﾘｲr'iﾘ |
/;ﾂ'´ｲﾙイｨ, ,､ﾝ;-､_, ,ｲｨﾉノﾊliW/小'ﾉ ,!
､jl/ ,ｨｼｲ彡ｼﾉﾉﾙ､,.ｨ'frｼﾉﾉ//ﾊliliﾘ|｝{{ （
/ヽ、fr' '7ｼ'ｿ/ﾊﾂﾉﾉ八{lili/'ﾉﾉ/ 川{ l八! ',
ﾒ､ / '"ﾝ'ヾﾂﾉ ノﾉﾘ',/// /ﾉﾊ!( ヽ ,!
／ 了 | f{! ／ｿﾉﾉｲ／,ｲﾉﾘﾘ} ヽ. ソ
これにはフランスの暗躍があったと言われている。
_＿_,|ヽ､.__＿_____
λ,. | ゛ ゛｀ヽ､
,ィ´" ,ﾒ､ ｉ ｉ ､ ｀ヽ､
,ｲ´ ,ﾁ|ﾄ´ 〉| ,ﾊ ‐ｔ-､ ヽ ﾊ.
. / / /ﾘ ﾘ ﾚ'| | ヽ;|V､ ﾍ. ｊ. こうしてルイ１４世の孫・フィリップが
/ ,ｨ´ ,ｲ ,ｨｆﾃｫ. λ | ｫﾁ心､ ﾍ. | スペイン王フェリペ5世として即位するのですが…
|/ | :|;λ ﾄ:zｊ }-{ヽ| ﾋ::汐|:ヽ > {
. | |ｉ: :}､＿,.ノ ゝ ＿ .ノ| ｊ;〉´ 〈. 当時、ヨーロッパで頭一つ抜けた大国であったフランスが
｀ヽ|:| :j.､ ､__ | ,ｊ:: : { スペインまでも手中に収めることを恐れた
ﾘ .:|:::｀::‐- _ -‐＜ﾘ ﾒ|:: : λ イギリス・オランダはオーストリアに接近し、
ノ 人:: :: ::..:,rｰj ﾉノ :人:::. 〈｀｀ヽ､. 対フランス大同盟（ハーグ同盟）を結成して
ノ´ ノ" ゝ‐／ t__ ノ" ノ ゛＼:.:人 j::｀::ヽ フランスに宣戦布告し、スペイン継承戦争が始まります。
（(ｊ （ /ｉ | ,r' ,ｨ´~ ﾍ:: ｀ヽ､::::;;)..
ゝ､| / ｀ﾐﾑ ﾒ／ ﾘ ,ｨ彡Ξミﾐ､ﾍ:: ）"..
___,.. --───-､ ,.-───-- ..__
ヽ ＼(こ)／ /
ヽ ＼_ _／ /
| _,. -─ ｧ' ￣ヽー-- ..._ !
／|_,. -‐ '´ ／-──- ＼ ｀ ､|
／ ヽ. ／ ＼ ／＼
＼ ＼ ,.イ ／ ヾ､.／ ___ヽ
/ __,rｯ'´ / / i i ﾞヾ |
厶r'ﾞ7 / i l l ﾄ､ |
／ !/ / ! l ! l `＼
／ |! ｌ | i| l j | l ! ＼
／ l | i _,|rt─┼{i. ‐/‐/- ､ /! j ＼
/__ ___ ＼!､ ＼_ij,.==ﾆ ＼_／/ム.._／ﾒ / ヽ
{-─ ‐- =- ､.__,.ﾄ ｿﾐ〈 { .ｨr } ´{ .ｨr Ｙz_,イ i
＼_,.=ﾆｰ- ､.._く ｀ くi.__ ゞ-'′ , ヾ..ン ' ﾊシｒ=_,ニ二二ﾆ j
r─二ニｰ-干ｰzく .____. fﾆ_ -┘ ＿ ／
ヽ=ヘ三ニ-＼___/＼ ,.ヘニ-‐=ニZ_ ￣｀
` ー-ｭ-─＜ﾆ＞_､._ _,.. ＜ァ'了--= _ ｀ヽ
／ ＞トr| ｀¨ ´ト‐＜ｒ'´￣ ＼こ>‐ー '"
ヽ. ＼__ __,／ ＼
,. ィ⌒ヽr=､_ _,. -─-ﾕ.fﾆ─-､. /_,ノ
{ ／／￣｀７トlく⌒ヽ､.＼ ／/ ｀ヽ、
ヽ､_ﾊ l // ／ / / !ﾊ ＼＼ _ノ
／ Nヽ / /| i| ! 〉 }_,L_,. く
／ |ヽ.＼／,.ｲ | | ﾄ､＼ ／,.イ ＼
/ j `ｰ-' / | | | ＼ ／ | ヽ
イギリス女王 アン・ステュアート （1665-1714）
, へ、 ／ヽ
. / _ ＞r‐r＜.,＿ ﾞ､
＿} _,.斗-ﾄ､_ |
＼ゝ-イ_r‐ｲ￣卞 ｰ-＜_＾>
,ﾍr‐厶ィ ｌ ｌｉ l l ｌi !Ui ｉ jい
j ィ´￣ !ｌ |_|斗j |l !├ト|iｲ l ﾄ､
{ ヽ _ｌ リf, =､ハﾉｲx=､个ソ/ ）
,ゝ ＼__Y { ﾋﾅ ﾋﾅ } Ｙノ ｲ
く＼ ＼_辷{ "" ) "" !__ ｲ
≧ヲ⌒ヽゝ、 ）ﾏ{ __ ﾉ___八｀丶
. ／ 了 〉 }`r‐─厂 ト ヽ_∠ァ′ ＼
. / / / ＼ o{ _f＾X_ ,
| ´￣￣￣｀下､ 丁＼＿f' / ｀ヽ i
| / ハ二二二二)W ！
！ ｉ｜ｿ─っ ||i ′
､ ｜|ｿ ゝ-､＿__｣|I /
冫、 ｜ﾄ､＿＿ｱ￣￣´＼__＿＿,. イ 〉
／ >､ ヽﾚ′ ' ＼＼/
く ／／ ｀￣´ h ハｲ
. ﾄ く／ヽ /｛ ！ / _j
ア ／ヽ{ ⊥_ ヽ_ _ イ -代フ
｀>' 厂 ￣}｢入＿_工下､＿ヽ_く√
ゝ ＿_人 ＿＿儿 -┘ }!、 ／´
ヽ_ ハ:`ｰ:イ
ヽ＞ ､__,.ｲ| `ー'′
ヽ-rく_>!:| 二二二
＿ i::Ｌ_Ｘ｣:{ ＿ ￣
三三 ゝ ＿_ﾉ 三三
￣ ニニニ
r-､.
rｰ―― !: : `´￣｀. .' . ､
,!: : : : : : :!: i : i､: : : : : : : :ヽ、
/: : : : : / /|: | : l:!ヽ : : : : ヽ : :ヽ.
/ : : : : : ,': ,' .! l: : !| l: i、 Ｕ : ヽｉ : ',. 余談になりますが、アン女王は肥満体質で
/ : : : ,: : ,!-!‐ !,ｌ: : l:! !‐!- ､ Ｕ ヽ : ! 晩年になると宮廷内を移動するのにも
. ,': i: : : i: : :l :l lﾉ!: : !! |/ ヽ : : i: ',: | . 車椅子を使わなければならなかったそうです。
l : |: : : !: : :N ＿! : ﾘ ' ＿ ヽ: :|: :V
|: /!: : :|: : l. ,´＝= `r‐{. =＝ミ!i: :ｈ: ! 彼女が亡くなった時、棺の形は正方形だった
l/ !: : i、:ｉ'{ '''' ﾉ ,.ヽ ''''ﾉ,ﾊ:ｌ,ﾊ,! という逸話まで残っています。
ヽ: l ヽ!:`iｰ‐‐' r‐┐`''''",!,! :i' :|:i
ヽ! ,|: |:i`'ｰ- `_‐',., イ: !': : !: :!:!.
/|: :!|: : |, '^'、 ,ハl:/: : :,! : ',|
_＿＿__,|ヽ､_＿___
λ,. | ゛｀ヽ､
,ィ´" ,ﾒ} ｉ､ ､ ｀ヽ､
／ ,.ｨ"| ｊ:|: ｉ ｀ヽ. ﾊ.
. / ,ｲ´ -‐ﾁ|:| 〉 .| |: |ﾍ‐- ヽ } さしものフランスもヨーロッパのほとんどを
|ﾒ 7 / ,∨ ﾘ λ 〈. ﾚ' V､ ヽ （. 敵に回してはさすがに旗色が悪く、
ﾒ .| ﾒ,ｨﾁ弌 ｀ヽ| ﾁﾗ心､Vヽ ）::〉. プリンツ・オイゲンらの活躍もあり
| | .ﾊ:ｿ:z;{ }‐{ }:ｿ:z;ﾊ|: .|" .:{. カールがスペイン王位を手にするかに
｀ヽ|ﾍ|:.:ゝ｀二 ノ ゝ 二´ノ |:. j: ::ﾘ 思われたのですが…
λ:.:ｊ､ ､__, ,ｨ´|ﾒ:{: :(.
ノ :|: .:|:::｀＞‐ｧ-t‐＜´::::|::;ｊ:: .|: :ﾊ
γ´ ::ﾉ: :ﾒ:,r' ﾏ‐-‐‐/ ｀ヽ:ﾒ: :j: : 人.
（(ｸ :;ﾉ ノ;/ ﾍ / ノ ::λ:: .j)) .
ﾉ :;∨::/ミﾐヽ、 ∨ r'", :;ノ彡X:: 丿.
┌─────────────┐
│┏━━━━━━━━━━━┓│
│┃ ／／＿＿ ＼＼ .┃│
│┃ ／／／ ＼ ＼＼ . . ┃│
│┃／／／ ⌒ ＼ ＼＼ ┃│
│┃／ | ー□=□ ＼ ┃│
│┃ |::::::: (（__人__） .┃│
│┃ | ::::::: ｀⌒´ﾉ .┃│
│┃::::::: i ::::::::::: } ┃│
│┃::::::::::: ! ｝ ┃│
│┃ !、 / ┃│
│┃ ,,.......イi ＼＝ー，|"-､ ┃│
│┃ .| . ＼____ノ| ヽ ┃│
│┃ i ＼/（__）＼i ┃│
│┃ ＞ .ヽ 八 | ┃│
│┗━､''ﾞﾞ;､)━━━､''ﾞﾞ;､)━・━┛│
└（）─ﾞ''!ﾘ''─ｉ⌒ｉ─ﾞ''!ﾘ''─（）──┘
「.| . ..‖ ...| :: | ‖ 「.| ﾁｰﾝ
..| | . .昌 . ..| :: | ..昌 .| |
ヨーゼフ1世 （1678- 1711)
１７０５年に死亡したレオポルト１世の死をうけて
皇帝となっていたヨーゼフ1世が、１７１１年に急死する。
.o. ╋ .o.
|｀‐´｀‐´|
|＿皇＿|
／ ＼
／ − − ＼
／ -（◎）−（◎）|
| （__人__） |
/ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
ヨーゼフ1世には嫡子がいなかったため、
弟のカールが急遽あとを継ぎカール６世として皇帝に即位した。
| ＼ ／ |
| ＼r rイ |
「￣ , ィ´￣｀7ﾊ^X^ヽ ￣｀7
」 ,// ／/i::l::ﾉノl l:､ /
／ L＿//, イ／::l:|::|:|::|ﾉノ::|:Vコ これはマズイことになったの…。
/|:.|.:|::|｀ﾄ､,|:|::|.|::|_;:イl::lヽ ヽ
|.:!::|::|::!:0′.:.:::::.: 0′ | ＼ もしカールがスペイン王にまでなったら
.:.:.::::| .:.:::::::::::.:.:. l:.:. ヽ
_.:.:.::::::::l /ヽ /::::.:.:. / あのカール５世の再来になってしまうのー。
二三三ヽ ⌒ / =＝ﾆイ
｀`>.::::フ^rrー - ､ ＿, -─-､ﾆ二＜
l::／ |:にﾆﾆ >>ェ＜ﾆ二::| ｀ヽ
〈 `ー一'77^ﾄﾄ ー一' /
> / // l:| i i 〉
カールがスペイン王位を継ぐことによりハプスブルク家の大帝国が再現することを恐れたイギリスは、
フランスとスペインが併合しないことを条件にフェリペ5世の王位を承認し、同盟から離脱する。
この結果、カールのスペイン王への道は閉ざされたのである。
／
／／
／／／ (⌒＼
／// ＿＿＿ ＼ ヽ
( ( .／＼ ／＼ ＼＼ ＼
＼ ＼ ／-（◎）-（◎）-＼ ト＼ヽ
＼ ＼ ／::::::⌒（__人__）⌒::: | ＼ヽ
＼ ＼. |r┬-| ﾉ ﾉ ＼
＼ ヽ `ー'´ ／ ／
/ ／ ￣￣￣￣ヽ
／/ / ￣￣￣￣) )
／ ( ⌒￣￣￣ヽ ﾉノ／
＿／ ／ `ー―――､ ) ﾉ／
ー＝二三 _＿ノ ﾉノ／ ／
ﾉ／
／
カールは１８歳の時からスペインに渡り
.:::....:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ、
:::::::::::::::::::::::::......::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
─-- .,_:::::::::::::::::::::::::::....::::::::::::::::::::::｀ヽ、
:─一::-:::_｀'::‐--::,_:::::::::::::::::.....::::::::::::::::::ヽ、
:::::::::::::::::::::￣｀ ‐-::::￣｀' - .,_::::::::::::..:::::::::::へ、 ＿_,.
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.......｀' - .,_:::::::...::::::::::ヽ、 ＿_,. -‐_'"_,. /
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀' - _::::::..::::::ヽ、 ト-‐''""::::/ /
::::::_,. -─ '"￣￣￣￣￣￣｀'::‐-:::.,_:::::::::::..｀ヽ:、:::.::::＼ l::::::::.::::::/ /
"´::::::::::::::::::::::::::::::....::::::::::::::::::::::...:...:.::...::｀' ‐- .,_:::::｀'ヽ、::..:.ﾞ,:::::::.::::l l _
,.-::─一::´￣￣￣￣｀':.── --:.,:_:::::::::::::::::::::::｀'‐-.,_:::::::::ﾞ,::::::::.::l l.ヽ ＿＿＿ ヽ て＝=-rz
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::......::::::::::｀'‐-.,_::::::::::::::::::::::::｀ヽ,ﾍ:::::::.::ﾞ, ﾞ, ｀ー─.／ ＼ ／ ＼ /:::::::.::／
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r- ､:::::::::::::::::::::::::::........｀' ‐-.,_:::::::::::::::::::ヽ、::.:ヽヽノ , ／−（◎）-（◎）│｀ー―//::. .:::／
＿＿＿:::::::::::::::::::::::::/:: : :j:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... :::｀' - .,_::::::::::＼:::.ヽﾞ,::l│ （__人__） │ ,'::::,.-‐'´
....:::::...::::..￣￣￣,'ﾌ､:::: :/─ - .,_::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....｀' - <:::ヽへヽﾞ,ヽ ｀⌒´ ／ 〃.,.-‐'´
:::::::::::::::ノヽ、:::::l:::: :: :´〈::::::::::::::::::::￣｀' ─ - .,_::::::::::::::::::::::::::::＞- ､', - _:::ヾ､!｀' ー-─. ,ｨ'´ ,::ィ､｀ﾞ' - .,_
:::::::::／:: : :ﾉ:..:::j::/:: :: :: ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.....｀ﾞ':::─- .,__/:::::::::::::::.｀ヽ了__ヽ_!__o_jﾉ／' ":_,. -::::::::ヽ::::::::｀' ‐- .,_
.::::/:: .:::／_,､_ノ::{:. :: :: :: j-‐''""ﾞ´￣￣￣_,.二::ニ＝＝=- -'一‐- .,_:::.:::::ヽヽ- .,_￣:::::::::￣:::_,-=zzzzｼ::::::::::::::_,.-≫
::/::: ::/"´:: :: ヽ,. へ:: :: :l::::_,. - ─ '"ﾆ二 -─ ''""´￣￣/￣￣￣｀:"ｧ-z==ヾ､::::￣'-=三Zシ::::::::::::::_, ｨz -'"'´
ヽ＿'＿__:: ::／:::::ノ、::::lﾆ-,r-‐'"´￣｀ヽ、 {':: :: :: ::' ::::／!l: :!l:::::::::ヽへ、:::::::...._,. -‐'=＝-'"´
´:::::::::::::::7:: . .／::},:: :.フ´:: :〉-,/⌒! ＼、 ／:: :: :: :: ::／:: ::!l: j l::::::_,z=1l｀ーr -＜'"￣'＜ヽ-､
::::::::::::／::::::／:_:: ::y´:: ::／::Y´:: :/ ｀ｰ-, ｀'- _／:: :: :: :: _,イ:: :: :: ::ヽl !／-':: ::l{!:: l!:l ＞- _:: :: _／r- :〉、
:::_,.-'´>､,.-‐'-､:／:: ::／:_:／:: :/j:::::::::::j!ー- .,_ノ､:: :: :: :: ／ l:: :: :: :: :j／ヽ:: ::､::!l!;; ;l!:l てz＜'",.-‐'_／::::::ヽrz､-っ＿
'_,.-'´ /:: ::／:: :ソ:: ::／/: lヽ::,/:: :: :: :: :: :: !:: ::／`' .,_ ヽ :: :: ::.. :: ::l !:: ヾ､ゞ、l!:l ￣￣￣ l:::::::::::_,.- 二ニっ
/ー'7｀ヽ＿／∠/:ノ´::,/ :: :: .. :: :: ::.:l／ ｀'- ヽ:: :: :: :: ::l ! :: :: ::l l !z:lﾍ、 ヽ::::〈
, ﾞ /::::::::::_,. z='シ:::_,.ノ:: :: ::_ _＿ : ／ ヽ、:: :: :: l !:: :: :: ! li:: l!ヽ ＼、_ ヽ_j
/ /::::_,z=Z=ﾆ_,. -'"´｀¨¨¨ ´ ｀ｰ-'ﾞ ヽ、:: :: :ﾞ,ﾞ, :: :: :l !l ::l!::l, ｀ヽ､‐- .,_
/ /∠z≠''"´ ヽ、 ＼:: :: :: ﾞ, :: :: ﾞ, !ﾞ,:ヽ r- .,_ ｀'=z.,_::::' ─- .,＿＿
/ヽ ヽ、 ヽ:: :: ::ﾞ, ｀'-zヾ､:ヽヽ、 ￣`ﾞ'‐--z=z- .,_::::::::::::ヽ、
青春時代の全てをスペイン王になることに費やしたが、
／￣￣＼
/ ＼
/:::::::::::::: ヽ
|:::::::::::::: |
ヽ:::::::::: ／
/:::::::::::: く
-―――――|:::::::::::::::: ＼ -―――――
あと一歩というところで王位を逃した。
テレジアがこの世に生を受ける三年ほど前の話である…。
／￣￣￣＼
／ ─ ─ ＼
／ （●） （●） ＼.
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／
／´￣｀ヽ / ｀ヽ
/ ′ }
′ ｀￣￣｀ヽ l ／ ヽ /
i V 第４話
| ／ ＼ ヽ
l / '. '. 「 開戦 」
′ ′ _,. -―---, i !
′ / ／ ｀ ＜ ! jヽ
/ __ム-‐ ´ ､ ∨ _r_´ノ
/ ／´ ,.-､ _ヽ〉r弋ァ'´
i , '´ ￣ ｀￣ ´ ／￣
廴_ _, '´ ／
／ ￣￣ , ´
／ / /
/ / /
/ ,.ﾍ
i ｀丶、 ／ `､
| ＼ ／ '.
l ヽ´ '.
'. ヽ '.
`､ `､ '.
１７３６年 ４月
テレジアとフランツの結婚式から２ヶ月ほど経った時のこと…
_＿_
. _, -' ´_＿＿＼
. , '´ _,-'´, -――- ゝ、
／ .／ ／ ｌ ﾄ、＼
＼__/ /l / ／ , /l'| ﾄ､l ',
l | / ｌ/|７ニイ´/〃| -Ｌ.l ! フランツ坊ちゃまー。
l | l | ┬::cr / / ┬c｣ |
ｌ | l ! l:::::::j ' l::::j.! / お客さんニダよー。
ｌ | l l⊂⊃‐ (__人__)‐⊂/
! | |ヽ| ｀‐-'´ ﾘ
! | lゝ､ ｎ ／|
! | |::::::::::ｰ┐ r‐:::l !´l. |
/｜ l::::::::::;ｨ´ {Ｘ}i〈＿〕l. !
l l__j::::::::/: i＿lil__|: !: /. !
/ / ::::: ｉ: : :l:::::ﾋj::L:ノl＿|!
/ / ::: /: :ノ:!::::::i:::lヽ ::: i.
l ! ,/: :/l/: :T: : Tヽ＼::: i
/ / ／ ヽ//: : : !: : : :ヽヽ ヽ〕
侍女 南鮮石
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●） 客？ 俺にか？
. | （__人__）
| ｀ ⌒ﾉ いったい誰が…
. ヽ }
ヽ ノ ＼
/ く ＼ ＼
| ＼ ＼ 旦~ .＼
| |ヽ、二⌒)､ ＼
フランツ・シュテファン
|┃三 ／￣＼
|┃ | |
|┃ ＼＿／
ｶﾞﾗｯ. |┃ | 私です。
|┃ ﾉ// .／￣￣￣ ＼
|┃三 ／ ::＼:::／:::: ＼
|┃ ／ <●>::::::<●> ＼
|┃ | ヽ （__人__） / |
|┃三 ＼ ｀ ⌒´ ／
|┃三 ／￣￣￣￣￣￣￣ ＼
プリンツ・オイゲン
／￣￣＼
／ _ノ ＼ て
| U （ ●）（●） そ オ…オイゲン公…！
. | （__人__）
| ｀ ⌒ﾉ どうされたのです？ こんな夜更けに…
. ヽ }
ヽ ノ ＼
/ く ＼ ＼
| ＼ ＼ 旦~ .＼
| |ヽ、二⌒)､ ＼
／￣＼
| |
＼＿／
|
／￣￣￣ ＼
／ ::＼:::／::::＼
／ <●>::::::<●> ＼ なに、少々話したいことがありましてな…
| ヽ （__人__） / |
＼ ｀ ⌒´ ／ ここでは何ですので、少し外に出ましょう。
￣（⌒`:::: ⌒ヽ
ヽ:::: ~~⌒γ⌒）
ヽー―'^ー-'
〉 │
・ .,. ;:;: ,.:;,;,:,:,; ;., ;,::;
;:;;: , .,., .,. ;:;:。 ,.:;,;,:, *:,; ;.,;,::;;。,... .. ;:
;:;;: , .,., .,. ;:;: :. :. .: : -‐- :. .:.::. .:.: :. .:.: ,.:;,;,:,★:,; ;.,;,:: .,...
;:;;: , .,., *., . : ,r'´. ｀ヽ: .. : :. .:.::. .:. . . ;:;: ,.: ;,;
＋ .: ..: :' ..:. ﾞ; ::: :. :. .:.:. .::;:;;: , .,., .,. ;: ; ,;,:,:,; ;.,;,::;;,... .. ;:
: :. ::.. .: :. .:.::. :. . :. ;:;;: , .,., .,. ;:;:。 ,.:;,;,:, *
;:;;: , .,., .,. ;:;: ,.:;,;,:,..: ..: :ヽ ::::... ..... ,.': :... :. :. . :.::,; +;.,;,:: .,... .. ;:
;:;;: , .,., *.,::.. :..:. :` ｰ- ‐ ''"... . .::: . ;:;: ,.:;,;,:,:,; ;.,;* ,::;;,... .. ;:
:: . ::. ::::. ::.. ::.. ;:;;: , .,., .,. ;:;:
;:;;: , .,., .,. ;:;: ,.:;,;＋ ,:,:,; ;.,;,::;;,... .. ;:
;:;;: , .,., .,. ;:;: ,.:;,;,:,:,; ;.,;,::;;,... .. ;: ,.,.,
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●）
. | （__人__） オイゲン公…話というのは？
| ｀ ⌒´ﾉ
. | }
. ヽ /
ヽ ノ
/ く
| ＼
| |ヽ、二⌒)､
／￣＼
| |
＼＿／
|
／ ￣ ￣ ＼
／ ::＼:::／:: ＼
／ .<●>::::::<●> ＼ 単刀直入に言いましょう。
| ヽ （__人__） / |
＼ ｀ ⌒´ ／ 私が死んだ後のことです。
/,,― -ー ､ , -‐ ､
（ , -‐ '" ）
`;ー" ` ー-ー -ー'
l l
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●）
. | U （__人__） な…何をそんな縁起でもないことを…
| |r┬-|
. | `ー'´}
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
／￣＼
| |
＼＿／
|
／ ￣ ￣ ＼
／ ::＼:::／:: ＼
／ <ー>::::::<ー> ＼ なに、自分の体のことですからわかるのです。
| ヽ （__人__） / |
＼ ｀ ⌒´ ／ おそらくもう長くはないでしょう…。
/,,― -ー ､ , -‐ ､
（ , -‐ '" ）
`;ー" ` ー-ー -ー'
l l
／￣￣＼
／ _ノ::::::::＼
| :::::::::（ ●）::（●）
. | u （__人__） ……。
| ｀ ⌒´ﾉ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
| ＼
| |ヽ、二⌒)
／￣＼
. | |
＼＿／
＿_|＿_
／ ＼
／ :::─:::::::─＼
／ <●>:::::<●>. ＼ ここのところ特に体調が優れず、
| ヽ （__人__） / | お二人の式にも欠席する有様…
＼ ｀ ⌒´ ／
／ﾞ ヾﾐ>､_;;:: ー ｲ もっとも、心無い輩は
./~ ､ ヽ.ヾ#i＞ｰi~ﾞ^,ゝ ,.r-っ'ゝ 私がこの縁談に反対しているために
ﾉい ﾞヾ ＼ﾆ ﾆン_,ｲ^─-^' r'~~. 仮病を使った、などと噂しているようですがな…。
( i＼ ｀ゝ ｀＾￣6)~￣ﾌ j; j;^ヽ,
j ヾ､ ^|T‘ｙﾌ,ﾌrγ
,>、 ＼ |i| / ノ
∧ ~ﾞ=ｰ-っ Ｙ ///
ﾍ ＼ ／ !／ /|
| ＼＼_ (. / ／|│
〉 ＼ /.ノ |i_〈
＼_ ｒ-'＾ヾ.ヾ,~Ｔﾆ-/ /ヾヾ.ヽ,
~ﾞti-^ti'^ti'┘ / /ti'^ti^ti
／￣￣＼
／u _ノ :::::＼
| （°）（°） そ…そんな噂信じるワケないでしょう
. | （__人__） 常識的に考えて…
| |r┬| .}
. | ｰ―' }
. ヽ }
ヽ ノ ＼
/ く ＼ ＼
| ＼ ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､ ＼
／￣＼
| |
＼＿／
|
／￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
/ i^'!、 ,r'"j ヽ. 確かに私は以前、テレジア様の婿として
／ ::::｀ヾ>::::::::::::
/ _,._,.::::::::::::::::::::::::::::::_,._,. .:.:ヽ 知っての通りその提言は却下されましたが…
| < (ヅ,>::::::::::::::::::::::< (ヅ,> . .:.::|
! ｀￣´ . ｀￣´ .. ::::::! それでよかった、と今は思っております。
｜ ﾉ . : . :;i, ... ::::::.:::|
! （.::.;人..;:::） ...:.:::::.:::::::::!
ヽ、 ｀´ ｀´ ........::..::..::.::::::::/
＼......,,,,,,,_ .....:::::::::::::::::::::::::／
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●）
. | （__人__） …と言われますと？
| ｀ ⌒´ﾉ
. | u }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
| ＼
| |ヽ、二⌒)､
＼ ＿＿＿＿／
|
|
／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
／ ＼
／ ＼ ／ ＼
／ ...::::::＼ :::::::::: ／::::::.. ＼ プロイセンのフリードリヒ王子…彼は危険です。
／ ＿ .::::::::::::＼:::::::／:::::::::::.. ＿ ＼
／ ／,..::::::::::.ヽ＼:::::;;;;;;;;;;;;;;;;;::::／,..::::::::::.ヽ＼ ＼ 彼が国王となれば、いずれプロイセンは
／ < {:::::::::::::::::} >::::;;;;;;;;;;;;;::< {:::::::::::::::::} > ＼
／ ＼ ヽ;;;;;;;;;／／::::::::::::::::::::::::＼ ヽ;;;;;;;;;／／ ＼ ハプスブルクに仇なす存在となるでしょう。
/ ／ i ＼ ヽ
| / ∧ ', |
| ｛ / ヽ ｝ |
| ヽ＿＿_／ ＿_ ＼＿＿_ﾉ |
＿＿
..:...::.／:..:..:..::＼.::..:..:..::::..:..::.:..:...::..::..:..:..::::...:.....
.::.／.:..:.._ノ::::..:..＼.:..:...::.:..:..::::....:::..:..::::..:.:..:....
:..|:::.... （ ○）（○）.::..:..:..:..::::..:..::.:..:...::...::::..:.:..:....
.: |:::.... u （__人__）.::..:..:..:な…..:.::..:.:..:....
::. |::u:. (.::..:..:..::::..:...:..::::::::..:..::.:...:..::::..:..::.::..:....
.::. |:::.....u ｀ ⌒´ﾉ.::..:...:..::::..:..::.:...:..::::..:...:....
::..:.ヽ:::..... }.::..:..:..:..::::..:..::..::::..:..::.:..:...::..:....
.::..:...ヽ::..... ノ ＼
::..:..:..:/::.. く ＼ ＼
.::..:..: |::... ＼ ＼ ＼
::..:..:..:|:::..... |ヽ、二⌒)､ ＼
／￣￣＼
ノし. u:_ノ｀ ,,＼.
/⌒` （ ◯）（Ｏ):
.:| j（ （__人__） 何を馬鹿なっ！
:| ＾ ､｀ ⌒´ﾉ: あいつはそんな奴じゃない！
| u; ﾞ⌒}:
ヽ ﾟ " }: 第一私に彼を紹介したのはオイゲン公…
ヽ :j ノ: ｉ |ｉ | 他ならぬ貴方ではないですか！
／⌒ ヽ | || | |
:: ／￣￣ヽ :: ＼ || |i
:: （｢ ｀rﾉ :: ＼ ||i ＼
:: ヽ ノ :: ＼ ＼
ガタッ！ | | r ｢＼ ＼ ＼
| | | ﾉ ＼ ＼＿＿ ＼
ヽ＿ノ /||| l ＼_, ｀ヽ ＼
|| ｉ / | ||| | (＿つ￣と_ノ) ＼
|| || | | ||| | ＼
／￣＼
.| |
＼＿／
＿_|_＿_
／ ＼
／ ＼ i||i ／ .＼
／ .<−>::::::<−> ＼ ………
| ヽ （__人__） / |
＼ .｀⌒´ ／
ノ ＼
／￣＼
.| |
＼＿／
＿_|_＿_
／ ＼ フランツ殿…
／ ＼ i||i ／ .＼
／ .<●>::::::<●> ＼ あの脱走事件以降に
| ヽ （__人__） / | フリードリヒ王子と会われたことは
＼ .｀⌒´ ／ ございますかな？
ノ ＼
／￣￣＼
／ ＿ノ ヽ_＼ て
| （●）（●) そ い、いえ…
. | （__人__）
| u ｀⌒´ﾉ 手紙でのやり取りは何度かありましたが…
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
. ／ ＼
／￣＼
| |
＼＿／
|
／￣￣￣ ＼
／ ::＼:::／::::＼
／ <●>::::::<●> ＼ 私は先のポーランド王位継承戦の折…
| ヽ （__人__） / | 彼と直に会っているのです。
＼ ｀ ⌒´ ／
￣（⌒`:::: ⌒ヽ
ヽ:::: ~~⌒γ⌒）
ヽー―'^ー-'
〉 │
{ ! 、,ゝ=＝=く:::: _ 、,ゝ=＝=く:::: ! }
ｨ彡三ﾐヽ ｀ヽγ ｀ヾ, 、 γ ｀ヾ, /｀ ｨ彡三ﾐヽ
彡'⌒ヾﾐヽーく( r,J三;ヾ )> く( r,J三;ヾ )> ー彡'⌒ヾﾐヽ
ヾ､ ; {三●;= } ,= ′ ヽ;{三●;= } ,=ｿ /
＿ ｀ー―'ゝ≡三＝ノ ゝ≡三＝ノ ｀ー―'
彡三ミﾐヽ 彡三ミﾐヽ
彡' ヾ､ ＿ノ ＼＿ ヾ´ ´ミ
｀ー ' ＿＿＿_ ｀ー ´
,ｨ彡三ﾆﾐヽ ＿_ノ ／::::::::::::::::::＼ ,ｨ彡三ﾆﾐヽ
彡' ／::::−::::::::::::−:::＼ ミ'
＿ ＿＿ ノ ／ （ ）:::::（ ） ＼ ＿
,ｨ彡' . | :::::::__´___::::::: | ,ｨミ'
ﾐ三彡' ／⌒ ＼ :::::::::::::::::::: ／ ﾐ三ミ'
ｨﾆﾆ=- ' ./ ::::::::::::::::::::::::::::::: ＼ ｨﾆﾆ=- '
,ｨ彡' .|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: | ｀ミｨ,
.
／￣＼
| |
＼＿／
|
／ ￣ ￣ ＼
／ ::＼:::／:: ＼ あれは危険な目です。
／ .<●>::::::<●> ＼
| ヽ （__人__） / | そう…まるでかつてのフランス国王のような…
＼ ｀ ⌒´ ／
/,,― -ー ､ , -‐ ､
（ , -‐ '" ）
`;ー" ` ー-ー -ー'
l l
＿＿
_, '"´ ｀丶、
／ ＼
/ ,' / ／ / ヽ ｀ヽヽ
l l j __ // ,ｲ ､ハヽ }! ﾊ
l l ｢ j_从7ヽﾊ !七大 ` } ﾘ }/
| l Vfﾞi圷/ jl ﾉィｱト､ﾍ// / _ ,, .... ,,、＿_
j l l V_:ｿ ´ V:ﾘ /jｲノ ／ｨ彡彡彡'三三≧､
,' ﾊ ﾍ. ' ｀ ,' l ! fr'ﾉｨ//r''^`ミﾐﾐﾐﾐヽﾐﾐヽ
/ / l ヽ ー ‐ .厶 |ﾊ ｿﾉ八l ヽ!l|l|lﾄﾄゝﾐ
／／' ∧ 弋ﾄ ､ __ , r＜7 l ヽ 〃 {_{ノ ｀ヽ!l|l|lﾄﾄゝﾐ
／ / ／ ∧ Vー､ Kヽ{ ヽ ヽ li':./ﾉ● ● ﾄ'ﾘl|l|l|l|lﾄ
/ /.／ /¨} ',__∧_j_l::::ﾊ ＼ }／. 川|l ､_,､_, |l{lﾘﾊﾄl|l|､}
,′ l { ／:::/ /::::ヾ ☆Y:::ﾊ X l|i /⌒l, ﾘ}}iliﾘﾄ､',ﾐ
{ V r'::::::/ /::::::::::＼__j:::::入xぅ／ ＼ /::| ￣|ｿ/ﾊﾂﾉﾉWl::::::::ヽ
ヽ l { :::/ /::::::::::::::::::V:／／∠ ', |;:::| l ヽ０００/ l::::::::::::|
} ! j／ ／:!::::::::::::::::::∧V _二}:ヽ /
ルイーズ・ド・ラ・ヴァリエール
ルイ１４世はヴォージュール伯爵夫人ルイーズなどをはじめとする数多くの愛人を持ったが、
プリンツ・オイゲンの母もその一人であったために、ルイ１４世はオイゲンの実父と噂されていた。
////////ﾉﾉﾊklﾄ'､ミヾil|
//ｲﾊﾉﾉﾙﾘﾘ川ﾊﾙヾミV
ノノｨ彡'ｲi,イili/ lWlﾄ､ﾐ',
ｨ彡彳ﾘjﾉ liﾘ .. Vﾉ/ﾄﾐi
ﾉﾉ////,,ｨZ!:|:.:.:,ｨ'//ﾘ!|li|
////ｲ;:'-ｬ!|:|:.ｲ///ﾊ{ﾉﾘ
///ｲitﾘ_jﾘ:!:!:∨//｀ﾒく
///f干彡'ﾉﾉ:.:∨l{,ﾉ八'! 好きなんだ
///丁´"// ∨!li! |l|
// 丿 /'′ ヾﾘ ﾘ 生まれついて そういうのが
/ ﾉﾘ／ ＼ﾉ
,ｨｼ'/ ｀)
ﾝ / ,., イi
,ノ ｀「ﾘﾘ |li|
ト､＿＿＿_, ,ｿ/ 川
丶ﾆ三三ﾗ´ト/川
｀}ﾘｲ!//
、 ,ィ´ﾂｲ!/
i,|lﾘi､,ｨﾘl/il|fﾉﾉﾘ
ﾊﾂ洲川Wﾙ//
ﾘイ川l|l|ﾄiｲ!//
ルイ１４世はその治世の大半を対外戦争に費やし、
晩年には 「余は少し戦争を愛しすぎた」 との告解を残している。
l l
ヽ、 , ' さらに特筆すべきはプロイセン軍歩兵の異常なまでの練度…
丶､_ _,,／
|| もし彼が王となり、ハプスブルクの敵に回るような事があれば…
_,,l:l_＿＿
,. -'"´ ｀¨ー ､
／ ,,.-'" ヽ ヽ、
,,.-'"_ r‐'" ,,.-'"｀ ヽ、
/ ヾ ( _,,.-='==-､ヽ ヽ、
i へ＿__ ヽゝ=-'"／(じ::::::)_,,> ヽ
./ /代ﾊ＞ ＝'''" ￣￣￣ ヽ
/ .<_弋ﾘ''" ヽ i
/ i 人＿ ノ .l
,' ' ,_,,ノｴｴｴｪｪ了 /
i じｴ='='='" ', /
', (___,,..---- '' ／
ヽ、 __,,.. --------------i-'"
ヽ､_ __ -_'"--''"ニニニニニニニﾆヽ
｀¨i三彡--''"´ ヽ
/ ヽ
／￣￣＼
／ u _ノ ＼
| （ ー）（ー) ……
| u （__人__）
. | ﾉ
| ∩ ノ ⊃
／ .／ ＿ノ
(. ＼ ／ .／_ノ │
＼ “ ／_＿_| |
. ＼／ ＿＿＿ /
／￣￣＼
／ ＼ ノ
| （ ー）（ー） たとえオイゲン公の言われることでも…
. | （__人__）
| ｀ ⌒´ﾉ 私は彼を信じます、友情的に考えて…
. | u }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
| ＼
| |ヽ、二⌒).
／￣＼
| |
＼＿／
|
.／￣￣￣ ＼
. .／ ::＼:::／::::u.＼ フランツ殿…
／ <●>::::::<●> ＼
| ヽ （__人__） / |
＼ ｀⌒´ ／
／￣￣￣￣￣￣￣ ＼
／￣＼
| |
＼＿／
|
.／￣￣￣ ＼ （このお方は少々人が良すぎる…
/ ＼
l | もっとも、それが彼の美徳でもあるのだが…）
（ |
＼ 〃_／
>'⌒￣￣､,＼
/ ＼
/ ｨ ,ﾉ'ヾ ヽ
/ /ヽ i
（ / ）, l
／￣＼
| |
＼＿／
|
／￣￣￣ ＼
／ ::＼:::／::::＼
／ <●>::::::<●> ＼ わかりました。 ですが、もうひとつだけ…
| ヽ （__人__） / |
＼ ｀ ⌒´ ／ 私が死んだ後はタロウカ殿を頼られるがよい。
￣（⌒`:::: ⌒ヽ
ヽ:::: ~~⌒γ⌒）
ヽー―'^ー-'
〉 │
／￣￣＼
／ _ノ ＼ タロウカ…
| （ ●）（●）
. | し （__人__） ジルヴァ・タロウカ卿ですか？
| ｀ ⌒´ﾉ
| }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
_,,,,,,,,,,,,,,,,,,,､__
,＜二ゝ､冫ソL;_=二ヽ
/ ／￣ ｀'｀´´^￣゛ﾞヽヽ
/｛ ヽ,ヽ
// 〉 ,, -‐-、 <、ヽ
/´,/ ,ﾆ,,,..､, _,ｨﾆニヾ､ i ゝ
ﾉ // ,<ｼ´ ､ ､ ,;/, ｀丶 ヽ､丶ゝ
'^〕､i! ＿,,冫i ;: ､,＿,、 〕,､｀>
｛;ｉ｀iﾞ‐-(´'´:: ｝-‐-Y´ ::､ )-‐'i´;)｝
iゞi::. ｀ﾞ‐‐,'´､ , t｀--´ ,;!ﾚ,i´
i ﾍi'::. ^ヽ､___／｀ヽ !.|;i｝l
i j // i i ;''" iヽヽ i j
｀ i! ,j (､/L;i_しi_ゝﾚ,v冫i ,j｀´
i ｀'‐- ｀,￣￣´ -‐ﾝ,/
／^ヽ､、､ ｀ﾞ ／i::＼
/:::::::f^ﾞ‐｀ﾐ‐;::､___,,,-'ン´ i::::::::ヽ、
,ノ:::::::::｛ 7‐--‐=´ i:::::::::::::ヽ､、
__,r‐´:::::::::::::::::i /:::::::::::::::ヽ i::::::::::::::::::::::｀ヽ、＿_
´:::::::::::::::::::::::::::::::i f｀ヽ::::::::::／ヽ i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ﾞヽ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::iV´r´/::::::::::ヽ ヽ, ｲ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ--!:::::::::::::::ヽ丶/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: V:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
ジルヴァ・タロウカ
ポルトガルの貴族出身。ネーデルランドの顧問ということになっているが、
実質的には皇帝一家の友人といった立場にある。
＼ .<●>::::::<●> ／
＼ ::／:::＼:: ／
＼＿＿＿／
|
／￣＼
| |
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|
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∩＿＿＿∩ ｜
| ノ＼ ヽ |
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| ∪ ( _●_) ミ j
彡､ |∪| | Ｊ
/ ∩ノ ⊃ ヽ
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
侍従長 バルテンシュタイン
その経歴や、皇帝一族のお気に入りであるために
平民出のバルテンシュタインやフランス出身のプリンツ・オイゲン同様
宮廷内の他の延臣からは疎まれた存在であった。
／￣＼
| |
＼＿／
|
／ ￣ ￣ ＼
／ ::＼:::／:: ＼
／ .<ー>::::::<ー> ＼ 御承知の通り、陛下はテレジア様が
| ヽ （__人__） / | 政務に関わることを良しとなさらない。
＼ ｀ ⌒´ ／ あの方なりの親心なのやも知れませぬが…
/,,― -ー ､ , -‐ ､
（ , -‐ '" ）
`;ー" ` ー-ー -ー'
l l
.o. ╋ .o.
|｀‐´｀‐´|
|＿皇＿|
／ ＼
／ ＼ 三, ／＼
／ -(（◎） -（◎)-＼ 女は家庭に入るべきじゃお！
| ((（__人__）) |
＼ ` ⌒ ´ ,／
. /⌒〜"￣,￣￣〆⌒,ﾆつ
| ,＿_＿ﾞ＿__､rヾｲｿ⊃
| ｀l￣
. | |
, ―- ＿,「` ー‐- _.
/: : : : : : : : :! : : : : : : : : : :｀ '. 、.
/: /: : : : : : : :!: : : : : : : : : : : : : : : ヽ
,': /: : : : : /: : | : : : i .:i : , : : : :, : i: : : ',.
l./ ./: : : | : : : |:/! : !: : : : ', :,l: : : :',
/. . : : : :/ : ,. ｧl : : : |:| l:` l､.: : : : ﾊl. . , !. スペインの気風で育ったカール６世は
/ : : /: : ,'／: / l: : : :l:! 、:'､＼: : `' !: :!: :! テレジアに対して君主としての教育を施さず、
/: : : ,': : .:ｌ: : :/＿_l: : : :l| _ヽ_lヽ、.: .: ヽ |: :|. かつてフランツが行った騎士旅行のような
,': : : :l:i : : |: :/, 〒.､! : : :! ,〒 ﾐ ヽ.: : : ヽ: :!. 各国の王宮を見て回る機会も与えませんでした。
l: : : /!ｌ: .: ,L/トi':::Nヽ: : :l トi':::Nヽ_ヽ.: .: :',:l
ヽ: :l. ｌ|: :/ ﾑ弋二ﾉ !`-l 弋二ﾉ l. ｌl.:〉、: l:!. . このことから、テレジアが父から後継者としては
ヽ! ヾ {「 rｲヽ二 .ノ , 丶､ 二（ ヾ 〉 : l: /l.. . まったく期待されてなかったことが伺えます。
,'.:〉! ヽ V ,/ ｏ ヽヽｩ 〉: : l/ l!.. .
,':/.:,ヽ ）` tz---t '' 7'" } `ヽ : : ', 実際、テレジアはその功績にくらべて
//.:/.{￣｀ ''くl:.:.:.| l,. ┴ ''' ´l / ヽ: : :',.. . 幼少期の記録が驚くほど少ないのです。
//.: :|,/ミミ､､、 ヽ:|´￣ { ,. ,., 彡!' !:ヽ :',
／.: .: / ` 、 ``ミ!:.l. ﾊ彡' , - ' ` ､ |: :丶ヽ
/: .: .: .: ! ヽ __}ヽ! ,!/‐'" l |: : : :＼ヽ
/: : .: .: .: :| lヾ.! l | { ! : : : : : ` ',
_＿＿＿＿
┌＜二三三三三≧
∨三三三三三三７
∨‐' ´￣￣二二ﾕ＿
. r=＝ﾆ二ニ三三三三三二≧
｀ヽ三斗‐〒::￣｀::.:‐＜三／
/:: /:: | !|ﾞ＼::.､ ＼:. :.ﾍ 「彼女には精神と論理が備わっている」
|::. i::.::.: l ノ ヽヽ｀ヽﾄ､ﾊ
. !::.:|:.:.从 ● ●ｌ小N
. |:.（|:. ⊂⊃ ､_,､_, ⊂l: i/
ﾞi⌒ヽ j （_.ノ ｊ:|ｿ_／⌒)
ヽ ヽx＞､ __, イ !// ヽ ／
∧__,ﾍ::{i <,!ﾄゝ ｀ｌ}:::::::::ハ
ヽ＿ｯﾉ:{ｌ / ! ｌ}::::::/'''′
トーマス・ロビンソン
_＿_,|ヽ､.__＿_____
λ,. | ゛ ゛｀ヽ､
,ィ´" ,ﾒ､ ｉ ｉ ､ ｀ヽ､
,ｲ´ ,ﾁ|ﾄ´ 〉| ,ﾊ ‐ｔ-､ ヽ ﾊ. ウィーンを訪れた諸外国の使節にとっても
. / / /ﾘ ﾘ ﾚ'| | ヽ;|V､ ﾍ. ｊ. テレジアは単なる一王女に過ぎませんでしたが、
/ ,ｨ´ ,ｲ ,ｨｆﾃｫ. λ | ｫﾁ心､ ﾍ. | イギリスの大使だけは早くからテレジアの才能を評価し、
|/ | :|;λ ﾄ:zｊ }-{ヽ| ﾋ::汐|:ヽ > { その人物評を本国へ送っています。
. | |ｉ: :}､＿,.ノ ゝ ＿ .ノ| ｊ;〉´ 〈.
｀ヽ|:| :j.､ ､__ | ,ｊ:: : { ですが、イギリス本国ではこの報告は
ﾘ .:|:::｀::‐- _ -‐＜ﾘ ﾒ|:: : λ それほど注目されることはありませんでした。
ノ 人:: :: ::..:,rｰj ﾉノ :人:::. 〈｀｀ヽ､.
ノ´ ノ" ゝ‐／ t__ ノ" ノ ゛＼:.:人 j::｀::ヽ
（(ｊ （ /ｉ | ,r' ,ｨ´~ ﾍ:: ｀ヽ､::::;;)..
ゝ､| / ｀ﾐﾑ ﾒ／ ﾘ ,ｨ彡Ξミﾐ､ﾍ:: ）"
／￣＼
| |
＼＿／
|
／ ￣ ￣ ＼
／ ::＼:::／:: ＼
／ .<●>::::::<●> ＼ タロウカ殿は博識で、顔も広い。
| ヽ （__人__） / | 彼ならば必ずやテレジア様にとって
＼ ｀ ⌒´ ／ 良き教育者となるでしょう。
/,,― -ー ､ , -‐ ､
（ , -‐ '" ）
`;ー" ` ー-ー -ー'
l l
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●） オイゲン公は…あいつに
. | （__人__） 政治をやらせるおつもりなのですか…？
| u ｀ ⌒´ﾉ
. | u }
. ヽ }
ヽ ノ
／￣＼
| |
＼＿／
| /)
／ ￣ ￣ ＼ ( i ))) 何、備えあれば憂い無しと言うでしょう。
／ ::＼:::／:: ＼ / / もしものことがあってからでは遅いのです。
／ <●>::::::<●> ＼ﾉ /
| ヽ （__人__） / | ,/ それに私の見る限り、彼女には王才がおありになる。
＼ ｀ ⌒´ ／
／＿＿ /´
(＿＿＿） /
／￣＼
| |
＼＿／
|
／ ￣ ￣ ＼
／ ::＼:::／:: ＼ もっとも、早々に御世継ぎが生まれれば
／ .<⌒>::::::<⌒> ＼ 老いぼれの杞憂で終わるのですがな。
| ヽ （__人__） / |
＼ ｀ ⌒´ ／ フランツ殿には頑張って頂かなければ…
／ ＼
| ,― 、,―、 |
＼ ￣￣ (⌒⌒) ￣ /
￣￣＼＼／／￣
／￣￣＼
／ _ノ ヽ､_＼ オ…オイゲン公…
｜ （○） （○）｜
.｜//（__人__）//｜ からわんでくだされ
/⌒)⌒)⌒.｜ |r┬-| | /⌒)⌒)⌒)
| / / / ｜Ｕ ヽーﾂ ｜ / / / / /
| :::::::::::(⌒)｜ ｜ゝ⌒) :::::::::::/
| ノ ＼ ／ / ） /
ヽ / ／ ＼ヽ / ／
ハ （ ／￣￣＼; ／￣￣￣＼
ハ （ ／ ＼ ／￣＼ ｌ |
ハ （ |:::::: ｜ | | | ハ こ .|
（. |::::::::::: ｜ ＼＿／ | ハ や |
（⌒ヽ(⌒ヽ |:::::::::::::: ｜ | | ハ つ |
|:::::::::::::: } ／ ￣ ￣ ＼ | ！ め |
ヽ:::::::::::::: } ; ／ ＼ ／ ＼ ｌ |
ヽ:::::::::: ノ ／ ⌒ ⌒ ＼ヽ __＿＿／
/:::::::::::: ＼ | ヽ （__人__） / | )ノ
＿,,ノ ｀ｰ,,, ＼ ｀ ⌒´ ／
-‐'"´ ｀''ｰ-､／￣￣￣￣￣￣￣ ＼
／￣＼
| |
＼＿／
|
／ ￣ ￣ ＼
／ ::＼:::／:: ＼
／ .<⌒>::::::<⌒> ＼
| ヽ （__人__） / |
＼ ｀ ⌒´ ／
/,,― -ー ､ , -‐ ､
（ , -‐ '" ）
`;ー" ` ー-ー -ー'
l l
プリンツ・オイゲンはこの数日後… 自室にて眠るように息を引き取った。
.. ／￣＼
| .|
＼＿／
|
Ｘ .. ＿＿ │＿＿＿ Ｘ
／} ／. ＼ /,ヽ
× / / ／ __＼ / .ヽ、 . ． ゜
ﾉ// _ノ_,ﾑ′ <（:::::） > <─‐ > ヽ、
_／ /,. -‐〉:::::::::´￣｀／ i ヽ´￣:::ヽ ;
. ☆ . ,. '´!{ ゝ-‐''＾""¨二.ノ ヽ＿＿人＿ﾉ :::::ヽ
×ｘ . ぃ .ノ .|
. '´ ,. 介iｰ-､ ｛ ー─ |
.Ｘ ／ ／ヽ' Ｌ! ヽ. Y / ′ ; ☆
ｘ ／ / ／⌒ヽ 込J ,.‐ヽ ／ / ゛
i'´ ／-r‘ｰ､ ﾍ-┴‐〉 ｀'i¬ ヘ.__{:::::::}. ／ ゜ ．
ｰ ､ --−'´ ｺ:..:.}: ＼ 丶 .ｌ | -､匸⌒´:_;-､ノ ｝_ ´ ゜ ×.
｀ヽ､ └;.:. .. } 〉 ヽ.｜ 〈__:,.イv/´〕、冫｀i x
｀ ¬ゥ´:..:....:..:..:..: ,ﾉ､ ＼ { ! {.{j_/,ィう′ !
ｘ ' Y:..:..:..Ｘ:..:..:.∠.._ ヽ.} |. } ｀ﾏ^V |
／￣￣＼
／ ＼
|:::::: ｜ オイゲン公…。
. |::::::::::: ｜
. |:::::::::::::: } ....:::,, ..
. ヽ:::::::::::::: } ,）:::::::ノ .
ヽ:::::::::: ノ （:::::ソ: .
/:::::::::::: く ,ふ´..
-―――――|:::::::::::::::: ＼ -―,――ノ::ノ――
|:::::::::::::::|ヽ、二⌒)━
オイゲンは嫡子をもうけなかったので、彼の残した莫大な遺産と
ベルヴェデーレ宮殿は、ハプスブルク家に接収されることとなったのである。
1736年4月24日
プリンツ・オイゲンこと
オイゲン・フランツ・フォン・サヴォイア＝カリニャーノ死去。享年７２。
／￣＼
| |
＼＿／
|
／ ￣ ￣＼
／ ::＼::／:: ＼ I am the bone of my stock.
／ <●>::::::<●> ＼ 体は在庫で出来ている
| （__人__） | Right is my body,and mirion is my blood.
＼ ｀ ⌒´ ／ 血潮は権利で 心はミリオン
_ r＜＼_〕lﾆﾆ〕ｽｰ- _ I bought tvgame over a thousand boycott.
f⌒ヽ N＼_人｀Y＞ト､ lﾊ 幾たびのクソゲーを越えて不買
| ヽ、 〉 l l Y l Unknown to guest.
| ﾘ / .人_ V }lｲ ただの一人も客はなく
l ｲ ／ノィ⌒ヽトｲ { Nor known to buy.
| r＜（ （ ｯ､ﾉ ｝ l| ただの一度も購入されない
ﾄ､ ∧｀ ｰt-<⌒>-ｲ l| Have withstood pain to sale many stocks.
lﾊヽ 〈 〕､＿ﾉ＞(__ﾉイｰ l|彼の者は常に独り 在庫の丘で売り上げに酔う
Yet,those price will never hold anything.
故に、値段に意味はなく｡
So as I pray,unlimited stock works.
その体はきっと在庫で出来ていた。
彼は三代にわたってハプスブルク家の皇帝に仕え、三十数度の戦いに参加したが
ただの一度も負けたことはなかったといわれている。
,､ ,ｨ'ヽ、
_＿,／ ｀Ｙ´ ヽ、
__,.-‐ ﾍ. . ＼
,ィ´ ｉ : ﾊ ヽ、 ＼
／ ,ﾉ /| ｉ : | | ﾍ :. ＼
/ / .::: ,ｨ'/ ./ | :| :: .| |､ l :: ｀ヽ、
/ / ::/ /__/ / | :| :::: | | ＼ | ｉ::::. ∧ プリンツ・オイゲンは国王の庶子と噂されながらも
| ./ ::::/ ,ｨ'´ / / | |.::::: | | ｀ヽ ｊ |::::: ＼ ﾊ. フランスを出奔し、その生涯を祖国との戦いに捧げます。
|/ ::::/ ,/ ｊ ,/___, |.|:::: ｊ ｊ___ | ,/ |::::::: ヽヽ〉
ｊ ::::::| |:ｊ |/ｨﾁｵ､ |ｊ:::: / /ﾁ心ｊ/∨ |:::､:: ∨. この時代、貴族が軍籍を移すということは
{∧::::| |:|,ｨ' ｆ::::tﾊ ｊ_,ノｊ,/ んｨ:ﾊ `ﾊ. ﾄ､:ﾍ 〉 それほど珍しいことではありませんでしたが、
|' `{ |:|`､弋ｨ::;ﾘ }={ 弋ｨ::;ﾘ,λ:} ｊ ∨ / ハプスブルクに縁もゆかりもない人物が
| :::ヽ､ :|:| ゝ、 ~" ﾉ ,ヽ ｀~ ﾉ:::ｊ,ノ /,ノ 帝国軍の最高司令官にまで上り詰めたのは、
| ｉ::::::｀ヽ{;| ｀ｰ-‐ ､__, ｀ｰ-‐ ' ｊ::::::::| '" 彼を除いてはあのドイツ三十年戦争の英雄
| ﾉ::::::ｉ::::ｉ:`:|ヽ、 ,-､ ,.ｲ:ｉ::::: | 「傭兵隊長」ことヴァレンシュタインただひとりだったそうです。
| /:::::::λ::|::::|::::::｀＞ｧ‐-.ー :| ,} '´:::|::|:::: |
ｊ/ :::: /::ｉ::::|::::|-‐'" λ::::ｊ ;| { ｀ヽ‐-|::: |
/ :: /:::::| .::|::::| ﾍ._＿__,{ ,ｨ'´｀ﾍ、:|::: }､
/ :: /:::/´| :::|::λ ＼ l ｒy' |::: | }
ｊ {:::ｊ｀ヽ| ヽ ｀ヽ ヽ{￣￣￣￣}::: ｊ: |
そしてプリンツ・オイゲンの死から数ヵ月後…
／￣￣￣＼
／ ─ ─ ＼
／ （●） （●） ＼. フランツー。
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／
／ ＼
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●）
. | （__人__） ん、どうした？
| ｀ ⌒´ﾉ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ ＼
/ く ＼ ＼
| ＼ ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､ ＼
／￣￣￣＼
／ ─ ─ ＼
／ （●） （●） ＼. 出来ちゃったみたい…
| ///（__人__）/// |
＼ ｀ ⌒´ ／
／ ＼
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●）
. | ///（__人__） えっ…
| ｀ ⌒´ﾉ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ ＼
/ く ＼ ＼
| ＼ ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､ ＼
１７３７年２月５日
＿＿ .＿＿＿＿
, ‐´:::::::,`',,'' ｀‐､
／;;;;;:::::;;, /';' ,ﾞﾞ'::::::::＼
／:::;;;;;ミミ; / ｀ﾞ';;:::::::::::ヽ
/;;;;;';ミミﾐﾂ/;;;';';'';'';;''ヾ,'::::`::::::::::::::::}
/:; ;::,＿＿､,＿＿＿＿_,:;:::. ;::::::::::::;'i
i::; ;;::i ﾞ|::'::. ;__;,-',‐；
/;; ,: :{──────‐‐{;;;::, ;:ヽ‐'´::::ヽ
/:. ;;':{￣￣￣￣￣￣￣{:::: ::::｀;::. `::::;ﾞi
i;;, '' ,;:|＿＿__,..､＿＿＿_ﾞl;;,_ :::::. :::, :::::iﾞ ／￣￣￣￣￣￣￣
/,,;'::';:l;`‐゜‐';i ;;;;;`ｰ゜‐';;;;;|:: `; `;;;::::`:::ﾞi ＜ ヒッ ヒッ フーー
'Y ;:::::ﾞi ::::::l {;;;_ ﾞ'ﾞﾞ:::::,';:: ::ﾞ-, ＼＿＿＿＿＿＿＿
. / ,;; ';:ﾞi ::::::l |::ﾞ'';;;;.:.::::`;::.`::;;ゝ
`'i;; ';:::ﾞi :::{__,,,ゞ , ,|;, ::;;;;`''::;':::`::::;;ゞ､＿
. _,‐´`ｰ!､ ;ﾞi, ¨ニﾆ￣ ,‐':{:::';::::'::::::::',,,'''';;;;' ￣￣
. ／ /`i; ;::ﾞ､ ''' _,‐'::::::{;;;;:`;::.:::::::::;;ヾ_,,ﾞ
／ / / `i;:::ﾞ;,_ ,,／::::::: /`'';;:. ;;;;:ヾ ''''
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＿／:::li|.:< ＞>::::::::<＜>＼ ヒッ ヒッ フーー
（ （:::||!.:υ::::: （__人__）):::: i|
（ ）:::::::::::. `ー ' li::::/
＼ヽ :ヽ: : : : 7ヽ />: : : :r:＼
（￣ ⌒⌒⌒⌒￣⌒ ⌒ ⌒ヽ
ヽ ,.-―- ､ ＼
ヽ /::::::::::::::::::ヽ ＼
／￣￣＼
／u _ノ :::::＼
| （ ＞）（＜） ヒッ ヒッ フーー
| Ｕ （__人__）
| ｀ ⌒´ﾉ
| U u }
ヽ u }
ヽ､U＿＿ __ノ
結婚から約１年後…────────
| | ｜ ｜
A ／＼ A A A
ｴﾆﾕ_／／i＼＼ｴﾆﾕ＿＿＿＿＿ｴﾆﾕ＿＿＿＿＿ｴﾆﾕ＿
|固|. ===舎=== |固|========== |固|========== |固|===
. }ニニ{ ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ}ニニ{ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ}ニニ{ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ}ニニ{ﾆﾆ
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. iﾆﾆﾆi===ｴｴ===iﾆﾆﾆi.===ｴｴ===iﾆﾆﾆi ===ｴｴ===iﾆﾆﾆi==
| ｢l｜ /l⌒lヽ | ｢l｜ 冂 冂 | ｢l｜ 冂 冂 │｢l｜
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{ﾆﾆﾆ}.￣￣￣￣{ﾆﾆﾆ}.￣￣￣￣{ﾆﾆﾆ}~￣￣￣￣ {ﾆﾆﾆ}￣
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第一子、マリア・エリザベート誕生
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|┃ |r┬-| |⌒) 生まれたのかお！？
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586 名前：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/04/12(日) 20:03:04.70 ID:tx9rUkgo
頼むまともなAAであってくれ
_,,..,,,,_
/ ,' 3 `ヽｰっ ﾊﾞﾌﾞｰ
l ⊃ ⌒_つ
`'ｰ---‐'''''"
ノ＝ ､､､､ｯｯｰ― ､-､-､- ､― ､
,､-'"三ヾヾシ―乙三ミﾐ＼＼＼ミ､ヽ｀ﾞ'' ､
ﾞﾏ´"シ 三ll|ll|彡''"""ミミﾞﾞﾞﾞヽヽヽ ﾐヾ＼ヾ ヾ'､
／彡三ミﾐ从/ ,､-＝ ､ヾﾞﾞ ヽ ＼＼;;;;'､ ll|l',
/;;;;／三ﾐﾐ､l|//´;;;;彡ﾐ;;ﾐﾐﾐ} l| l|ヽ､､､､ﾐﾐl|ヽ;;;;ﾘl | ',
,'////;;;;三ヲｰ､ｨｯｯ--ｰ-､ll|ﾞl l| l|ヽヾ;;;;;ヾ;;;;;;;l|ﾚl|ﾐll| ;}
,j从//;;;;,' }ll|,| |l|;l|,l| ﾞﾞ}}lll||l|;ｨll|ｯｯl|l|l|l|
j从ll|| ;;;;|､,, jlﾘl| |l|ll|从;;;;;;;､ - ''"´,jl|;;;;;;l|
ﾘ从从;;;;;', ｀''''' ｰ― ---l||;;;;lﾘl|l|l|''"￣,, ､-ｰ'''"ヾヾll||
{ l|ii 从 |;;| ｀ﾞ''ｰ =ミ ,,,,, ＿l||;;;;;;;l|ll|-|''"´ll＼ヾlﾘﾘ;;;;l|ヽlj
ヽ ｿ从l|;;;l ...:::::::|;;;;;;ｲl||从ヾヾヾヾﾞﾞﾞ |l||ll|/l|l|
/ﾉ彡ﾘ;;;;;;'ｰ,､ ,,､,, ''"""´ ヽ､;;从从ヾヾﾞ'ｰ､ヾミ≧;;〈〈
/ﾉ,,ノノ从||:ﾐミ弖ミ:ッ''ｰ-::::__:::;;;;;;ミﾐﾞlwミミミﾐヽ｀'ｰミ;;;;}{､ はい、元気なお姫様にございますよ。
ｲｲｲノノ从;;',ﾞ::::::::,' ''""ﾞヽ｀'''''''"´彡 |ll|ﾞ'ｰwW;;;;;;;;ヾヾ}ﾘ;;l
' ､l|lV/ﾉﾉ ;;', :::::,' l|ll||ll| |;;;;;;;;;;ヽ､l|ii|ﾘ|ﾘ
ﾗ;;;;l/ ; ;;', :::,' -､:::... lﾘl;|ll|从;;;;;;;;;;;;;;;Yl|〈〈〈
|ll|l/;;;;/;;', （",,､-:ァ'' l.|l;;;;;;ヽヾヾll|;;;;;;;;ｲ|从ll|
ヽl||;;;/ ;;;', :ﾞ´､∠＿___,,,ノ |l|lヽ;;;;;;＼＼ﾘ､;;;;;;ﾉミllﾘ
l|;l||| ;;;;;', ｀ﾞﾞ'""""´´ |l|;;|lll､ミミミﾞ＼ｲll（llﾐl|<､
, ''､ll;;;;;;;;;;', :｀:::""´´ ゝ;;;;;;;＼､､ヽヽ､ﾞヽﾐ ミｰミ､
, " ｲ ; ;;;;;;;;l ｲ ,､ 彡ﾂ;;;;;;;;;;ヽﾐヽﾞヽ＼ヽヽヽヽ＼
ｲ ／|lヽ;;;;;;;;;'､､::.. ,､-'":::"／//〉〉lll|;;;;;;;llヽl|;;;）|l;;;;）l|〉ヽ)）
| / 乂々/ﾐ｀ﾞｰ― '´:::::::'" /ｲ//从l|ll|;;;;;;;;;;;;;ﾘl|ｲjj;;ノ }}ﾘ;;;;/|〉､,
/ﾉ //" ﾚﾞﾞﾞ〈::::ll|:::::::::::" l|l|;;l从|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l|;|ﾘ（（ll|l|ﾉ忽ヽ/ ﾞﾞl
ｲ /j"|l､ ヽ ヽ::ﾘ::::::::::::::,､-'ヾヾl||;;;;;;;;ヽ;;;;;;;ヽ､;;;（从从ミﾂ"￣ ｀ﾞ '' ､
|ﾚ // /:::l| ＼ ヽ ::,､ '" ／ｰア"'ｰミｱ::＞ｰ'''"￣ﾞ"´,, ､-ｰ―― ｰ―- ､ヽ
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二三 ┃┃|
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三 ┃┃|
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／ / / `i;:::ﾞ;,_ ,,／::::::: /`'';;:. ;;;;:ヾ ''''
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さらに一年と八ヶ月後
１７３８年１０月６日
| | ｜ ｜
A ／＼ A A A
ｴﾆﾕ_／／i＼＼ｴﾆﾕ＿＿＿＿＿ｴﾆﾕ＿＿＿＿＿ｴﾆﾕ＿
|固|. ===舎=== |固|========== |固|========== |固|===
. }ニニ{ ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ}ニニ{ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ}ニニ{ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ}ニニ{ﾆﾆ
| ｜ | │ | | | |
. iﾆﾆﾆi===ｴｴ===iﾆﾆﾆi.===ｴｴ===iﾆﾆﾆi ===ｴｴ===iﾆﾆﾆi==
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第２子 マリア・アンナ誕生
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／,.-‐-､ ,.-‐-､ ＼ ／
／ ＼| 家
／ /´'⌒`ヽ /´'⌒`ヽ | 増 族
＿＿ ／ ヽ.. ﾉ ヽ.. .ﾉ. | え が
＼ l ''""（_＿__人_＿__）´""' |. る
|i ,.⌒ヽ γ⌒ ヽ ヽ ﾉ′ ＜ お
お や |i 〈 ●ﾉ＼ ／＼ ●〉 |,/⌒'⌒ヽ| | !!
か っ |i ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ l j |
あ た |. ） Y （ ＼ ｀`ｰ--‐''´ |
さ ね |i ／ γ⌒ ⌒ヽ ＼ ー ‐ |
ま |i/ ｒ一 ヽ |ヽ __､ゝｰ イ |
！ |i| | i＿＿人＿＿ノ | ＼＿＿＿＿
|i ＼ | i `ー'´ ／ `ヽ
|i 〉| | く |
|i / i i ヽ l
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マリア・アンナ （テレジアの妹と同名）
|┃三 ガラッ
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|┃ .o. ╋ .o.
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|┃ |＿皇＿|
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――‐.|┃:（（（__人__）））:::::＼
|┃ |r┬-| |⌒) 生まれたのかお！？
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（⌒ヽ・ ^^^ ・￣ ／
|┃ノ /
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|┃ (::)(::) ヽ
|┃／ u > ）
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||||| ||||| |||| ||||||| 姫君にございます！
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二三 ┃┃|
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三 ┃┃|
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| （ ●）（●） . ／ u ＼
. | （__人__） ／ ／ ＼＼
| u ｀ ⌒´ﾉ .／ し （●） （●） ＼
. | u } | ∪ （__人__） J |
. ヽ } ＼ u ｀⌒´ ／
ヽ ノ
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／;;;;;:::::;;, /';' ,ﾞﾞ'::::::::＼
／:::;;;;;ミミ; / ｀ﾞ';;:::::::::::ヽ
/;;;;;';ミミﾐﾂ/;;;';';'';'';;''ヾ,'::::`::::::::::::::::}
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i::; ;;::i ﾞ|::'::. ;__;,-',‐；
/;; ,: :{──────‐‐{;;;::, ;:ヽ‐'´::::ヽ
/:. ;;':{￣U￣￣￣￣￣ {:::: ::::｀;::. `::::;ﾞi
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/,,;'::';:l;`‐゜‐';i ;;;;;`ｰ゜‐';;;;;|:: `; `;;;::::`:::ﾞi
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. / ,;; ';:ﾞi ::::::l u |::ﾞ'';;;;.:.::::`;::.`::;;ゝ
`'i;; ';:::ﾞi :::{__,,,ゞ , ,|;, ::;;;;`''::;':::`::::;;ゞ､＿
. _,‐´`ｰ!､ ;ﾞi, ¨ニﾆ￣ ,‐':{:::';::::'::::::::',,,'''';;;;' ￣￣
. ／ /`i; ;::ﾞ､ ''' _,‐'::::::{;;;;:`;::.:::::::::;;ヾ_,,ﾞ
／ / / `i;:::ﾞ;,_ ,,／::::::: /`'';;:. ;;;;:ヾ ''''
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/: : : : : : : : :! : : : : : : : : : :｀ '. 、.
/: /: : : : : : : :!: : : : : : : : : : : : : : : ヽ
,': /: : : : : /: : | : : : i .:i : , : : : :, : i: : : ',.
l./ ./: : : | : : : |:/! : !: : : : ', :,l: : : :',
/. . : : : :/ : ,. ｧl : : : |:| l:` l､.: : : : ﾊl. . , !. テレジアは結婚してから３年もしないうちに
/ : : /: : ,'／: / l: : : :l:! 、:'､＼: : `' !: :!: :! はやくも二人の子供を出産します。
/: : : ,': : .:ｌ: : :/＿_l: : : :l| _ヽ_lヽ、.: .: ヽ |: :|.
,': : : :l:i : : |: :/, 〒.､! : : :! ,〒 ﾐ ヽ.: : : ヽ: :!. ですが、このとき生まれたのはいずれも女児で、
l: : : /!ｌ: .: ,L/トi':::Nヽ: : :l トi':::Nヽ_ヽ.: .: :',:l これを知ったカール６世はひどく落胆したそうです。
ヽ: :l. ｌ|: :/ ﾑ弋二ﾉ !`-l 弋二ﾉ l. ｌl.:〉、: l:!. .
ヽ! ヾ {「 rｲヽ二 .ノ , 丶､ 二（ ヾ 〉 : l: /l.. . というのも、もし男子が生まれていれば
,'.:〉! ヽ V ,/ ｏ ヽヽｩ 〉: : l/ l!.. . 各国に譲歩をしてまで承認させた国事詔書（第２話参照）は
,':/.:,ヽ ）` tz---t '' 7'" } `ヽ : : ', 必要なくなるからです。
//.:/.{￣｀ ''くl:.:.:.| l,. ┴ ''' ´l / ヽ: : :',.. .
//.: :|,/ミミ､､、 ヽ:|´￣ { ,. ,., 彡!' !:ヽ :',
／ / ｀ヽ､.
／‐ // l ｀ヽ.
, ‐´ ／ ,/ / l ､ ヽ.
／ , , / / /l l ﾊ ヽ ヽ
／ / / / ／'´7/ l / -Lll ヽ l ヽ
/ ／ / / / / l l l / l. l ﾄ､ V. l
l ／l / / / _,/､」│ l/ ヽl l ` ヽ l.
l/ l l l / 〃､フ:､∧ l ﾆ=ﾐl､ヽ. ヽ. .:l
l l ハ〈/:::::::::ll ヽ l ´,､/`:､ヽヽ l l そして、王子が生まれずにおちこんでいるのは
l ∧ l ∧ l:､: :ｄ l _〉l l:: :::::::::〉,l l ､ l l
ヽ Nゝ､ |l l `─' ﾗ´F l: : ´,､/N､ l l ﾘ 皇帝や宮廷人だけではありませんでした。
ヽ ヽl｀l＼｀ﾄ､＿ ,ノ ' l ` ‐' ' / ﾊ. ﾄ l ll
ll `l,､ 。 ヽ､_ _ノ// l N ｲlﾉ l.
l 〃 ｀ ‐､_ ￣ ィﾌ' W l／l l l.
l l 丶 ヾ ＞,‐ ´ ﾚ/ ﾊ ヽl!｜.
l / l＿,＿ ,〉, ノ ／' ノミ､l ll :l
_ ,､ l / /川 / ／´ ／´´ ヽ ヽ l
(_r‐､- l. ﾄ ､. l / l 川 /‐-ｙ´´ ／/´ ヽ ヽヽ
, -､. l l 丶｀´ヽヽl /l 川 / ／/ ／´/´ l ヽl!
.(_, -‐-｀_ ／〃､/ l 川 l 〃l / 〃 l ヽ.
ウィーン市内の喫茶店───────「緑の格子」
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|土土|二l二F土土土土土土土土土土土土土土|二l二F土|
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|土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土|
|土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土|
|土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土|
|Ｊ : : : : ,.'⌒ヽ: : : : : :,.'⌒ヽ : : : : : : : : : : : : : : : : :＿＿__ : ﾚ|
|J : : : :├┼┤ : : : :├┼┤: : : : : : : : ,ィニニヽ: :| Cafe｜ ﾚ|
|J : : : :├┼┤ : : : :├┼┤: : : : : : : / l l ', ¨不¨¨ : ﾚ|
|Ｊ : : : : lﾆﾆゴ: : : : : :lﾆﾆゴ : : : : : : : ﾄ| l l l l ﾄ|: :|｢ｌ|.:.: :.:ﾚ|
|J : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ﾄ| ｌ ｌ ｌ ｌ ﾄ|: :｀¨ : : : ﾚ|
|Jｭｪｭｪｭｪｭｪｭｪｭｪｭｪｭｪｭｪｭｪｭｪｭｪｭｪｭﾄ| ｌ ｌUlｪｮﾄ|ｭｪｭｪｭｪｭﾚ|
|J : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ﾄ|_|_|_j_,!_l_ﾄ| : : : : : : :ﾚ|
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|l:T:T:T;:l|ﾞ|| l.Ｙ.l | l.Ｙ.l || ｌﾆﾆｺ | l [｢L| |[ |{ l| } | | i ﾉ
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￣／￣ ノ ⌒ ||､||二||￣￣￣..|| l|.||__||:. |::::::::::::::::::::::::
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∧ﾉ~
ﾐ| ･ ＼
ﾐ| ... '＿）
ﾐ|. (,,ﾟДﾟ) オイ聞いたか？
| （ﾉ |） 生まれたのはまた王女らしいぞ！
| |
.人..＿,,,ﾉ
U"U
､
ζ ,
_ ノ
（ ( (. ）
. - ） ‐_、、 .
ああ聞いたさ。皇帝陛下も相当お冠らしい。 | ￣￣ :|..
もしこのまま王子が生まれなかったら | (ﾟдﾟ,,) .:|) ).
いったいウィーンはどうなっちまうんだ？ (/ と) .::|ノ
ヽ､_ ＿::ノ
U"U
, ' 兮ヽ、
ｒｐ――'´ ｀ ー―‐p､
| ,. - '゛￣￣ ゛ 'ヽ |
ﾚ ＼. ﾄ､
／ / ! ! ヽ | ﾊ
/ .:! | ./: ﾊ ! ! ! ﾚ |
〈 :.::|斗ヤT ﾄ､ | 'T广 ト､| | ねえ知ってます？ 町の噂によると、
∨ :.:|V,斗=ﾐ ! ヽ:| ｒ=ｒﾐ :!:| ! .:| あのフランツって王子は実は
＼| :.|ｲ ﾄ､:::| ! ﾄ､::ｉ} >| :! :.::| フランス王の回し者らしいですよ。
|＼|ﾍ弋_,ﾘ 弋_ｿ / :! :.:.|
| :ﾊ. ' / .:.!:.:.:.| それでわざと女の子しか作らないように
ヽ :.人 Y ﾌ ,ｨ .:..!:.:/| してるんだそうです。
＿ _ヽ:.:.|:.＞ ､ ｀ , ィヽ:/:.:./.:/_ﾘ
／ ｀ ヾ.:ﾄ､_|`ｰ ﾆ- 'ﾄ､/ ::.／ ＞＾ヽ
/ ﾒ! ＼,.⊥､／/ .／-､／ ＼
￣）ヽ､ / ヽ /|じ}| /'´ | _ -‐‐/
.ｒ-く ＼ / /:..:.ｰ':V ! ／ |
.| ｀¨ ―: ! /:.:.:.::.:.!∧ | ― ¨￣￣｝
.| ! /:.:.:.:.::.:.!:.:∧ ! |
∧＿ ! /:.:.:.:.:.:.:.:!:.:.:.:ﾊ ! |
:::::::::X ヽ ! /:.:.:.:.:.:.:.:.:!:.:.::.::∧ !| ――‐ｭ／
V::::::〈 | /:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾉ:.:.:.:.:.:.:| !| /:::::|
＼:::＼_ ／::|X￣¨ﾏ＿,ｆ￣ ¨X ! ／::::::/
ナ ゝ ナ ゝ / 十＿" ー;=‐ |! |!
cト cト /＾､_ﾉ | ､.__ つ （.__ ￣￣￣￣ ・ ・
,. -─- ､._ ,. -─v─- ､._ ＿
,. ‐'´ `‐､ __, ‐'´ ヽ, ‐''´~ ｀´￣`‐､
／ ヽ､_／)ﾉ ≦ ヽ‐'´ `‐､
/ ／￣~`'''‐- ､.._ ノ ≦ ≦ ヽ
i. ／ ￣l 7 １ ｲ/l/|ﾍ ヽﾍ ≦ , ,ﾍ ､ i
,!ヘ. / ‐- ､._ u |/ l |/ ! ! | ヾ ヾ ヽ_､l ｲ/l/|/ヽlﾍﾄ､ │
. |〃､!ﾐ: -─ゝ、 ＿_ .l ﾚ二ヽ、 ､__∠´＿ |/ | ! | | ヾ ヾﾍﾄ､ l
!_ﾋ; Ｌ(.:)＿ `ｰ'"〈:)_,` / rｉヽ_(:)_i '＿(:)_/ ! ‐;-､ ､__,._-─‐ヽ. ,.-'､
/｀ﾞi u ´ ヽ ! !{ ,! ` （ } ' (:)〉 ´(.:)｀i |//ﾆ !
_／:::::::! ,,..ゝ! ﾞ! ヽ ' .ﾞ! ７ ￣ | ﾄy'/
_,,. -‐ﾍ::::::::::::::ヽ、 r'´~｀''‐､ ／ !、 ‐=ﾆ⊃ /! `ヽ" u ;-‐i´
! ＼::::::::::::::ヽ `ｰ─ ' ／ ヽ ‐- ／ ヽ `￣二) /ヽﾄ､
i､ ＼:::::::::::::::..､ ~" ／ ヽ.＿__,.／ //ヽ、 ー
∧ﾉ~
ﾐ| ･ ＼
ﾐ| ... '＿）
ﾐ|. ﾒ,,ﾟДﾟ) やっぱりそうか！
|と |つ 前々から怪しいとは思ってたんだ！
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.人..＿,,,ﾉ
U"U
( ⌒ ⌒ ）
（ ）
（､ , ,）
|| |‘
. - ├ ‐_、、
そもそもロートリンゲンだなんて | ￣￣ :|..
フランスかぶれの王子を婿に迎えたりするからだ！ ..|(ﾟдﾟ,,ﾒ .:|) ).
とっととフランスに送り返しちまえばいいんだ！ .⊂ つ .::|ノ
ヽ､_ ＿::ノ
U"U
＼＼ フランツ帰れ！ フランスへ帰れ！ 余所者は出てけー！ ／／
＼＼ ／／
_ _∩. _ _∩. _ _∩. _ _∩. _ _∩. _ _∩.
( ﾟ∀ﾟ)彡 ( ﾟ∀ﾟ)彡 ( ﾟ∀ﾟ)彡 ( ﾟ∀ﾟ)彡 ( ﾟ∀ﾟ)彡 ( ﾟ∀ﾟ)彡
( ⊂彡. ( ⊂彡. ( ⊂彡. ( ⊂彡. ( ⊂彡. ( ⊂彡
_ _∩. _ _∩. _ _∩. _ _∩. _ _∩. _ _∩. _ _∩.
( ﾟ∀ﾟ)彡 ( ﾟ∀ﾟ)彡 ( ﾟ∀ﾟ)彡 ( ﾟ∀ﾟ)彡 ( ﾟ∀ﾟ)彡 ( ﾟ∀ﾟ)彡 ( ﾟ∀ﾟ)彡
( ⊂彡. ( ⊂彡. ( ⊂彡. ( ⊂彡. ( ⊂彡. ( ⊂彡. ( ⊂彡.
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し ⌒Ｊ. し ⌒Ｊ. し ⌒Ｊ. し ⌒Ｊ. し ⌒Ｊ. し ⌒Ｊ. し ⌒Ｊ
＿,ﾍr-_r-､＿
,､--<⌒ヽ| } ヽH l L
,､ '´ _〈￣ ., ､‐=＝==‐ ､V/ /⌒>
／: : : :ﾉ ／: : : : : : : : : : : :｀' ‐-､/'―i
/ :`>' / i i : : : : : :＼)
/.: : : : : : /.ｌ: : : :./.:／l : :.:.:.l .:.: .l. ＼
,'.:.: : : .:. : |.:l:. : :.:.l.:7￣l￣:ﾌ'ﾄ.l.:.:. : : : :.:.|: ヽ
|.:. .: .:.:. : :|:ﾊ: :.:.:ｨﾑ--式ｽ、.l.|ヽ.:. : :,/:/ l. l
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|.:.:l.:.:.:.:.:.i.: : :. `ﾄ ﾏ__ﾌ ﾚ=く. |.:.: :/ｨ.:.l
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|.:.:l.:.:.:.:.:.|.:.: : .l.:.l ,. 'ﾐ' .ﾊレｲ ﾚ
L_|.:.:.:.:.::|.:.:. : .:',.l ｒ- ,． /.:l:.:ｌ:|
／⌒ヽ ｀‐-､::|;;:::.:.:.:.|'ヽ ｀´ ／.:.:j: :ｌ:|
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r'´ ／⌒ヽヽ､ ∨ `┘ ｀7Lri ＼.:.:.// ,ﾘ
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{ ￣|.:.: : : : .:.:.:.＼７＿＼､ / _＿_ヾ,_ﾉ¨ ／ ヽ.ヽ
) ﾉ.:.:.: : : : : :.:.:.:.:..＼.:.:.）ヽー‐ｧ-イ'７:ｽ¨＼| | .|
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>――――――<ノノ ﾉ＼ ./ i|l ヽ ＼ ￣「＼
＿,ﾍr-_r-､＿
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|.:. .: .:.:. : :|:ﾊ: :.:.:ｨﾑ--式ｽ、.l.|ヽ.:. : :,/:/ l. l
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|.:.:l.:.:.:.:.:.l : : :.l :| 三三 /;;(,ﾘｲ.:ノ/|.:/
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L_|.:.:.:.:.::|.:.:. : .:',.l 、＿ /.:l:.:ｌ:| ﾆﾔﾘ
／⌒ヽ ｀‐-､::|;;:::.:.:.:.|'ヽ ／.:.:j: :ｌ:|
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r'´ ／⌒ヽヽ､ ∨ `┘ ｀7Lri ＼.:.:.// ,ﾘ
ﾉ ／.:.:.:.:.:.:.:.:..l l `rr―――〈i V | `y/
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. ｀‐（.:.:.: : : : : : : : .:.:.:.:.:.:ノﾉi } ／ ./ .i |/ | 「T´ -r-r‐'´
>――――――<ノノ ﾉ＼ ./ i|l ヽ ＼ ￣「＼
, ―- ＿,「` ー‐- _
/: : : : : : : : :! : : : : : : : : : :｀ '. 、
/: /: : : : : : : :!: : : : : : : : : : : : : : : ヽ
,': /: : : : : /: : | : : : i .:i : , : : : :, : i: : : ',
. l./ ./: : : | : : : |:/! : !: : : : ', :,l: : : :',
/. . : : : :/ : ,. ｧl : : : |:| l:` l､.: : : : ﾊl. . , !
. / : : /: : ,'／: / l: : : :l:! 、:'､＼: : `' !: :!: :! 王子の誕生を待ち望んでいたのは
/: : : ,': : .:ｌ: : :/＿_l: : : :l| _ヽ_lヽ、.: .: ヽ |: :| ウィーンの市民たちも同様でした。
,': : : :l:i : : |: :/, 〒.､! : : :! ,〒 ﾐ ヽ.: : : ヽ: :!
l: : : /!ｌ: .: ,L/トi':::Nヽ: : :l トi':::Nヽ_ヽ.: .: :',:l ですが立て続けに女子が生まれたことで彼らは深く失望し、
ヽ: :l. ｌ|: :/ ﾑ弋二ﾉ !`-l 弋二ﾉ l. ｌl.:〉、: l:! フランスの送り込んだスパイの扇動もあって
ヽ! ヾ {「 rｲヽ二 .ノ , 丶､ 二（ ヾ 〉 : l: /l. その怒りの矛先はフランツへと向けられます。
,'.:〉! ヽ V ,/ ｏ ヽヽｩ 〉: : l/ l!
,':/.:,ヽ ）` tz---t '' 7'" } `ヽ : : ',
//.:/.{￣｀ ''くl:.:.:.| l,. ┴ ''' ´l / ヽ: : :',
//.: :|,/ミミ､､、 ヽ:|´￣ { ,. ,., 彡!' !:ヽ :',
／.: .: / ` 、 ``ミ!:.l. ﾊ彡' , - ' ` ､ |: :丶ヽ
：／￣￣＼：
：／ ⌒ ＼：
：| ﾐｨ赱､i .i_r赱：
. ：| ::::::⌒ ｨ'｡_｡ヽ } ちくしょう……
：| /＿lj＿}：
. ：| ﾄｪｪｪｪｲ：
. ：ヽ ｀""´}：
：ヽ ノ：
/ く
__,冖__ ,､ __冖__ / ／/ ,. - ―- ､
`,-. -､'ヽ' └ｧ --'､ 〔／ / ヽ
ヽ_'_ﾉ)_ﾉ `r＝_ﾉ / ヽ
__,冖__ ,､ ,へ / ,ｨ _⌒ ⌒＼
`,-. -､'ヽ' く <´ 7_／/ ﾐｨ赱､i .i_r赱
ヽ_'_ﾉ)_ﾉ ＼> / ::::::⌒ ｨ'｡_｡ヽ
n 「 | /. .i' i ''" ｀ヽ
ｌｌ |｜ .,ﾍ / i' ノ_二二'ｧ,/
ｌl ヽ二ノ__ ｛ i' /'! !,..!!,..!/
ｌ| _| ﾞっ ￣フ. ;: !''"´ i {
|l (,･_,ﾞ> ／ ;: ! i {
ｌl __,冖__ ,､ > > ' ;: ! i {
ｌ| `,-. -､'ヽ' ＼ l l ; . ｜ |
|ｌ ヽ_'_ﾉ)_ﾉ ﾄー-. !. ; | ,. -､,..､|:l
ｌl __,冖__ ,､ |＼/ ｌ ; ｉ ___ ___ | l
ｌｌ `,-. -､'ヽ' iヾ l l ;: ｜!,..!!,..!{j {
|ｌ ヽ_'_ﾉ)_ﾉ { |. ゝ;:i ｀''''ｰ‐-' .}
. ｎ. ｎ. ｎ l | ::. ＼ ﾉ
|! |! |! l | ::. ノ`ー- '
o o o ,へ l く
市民達はフランツがルイ１５世の手先だ、などと噂しているが
かつてのポーランド継承戦争の折に故国ロートリンゲンをフランスに奪われて以来、
彼ほどフランスを恨んでいる者はいなかった。
このような不当な誹謗中傷に対し、フランツの心は深く傷ついた。
618 名前：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/04/12(日) 20:31:32.76 ID:tx9rUkgo
あー、そりゃ傷つくわー
|:/／:::::::::::::/::: ／| |::ｉ: :: | | ∨ ::::| |: λ
ｊ/:::::::::::::,-/-─-/ | | ｉ: |-|─-|-､ ::| |: ﾊ
/::/::::::::::: /:／ __/_. | ｊ ｊ |._!__ V ::| |: | このように肩身の狭い思いをしていたフランツでしたが、
|:::|:::::::::::: ﾊ ,ｨｆﾁﾃｵ､ ｊ/ /|:|ｵﾃﾐｫ､∨ ::| |: | その汚名を晴らす機会がやってきます。
|:::|:::::::::: |:ﾊ んｨ::ﾊ ｊ_,,ノ ﾘんｨ::ﾊ `ﾊ ｊ: |:: ,/ﾘ
|/|::ヽ､::: |::ﾊ `~-‐" }＝{ `~‐-" ,ﾊ,/ ,ｨ j;／ １７３７年ごろ、ハンガリー南部の国境付近で
|::::/:ｉヽ､{:ｉ`:ｊ､ _＿_,ノ ´ 丶_＿__ ,ﾉ{::::} / ｊﾉ オスマン・トルコ帝国との関係が悪化したために、
|:/::::|::: | ::ヽ、 ｰ-‐ ノ:::::::ｊ,ノ | フランツが総司令官として現地に派遣されたのです。
/ : ::|:: |:::ｉ|:::｀＞‐- . ,-‐＜´:i|::::::::|／:λ
／￣￣＼
■■■■■■■■
■■■■■■■■
. | （__人__） |
| ｀ ⌒´ ﾉ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
,.､- ￣/ | ｌ ￣ / | |` ┬-､
/ ヽ. / ト-` ､ノ- | l l ヽ.
/ ∨ l |! | ｀> | i
/ |｀二^> ｌ. | | ＜＿_,| |
＿| |.|-< ＼ i / ,イ_＿__!／ ＼
.| {.| ` - ､ ,.---ｧ^! | |￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣l
＿_{ ＿__|└―ｰ／ ￣´ |ヽ |＿__ﾉ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_|
｝／ -= ヽ__ - 'ヽ -‐ ,r'ﾞ l |
＿_fﾞ/／￣￣ ＿ -' |＿＿＿＿＿ ,. - ￣ ＼＿＿__|
| | - ￣ ／ | _ |￣￣￣￣ ／ ＼ ￣|
＿__`＼ ＿＿ ／ ＿l -￣ l＿＿_ ／ , / ヽi＿__.|
￣￣￣ | _ 二 =〒 ￣ ｝￣ ／ l | !￣￣|
＿＿＿＿＿__l -ヾ￣ l／ l| |＿＿_|
カール・レオポルト・フォン・ロートリンゲン (1643−1690）
r-､
rｰ―― !: : `´￣｀. .' . ､
,!: : : : : : :!: i : i､: : : : : : : :ヽ
/: : : : : / /|: | : l:!ヽ : : : : ヽ : :ヽ
/ : : : : : ,': ,' .! l: : !| l: i、: : : ヽｉ : ', 第一話でも説明しましたが、
/ : : : ,: : ,!-!‐ !,ｌ: : l:! !‐!- ､ : : ヽ : ! フランツの祖父であるカール・フォン・ロートリンゲンは
,': i: : : i: : :l :l lﾉ!: : !! |/ ヽ : : i: ',: | かつてトルコ軍の包囲からウィーンを救った英雄であり、
l : |: : : !: : :N ＿! : ﾘ ' ＿ ヽ: :|: :V それがフランツがテレジアの婿に選ばれた一因でもありました。
|: /!: : :|: : l. ,´＝= `r‐{. =＝ミ!i: :ｈ: !
l/ !: : i、:ｉ'{ '''' ﾉ ,.ヽ ''''ﾉ,ﾊ:ｌ,ﾊ,! そのため、孫の彼にも軍事的活躍が期待されていたのです。
ヽ: l ヽ!:`iｰ‐‐' r‐┐`''''",!,! :i' :|:i
ヽ! ,|: |:i`'ｰ- `_‐',., イ: !': : !: :!:!
r ､ /|: :!|: : |, '^'、 ,ハl:/: : :,! : ',|
ヽ ヽ_r_v r! :ヾ―l, Ｖ /: : : ハ: :ヽ
Y,. -{ Y!:',: :ヽ:.:.V´,ﾌ､ヽ/ : : /:.:｀i,: : :',
l、/´）ﾊヽ'､ :ヽ:.ヾｲ|.!|､! : :, ':.:.:./ ! : : ヽ.
/ `ｭ,ノ }i 〉ヽ :ヽ:ヾ|,|,!'l: :/:/:., ' !: : : : ヽ
ト´、 ノ l':.:.:.:ヽ:}:.:.::.:.:.:|/:.:i／/ l: : : : : : i
! ` !:.:.:.:.:lﾉ:.:.i:.:.:.:.:.:.,' / ｌ: : : : : : |
／￣￣＼
.:::::::::::::: ::: ..: .. . . .. ／ ⌒ ⌒ ＼:.:::.
. :: :: :::.:::.. :: ...... | （ ●）（●） | :.: .. ::.
:::::. ::::.: .: .／ノ| （__人__） |
::::.::.. .:::::::.: ::..／^/ | ｀ ⌒´ l :.::. .
::.::::::::::::.:: .:: : （ 'ヽ | } ::. .::: :
::::.: ::.. :: ヽ }
／￣￣＼
/ ＼
/:::::::::::::: ヽ
|:::::::::::::: |
ヽ:::::::::: ／
/:::::::::::: く
-―――――|:::::::::::::::: ＼ -―,――――
|::::::::::::::: |ヽ ⌒)
当時第二子を妊娠中であったテレジアは、
夫が戦地に赴くことに不安を覚えないわけではなかったが…
／_｀ﾞヽ
/ }ﾘ , '⌒ヽ
/ 〃 ／ }
, .ヘゝ､_/' ／｀ﾞ 、_／
／ ｀7′,.く ／
/ ヾ __ ∠ｧ' ｀ゞｰ／ ／
. ／￣￣＼ >､ﾌイﾄ､_,.ｲ ｀ ﾞ ､ ∠ ='´-−ｰ-- 、
／ _ノ ＼ｨ１:!::jj:ｒ'´丿 ﾉﾐ､＝=、 ￣´( { / ｀ヽ┐
（ ●）（●） ｲ::ｉ|:;!:i::jj::ﾚ' ,: ヽ ｀ヾヽ ｀ーrｪｔ冖-‐…- ノ'´
{ ﾞ（__人__） l 儿ﾑ'´ ヽ } ヽ ＼＼___て⌒ヽ,、
| }ｌ{ ,kく丁ト-‐ヘ.人 ＞r 亠-v' ＼
f'r{ト|ﾄ---ｒi´:;ﾄ､ ヽ } ィ彡iﾍ.ヾ{!:.:＼___｀ﾆＺ´_夊ゝ ヽ./´ ヘ
‐- = ============= ＝＝＝{｛ (ｴ|｢｀7灯:/|:;::: ヽ ノ :}/=‐ｧ ヽヾ;、:.:.:.:.￣￣ ヾ 、 ヽ_,>､）
`｀={.]!{ |;ﾍﾉ,!::::::::{:: `ｰ'_,.ィ!;彳ノ′ブ ヘヾｰ-､_ ヾ､
|l ヽ|しﾍj::::::ト､__ ／ヘ:!--‐' { 》=ミー-､､ }}
,ゝ-;‐=='へ.;!;X＾゛ −- .:.::;:;: 〃ｰ'´_jF! ｀ヾ、 ﾉ′
´ ヾ ノﾍ 》、 ｀:.:.::;:;:{jr2(¨,-丿 ｀¨"
V⌒ﾞｰ===:. :.::;:;: ｀
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣○￣￣￣￣￣￣￣
O
＿＿＿_ o
／_ノ ' ヽ_＼
／（≡） （≡）＼
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
| |r┬-| |
＼ `ー'´ ／
もしフランツが手柄を挙げれば、父やウィーンの市民たちの目も
変わるだろうという期待の気持ちもあった。
ところが…─────────
＼ ───＿＿＿
＜ ￣￣￣￣.|
＞ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿ |
￣￣ | ＼ ／ | | トルコの邪教徒どもめ…
| /⌒ヽ ／⌒ヽ .| .|
| | ＞ | i ● | | | 今日こそは容赦しないぞ！
| ヽ.__ノ ヽ.＿ ノ .ﾚ⌒ヽ
ノ o ６ .| 何たって今回はあの救国の英雄、
／＿＿＿＿＿＿＿ノ ＿ノ
＼ ﾉ ロートリンゲン将軍の孫がついてるんだからな！
ヽ 、＿＿＿ .イ
|───┤
／ |／ ＼ ／ ＼
トルコ方面軍参謀 ヴィルヘルム・ラインハルト・フォン・ナイペルク
_＿＿_
[|伝令 |
!,､,､,､」
| ＿|
,〜（（((((((〜〜､
( ＿（（（((((((＿ )
|/ ~^^＼)／^^~ ヽ| ナイペルク参謀閣下ーー！
| ＿ 《 ＿ |
(|-(_(;)_)-(_(;) _)-|） ∩- っ た、大変です！ フランツ司令が…！
| 厶､ | ／＼ _３
＼ |||||||||||| / ／ ／
＼~~~~ _ノ ／ 二二二＿＿＿
/７ｌﾆ／ ／
| （ 三三三二二――
|＿ ＿ ）
ｌ⌒lヽ＿ -` ￣￣ ）_
| | | ノ＿ ￣T -⌒＼
＼ |＿ -― ￣ ￣￣ ┴-|_ | ⌒
ヾｌ_ ノ 二二二＝＝ ）
､＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
､＞ .|
＞＿＿＿＿＿＿＿＿ .|
￣ .|./＿ ＿＼ | |
| / ヽ／ ヽ | | へ？
. | | ・ | ・ | V⌒ｉ
＿ |.＼ 人＿_ノ 6 |
＼￣ ○ /
. ＼ 厂
／ ＿＿＿＿_／
￣￣, -/へ／＼/｀- ､
／./ ./o i. ＼
＿＿ ────ー､､_
,- ＼
､ー´ : : ヾ
／ : : : : ヽ
／ : : : : ヽ
/ : : : : ヽ
/ , : : : : :ヽ
/ 川 , : : : ゝ:ヾ＿＿__ ヾ
/ ﾉ彡 : : : : : : : ｀￣￣￣"ｰ ､,, ヾ
川 ﾉ彡´ : : : : : ノ≡二ゝ ヾ､ ヾ
'|, ＿_ｨ=ｲ彡´ : : : :.‖ ‖彡三三ミ､｀lil ヾ
l' ￣ ,-=ゝ､_ ゞi､ : : :ll ｌ/ソ ＝Mﾞ川 lil ヾ
.l' ‖ ｿﾉ´三三ミ､ ｀ll : : :' ll､ 'l;;ヽ ,ﾉ;ｿ ,ll ,,;;い
. l, || i::i ;;;/ ＝S;ﾐ ll : : : : ヾ､ ヾ三ﾆ;ソ' : il' ii
. li, || ﾘ ;;;ヽ ﾉｿ ll : : ヾ, : : : : : : : : : : ::ii
. l| ヾi ヾ三二ｿ" ; ;ﾞ : : ' ' ' : : |
ﾘ '' ii: : : :l
ｿ : : ll: : ), : :│
ﾘ :ll ll: : ノ'' : :ｌ
川 :ヽ､ lil ,ソ ﾘl
ii, :｀ヽ､, ノ＼,, -── ｸ´ |
ヽ ;;ヾー､=＝二'''''￣ ￣￣mﾘ´ ,ﾘ
ヽ, ヽ;;ヾ￣´;; , ''; ､ ,/,ﾜ:: ｿ
ヾ ヽ;;ヾl ,,＿ ＿ ,_/,ﾜ´ . . : ﾉ
ヾ ｀ ミ三三三彡"";; ; . : : /
'ﾘ '' : : : : :' : : : : l
ｿ : : : : : : : : ｌ´
,ﾘ : : : : : :ｌ
,ﾘ : : : : : :ｌ
ヾ,. ; ; , ´ ; ;l
ヾ,. ; ; , ´ ; /
ヾ;;;;＝@ , ; ; : ; ;ソ
ヽ;;,,.. ,, ; ; ,;;;彡
ﾞヾ､､;,, ´ ソ彡
｀ﾞ'''''' ””
ﾜｰﾜｰ
‐―― ・―‐―――
／￣￣＼
／ _ノ ＼ ﾁｭｲﾝ あばばばばばばあばあ
| ／ﾟヽ／ﾟヽ
. ・─┼ ― （__人__）
| |'|｀⌒´ﾉ ∧ ∧ ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ
. . |. U } / ヽ‐‐ ヽ
‐―― ヽ } 彡 ヽ
ヽ ノ 彡 ● ●
/⌒ ヽ 彡 ( l
/ y ＼彡 ・―‐―― ＿-ﾋｭﾝ――――
ﾉ ,/＿__,ﾝヽ,,-‐彡 ヽ l
（＿"＿__ ＿ソ `/ ` （ o o)
| ヽ / /´
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::::r‐-､::r‐‐､┌v┐:::::::::r ' /::::::::::::::::::::::::::::::
::::| D |::| O |::| M |::::::::::ヽ ,.､:.' ..:.::.:::::::::::::::::.:.:.:.:
::└‐::':::`ー':::ﾞ':::::ﾞ':::::::::／"ヾ ,. '".:.:.::::::::::::::::::::::.:,.､ '､ :
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::::::::::::::::::::::::::::,.､:／>::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.. ゞ .;' .:
::::::::::::::::::::::／／／::::::::::::::::|D)(O)[M]！.::..:... ／'` ' .:.:.::
::::::::::::::::／／／〉:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:,､／' .:.:::::::::::::::
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:."'"''"'''"""''"''"''"'"''"''"'"''ﾞﾞヽ:::::.:..:.:.::.:::.:...... `:-::::
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／￣￣＼
／ ；_ノ||||||＼
| ； （ﾟ ）（。）
. | Ｕ （__人__）
| Ｕ |r┬-| 彡
. | ｀ ⌒} 彡
. ヽ }
ヽ ノ
／ ＼
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| | ＼ / ヽ ＼_＿＿＿＿|
Σ(⌒ノ ゝ ＼＿_）
／￣￣＼
／ ；_ノ||||||＼
| ； （ﾟ ）（。）
| ＼ （__人__）
| ； ；| ｀⌒´ﾉ
| ； }
ヽ ； }
ヽ ； ノ
／ ＼
/ /＼ /￣＼_＿＿＿＿l⌒l》》
| |巛 ＼ / ヽ ＼_＿＿＿＿|)))
(⌒ノ 巛 ゝ ＼＿_） 》》
／￣￣＼
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| （ ◎）（◎）
. | （__人__）
| ﾟ。i;; |
. | ﾟi;;jー'}
. ヽ ij }
ヽ ノ
／ ＼ ｼﾞｮﾜｰ
/ /＼ /￣＼_＿＿＿＿l⌒l
| | ＼ / ι ＼_＿＿＿＿|
(⌒ノ ＿__ゝ＿/:::＼＿_）
（＿ :::::::::::::（＿_
＿＿） :::::::::::::::＿＿＿）
（::::::::::::::::::::::::::::::::）
634 名前：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/04/12(日) 20:43:32.35 ID:h.v4fOco
あばばばばばwwww
635 名前：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/04/12(日) 20:43:54.40 ID:hCTLS/2o
なっ・・・とんだヘタれだったのか・・・
＿＿＿_
＼ ───＿＿＿
＜ ￣￣￣￣|
＞ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿ |
￣￣ | / ＼ | |
| /⌒ヽ ／⌒ヽ | |
| | ‘ | i ‘ | | |
| ヽ.__ノ ヽ.＿ ノ ﾚ⌒ヽ
ノ o ６ |.
／＿＿ ＼ ＿ノ.
＞ ﾉ
＜、＿＿＿ イ
|───┤
／ |／ ＼ ／ ＼
： ＞ ￣ ―― ---‐ ＿＿
; ＞ ＿＿＿＿＿＿. | ；
； ￣ | /_ _ ＼ | | ;
； .|.l´,,ヽ .i'ﾞ,, ｀i | | ;
, jヽ__ﾉ ヽ___ﾉ ﾚ‐､l ；
； ／ ° ､ 6 } ;
; ￣~＞ ヽ ﾉﾞ´ ；
； ＜＿＿＿_イ ；
; ／|/＼／＼ ;
__＿___r‐-､__＿＿___.
/:::.... ..:ｉ ｀＼
ﾒ _,, :ﾉ〉:: ..::i: ::.. ＼.
／ " ,ｲ ∨:: .:::λ. ヽ::.. ＼.
／::／.. ::/|::| ∨:: :::,ﾉ |:|∨ ｀ヽ:::::::ハ
／::,ｲ ::/: ::/‐|::|‐- .〉 :::/.-‐||‐∨ :::｀ゝ::::::} .
／::／/ ::/: ::/ _ |:|_ 人 ::{ _ﾘ_ ∨､ ::::::;〉:| . …残念ながら、フランツには
ﾒ／ / ::/::: γ´ ﾘ ｀ヽヽ|γ ﾃ=ｚ､.| i＼:;;ｲ::::|. かつてウィーンを救った彼の祖父のような
| ::/|::i :{ 〃 ,r'i＾iﾍ |::ｿ::ﾊ} :| :i :i: :| 軍事的才能はありませんでした。
| ::/ﾒ::i : :|ゝ _ _ ,ｨ＾| | .| .|､_￣._人 | :| :|:〈
|;/ |::| : :|ﾍ { {ィ⌒>ｲ|:ﾊ ｊ: :|::| 参謀のナイペルク伯爵が無能だったこともあり、
,}::｀ヽ;|::::＞‐-ｔ__ ,,ﾒ~__ ||::::|/: ::|:::|. この戦争でオーストリアは
. |:: i : :,ィ´ ＼:{二二二二}７ ｀||:::/: :λ:::| . かつてプリンツ・オイゲンが勝ち取った領土のほとんどを
|:: | ::/ }二二二二{ .ﾘ/: ::/ﾍi: ::|. トルコに割譲することになってしまったのです。
,}: :|:/三≡=‐〈 ::ﾉ ヽ:::ｿ 〉 ノ : :ﾉ三:〉:::|. （１７３９年 ベオグラード条約）
|: :| :{ ｀゛`＼ | :::::::::{.,／ :∠-‐─}:.人.
. / :| :ゝ ...:::,rヘ_＿＿_::;;|: :,ノ´ /: : : ヽ.
/ ..,ｲ :::ﾒ､::::ノ ｀|TTＩ-‐､ /: : : : : : ＼
／／/ .::: :::＼ .ﾉ: :|:|:|:| ~゛ゝ: :: :: :: :: :）.
／／／ r'.:ﾒ:::::::::::::＼,,_＿＿＿::::::::|:|:|:| ､ヽ〉: :: :: ::/. .
／:::/ （ 〈::(:::::::::::＜" ￣￣￣`ﾍ_〉_ソ: : : :／
/／(:( ＼ ~￣￣￣＞ _/: : :／. .
'ﾞ ﾘ ＼＿＿＿ ｀ヽ､ ＜ : :／.
| -――┴┴‐┴┴―- |
┐ | ／ ＞´￣￣￣▼◆▼￣￣`＜ ＼| r┐
│＿＿＿|_／ ／ ＿ ノﾉﾉ八(ﾄ､ ＿ ＼_|_＿_,∠| .|
＿_＿_＿_j_ イ ｕ ／ -_,､::ヽ '三}:::::::::,､_-＼ :∧ ─一／
ー───/ /:: 匕 ･='彡 ◆{::(:::< ･_`ﾄ |{〈￣￣
／ ,':::: ー =彡^ ＼:::::^ミ=一 |ヽ＼
／⌒7 ,ﾊ:::/ ,( く} {> )::. u |∧ ＼
´ ／ ∧:::{: ／ ､＿, ＼ |{ ｝ ）＼
／ / {::::: u / ⌒'ー'⌒＼ ヽ ﾊ}∧ ＼
/ 〈/>)::/::: / / ィエエエｴﾍヽ } ::::{r､＼ ＼
人,∨::::::.. :: //::::::／ひ＼::::} } ｉ:::∨ ＼ ＼
ん'::/:::::::::〃 {｛／⌒¨¨¨⌒ヽ｝} } | jﾄ､ ＼ ヽ
. /八::{:::::::::::{{ {:: {ﾋエェエェエェｳﾘ ﾉ 八 ） ＼
ジャン・ガストーネ・デ・メディチ
. /´~`‐- ─ -/´｀ヽ､‐-──-.､_
/ / / ｀ヽ､/´`,.ィ"´｀`ヽ、
ｊ ﾉ | ｀Y´／~｀ヽ、 ﾊ
| / | | ｉ ｀ﾊ、.:: |: |
ｊﾉ / ,.ｨ| | |ヽ、 ｉ ﾍ ､ 〈:::.ｉ | |
/ / ,-ｧ‐-| |: | ∨.-ｉ‐-､ λ } {:.:| | |
/ / / |:|:: { ∨ ﾊ､ ﾊ | 〃ﾘ:; | |
. / ,ｨ ..:ｊ / ___ |:|::: | _ﾚ'___ヽ､ ﾍｉ/::::::|:ｉ | | 一方、このころにメディチ家最後の君主である
/ /7 :::| /,.ｨｆﾁｵ､l;j::: | ,ｫﾃﾏ:ｬ､∨、 ::ﾍ::::;ﾉ{:| | | ジャン・ガストーネが死亡したために、
/ / ｊ ..::::||,ﾊ ｆ ん';ﾊ ｀}:: ,ｨ| ん':r:;ﾊ`ヽｉヽ、 ::ﾊ:;/'|:ｉ | | フランツは正式にトスカーナ公に就任します。
〈 :| | :::::.{（´:} V:z:;j j:;ノ .ﾘ ﾋ::z:ｨ:;ﾘ |:.:::ヽ :::ｉ 〉 |:| ! |
ヽ| ∨ :::: | ヽｊ ｀‐~' ﾉ冖{､ `‐-~´ ,ﾉ |:.:.:/:〉ノﾉ |:| : | 対トルコ戦では将才の無さを露呈してしまったフランツでしたが、
ヽ、 | |:::;ゝ‐-‐ '´ ´ ｀ ‐-‐ '´ ,.|:::/::'"ｊ´ | | | トスカーナ公国で彼はその意外な才能を発揮します。
ヽ{ |::ｉ:::ヽ、 丶 ,.イ´ |:/ | |:| | それは… 「財政能力」です。
|::|:::.:::| ｀,＞‐ｧ-‐‐τ´::::｀ヽ|:| | |:| . |
|;ｊ ::: ﾒ'＾ ｊ ,ｨ::ｊ ﾄ｀ヽ ﾉ:;ｊ ｊ || ::. /:ｊ
{ :::: ｊ | /‐-､ ,-─‐/／ ﾉ｀ヽ、 | ::: {::::|
/ ::: ﾉ | / ,ヘ＾ヽ､ /' / .／ ＼{ .::. |:::::|
{ ::. ｊ |/ ｊ´＼丶｀ヽ /／＿＿,λ :::: !::::|
| : { ./ {´ヽ } /￣´ ハ :::: ::::λ
∧ ﾍ.ｉ ヽ_,ゝ ,/ ./ ｉ / }ｉ :::: ::::::ﾍ、
/ ヽ{＼{ { 〈/|,／ | / . :ﾊ ::::::::::::i:::ﾍ、
{ ﾉ /::＼ ,' /:: ﾊ. λ :| / : : / ヽ､ :::::::|:::::::＼
/ { ｊ:: :: ::＼,/:: :: :λ ﾍ. |: / : : /{ 〉 :::λ:::::::::::＼
／￣￣＼
;:;:;. ／ノ ヽ、 ＼
;:;:; （●）（● ） | ど
;:;: . （__人__） | 明 う
;:;:. ｀ ⌒´ | る だ
:;:;:;. | }:.＼ く
;:;:;: /.:.:ヽ }.:.:.:.:..ヽ な
;:;:. ノ.:!:.:.:.:ヽ /7.:〉.:.:.:i.:.:} ろ つ
从 ＿＿ _,,,／.:.:/:.:.:.:.:.:| }-{/i.:/.:.:.:.:|.:/ う た
从从百円}と_」.:／!.:.:.:.:.:.:.! ￣ リ.:.:.:.:.:り ？
￣￣ ￣ |.:.:.:.:.:./_ ：_＿ヽ.:.:.:.:＼
＼／.:.::..:.:.:.:.:.:..:＼:.::./
/.:.:.:.:.:.:.「^Y.:.:.:.:.:.:|´
{.:.:.:.:.:.:.:.| ,!.:.:.:.:.:.:|
＼.:.:.:.:.:.V.:.:.:.:.:.:.:|
＼.:.:.::|.:.:.:.:.:.:.:!
_＿_ ＞ 'ゝ─‐ｲ､
／､_ ＼ ｀ー' ｀`''ー‐'
／ (●） ＼
（__人__） |
＼⌒´ ／ お 暗 :::::::::::::::::::::
￣ソ´・￣ス＿ ら 靴 く ::::::::::::::::::::::
./ ・ ・、√: : : ヽ な が て ::::::::::::::::::::::
>.= イ: : : : : ;_;| い わ :::::::::::::::::::::::::
／l_"／（ ヽ}: : : : .］ わ か ::::::::::::::::::::::::::::::
`ー――` ＼ : : : イ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
長らく続いたメディチ家の悪政により、トスカーナ公国の財政は完全に麻痺していた。
しかし、フランツはテレジアと共にフィレンツェに滞在したわずか三ヶ月ほどの間に
様々な財政の再建策を打ちたてた。
その結果、やがてトスカーナはイタリアでも有数の経済地域にまで発展するのである。
/´｀ ‐- ､ _＿ _/´｀＼_＿__
/ / ｀゛‐-.､_
jノ / :| ｉ ､. ｀ヽ、
／ ./ ./ ,| ｉ | | ＼ :::ｉﾍ
／ ::::/ .| / | ::| λ |､ ＼:ｉ }
／ :::::/ | | | ::| |. | | ∨ ＼ｊ
／ ﾉ ::::::/ γ⌒ | ::| | | :| '⌒ヽ ﾍ ですが、財政管理だなんて地味な才能が
/ ,.イ :::::::/ | :| ∨ ::|.| | | ∨ ｉ:: ∧
| / ｊ ::::: j /ヽ|___ ∨ :|| |ｊ ∨: |::: ﾊ 派手好きのウィーンっ子たちに受けるはずもなく、
| :{ | ::: ,ｨ || /,ｨｆﾁﾃｵ ヽ､:{ ｵ:ﾃ心､∨ |::.:ｉ､ |
ヽ:| | ::: / | |:| ﾊ´ {ﾉtｨ:;ｊ }--{ {ｨ'ｔﾒ:;7`.ﾊ. |::;ｊ|｀ヽｊ 戦場で大した活躍もせずにのこのこと戻ってきた
| | | |ｉ| {:::} `-‐" ,ﾉ ヽ ゛‐- ' ´.ﾊ:∨,j;ﾉｉ|
｀ヽ| |ﾘｉ:|､ |::::j ｀‐--‐´ ' `‐--‐´,{:::ｉ:∨: || フランツに対する市民達の態度は、以前にくらべ
| | |::ヽ{::::ヽ、 ー' ,.ィ´:ｉ::|: | ||
| | :| :::::::ｆ|`ｖ^ｉ‐,､‐- -‐＜´::::ｉ:::|::|: | ||. いっそう冷ややかなものとなったのです。
| | :|::::::::|| .ｊ |::ｊ |:,ｨ':j {ｱ ｀ヽ､:|::ｊ: | !|
| :| :|::::::::{ ｀ ｀ ｊ | | |;/ ,ﾉ: |
| | ヽ::::::ヽ ﾉ |-‐‐-| /´ 人:__ |
| ,! ｀/´￣￣ ｀ヽ.| | / / / λ:: |
| / ｀ヽ./二二ﾆﾆ==ﾉ|. | ./ /／／ }::: |
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:,;,;.. -‐ .'''ｰ-,;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;,'' 能 こ `';:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:," ';:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;; 無 の ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;; ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;', し ;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:`, . ,";;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;
;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;`',. が ,'";;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;
;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;｀''';;;;;;;;;;''";;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;
;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;_;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;
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;;;:;;;:;;;:;;;:;;;:;,;ﾞ::::: /,'./;;:,､;;:;;,,;:、;;:;;,;:;;:;;:;ｒi;;:;;:;;l;;:;|ヽ;:!l;;ｌ ヽ ::::｀'､;;;:;;;:;;;:;;;:;;;:;
;;;:;;;:;;;:;;;:;;;:;l::::: i/ .!;/ .| ./.||.|;;:;/,!`;::;:ｌ !i;;:;;!|;;:! ;ｌ !| /〃:,'";;;:;;;:;;;:;;;:;;;:;;
;;;:;;;:;;r'､;;;:;ﾐ,::::::.. .l/ .|/ ｌl !/! | |;/,ﾉ.!;;/ .!,! ﾉl| :.:.::!;;:;;:;;:;,-､;;;:;;;:;
;;;:;;;:;;|.`i ｌ;;;/::::. . .! ! ｌ ｌ .! l' !′,ﾉﾞ ' .! :::ヽ;;:;;/./ l;;;:;;;:;;
;;;:;;;:;;;', ヽﾐ!::::ノ` - ,,_''', .゛ .＼ヽ ﾞ ./／ ,'''__,,,.‐' ''フ .::::ヽ,' .!;;;:;;;:;
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;;;:;;;:;;;:;;;:`;,ﾞl::: : `,: ::::::::....'"..:: :" ヽ:. `'―ｰ'"," .:::.::/ ,';;;:;;;:;;;:;;
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ウィーン市民の声
／￣￣＼
／ _ノ ＼ ＿＿＿_
| ／ﾟヽ／ﾟヽ ／ ＼
| （__人__） ／ノ ＼ u. ＼
| |'|｀⌒´ﾉ ／（●） （●） ＼
. |. U } | （__人__） u. |
. ヽ } ＼ u.｀ ⌒´ ／
ヽ ノ ノ ＼
そして妻であるテレジアも、夫に軍事の才能が無いことに失望の色を隠せなかったが…
／￣￣＼ ＿＿＿_ ｡ｏ
愛してるだろ ／ _ノ ＼／ ＼
常識的に・・・ | （ ー） ） ─ ─_ ＼ 愛してるからもう一回やるお
. ＿＿| ///⌒（__人）（＝） （ ＝） ＼ ＿＿＿＿＿
/ │ ( β （__人__） u │ / _,,..i'"':,
. / | │ ｀ ⌒ │ / |＼`､: i'､
. / ヽ / ／ / ＼ ＼`_',..-i
/ ／ η///ﾉ ＼ / ＼|_,..-┘
/ │ ° ／ ／ σ ＼ /
/ ヽ ／ ／ .│ /
/ / ＼＿＿＿／ φ ／ /
/ / / /
/￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣/
/──────────────────── /
それでも彼に対する愛情は変わることはなかった。
１７４０年 １月１２日
| | ｜ ｜
A ／＼ A A A
ｴﾆﾕ_／／i＼＼ｴﾆﾕ＿＿＿＿＿ｴﾆﾕ＿＿＿＿＿ｴﾆﾕ＿
|固|. ===舎=== |固|========== |固|========== |固|===
. }ニニ{ ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ}ニニ{ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ}ニニ{ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ}ニニ{ﾆﾆ
| ｜ | │ | | | |
. iﾆﾆﾆi===ｴｴ===iﾆﾆﾆi.===ｴｴ===iﾆﾆﾆi ===ｴｴ===iﾆﾆﾆi==
| ｢l｜ /l⌒lヽ | ｢l｜ 冂 冂 | ｢l｜ 冂 冂 │｢l｜
| |.| | |_|＿|_| | |.|｜ 凵 凵 | |.|｜ 凵 凵 | |.|｜
| |.| | |_|＿|_| | |.|｜ 冂 冂 | |.|｜ 冂 冂 | |.|｜
| |.| | | | | | | |.|｜ 凵 凵 | |.|｜ 凵 凵 | |.|｜
| |.| | |┼:┼| | |.| l. 冂 冂 | |.| | 冂 冂 ｜|.| |
{ﾆﾆﾆ}.￣￣￣￣{ﾆﾆﾆ}.￣￣￣￣{ﾆﾆﾆ}~￣￣￣￣ {ﾆﾆﾆ}￣
|ｴｴ｢￣|￣￣|￣|ｴｴ｢￣|￣￣|￣ |ｴｴ「￣|￣￣|￣~|ｴｴ「￣
|,,ｴ,| l | |,,ｴ,| l | |,,ｴ,| l | |,,ｴ,|
|,ｴ,,| l | |,ｴ,,| l | |,ｴ,,| l | |,ｴ,,|
／ ￣ ￣￣￣￣￣ ￣ ￣￣￣￣￣ ￣ ￣￣￣￣￣ ￣ ￣￣
|＿|＼∧∧∧ＭＭＭＭ∧∧∧／|＿|
＞ ＜
＿＿|＿.. ＿|＿.`` |
／| ＿|＿ ──────── |
／ | | ヤ. ・
＞ ＜
第三子 マリア・カロリーネ誕生
|┃三 ガラッ
|┃
|┃ .o. ╋ .o.
|┃ |｀‐´｀‐´|
|┃ |＿皇＿|
|┃／ ＼
|┃ − 三 - ＼ ………。
――‐.|┃(（◎） - （◎）)- ＼
|┃ ((（__人__）)) | ⌒)
|┃ ｀⌒´ ／/
（⌒ヽ・ ^^^ ・￣ ／
|┃ノ /
|┃ <
|┃ (::)(::) ヽ
|┃／ u > ）
|┃ (＿＿)
"//;; 彡,､-ｰ''ｱ:;､-'/:::::::::::＼＼::;;､-'７三三 ヽヽ;）;/￣/＿ヽt
从从iii:ﾉ ／／／/了;;;;;;;ミ)）;/ ／彡ミﾐ::;;-ｰ―" ＿＿/ヽヽ
:::::::::ﾘｲ i::/ / / /;;;;;;;;;;;iiiii)/ ,r',,,,,､- ｧ／-z''" /iii从;;;）） |
//;;;/:| ノ:ﾉz''"/／ ,,､-ｰ ''" ,､-ｰ''"::|;i／／/ /从从;;;;ﾘ| ヽ
i;;;;i;;;;ﾘ /;;;､-''了 / ,､z''"／| / :ﾘ;|／,,;/ /ｲii|／＼从从
iii||;;;;i ,､-ｰ'i| "／ ／ :/ / /ﾘﾘ/;/／从:::~'-／;;､-'/
ﾘ|ii|/ 「"､ﾘt i|ii|i ﾉ ／ヽ:/ / ﾉ :{;;| :|ii|从i|;;､-''|;;;､-",､ '从
ﾘﾘ/ /､,ﾘﾉ;;|''|;;|ｰ-|/----ﾚ------ ｰﾘ;;;|''||ii从ﾘ,､;;;;／ ／从从
:::::| |ﾉﾉ人ｿ''|ﾘ+::､::,,＿ｏ;:;:'､ｏ;) ,,､-ｰ|;;|i|'"iii|从从;| ／ヽヽミミミ
:::::|／彡ﾉ ﾘ ﾉ ﾉ ｰ--､￣￣￣ノ:::::::::t;;tヽヽ､;;ミミ;ﾚ"ヽ､ミ三''ン;; 姫 君 に ご ざ い ま す ！
彡"从从ノ ノノ ヽ~ j::::（ r' ｀ヽミ､,,,､＝'}~'-､､ミ三シ<":
彡彡ｲ/）;;;~"'''ミz;;;;;;;;;;__iz-ﾉ人t-;;=ニ､ﾆ,-ｰヲ;;;;;;;;;;;;;)￣ ､;;;;:::::::::
＞''"//;;;;;;;;;;;;;;｀'ｰ｀＝´-''rミ:ｧ了彡:~''''''i''ｱ'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽヽ ､'ｰ､::::
;;;;;;;;;/|;;;;;;;;;;;;;;;;'''''了""":（ミﾐi|:::j:::彡::::''"ヽj'''" ::;;;;;i|ミﾄﾄミ ::::::::::::
;;;;;;;;;/|;i|;;;;;;;:::::: |} :::::（ﾐ i :|:／ﾘ::::､ || ::;;;;;从~'-､ｰ､､､､r'"
;;;;;;/ |t;;;;;;;;;;）:::::::::ij:::::::::::i'⌒ :j :}:::''"ヽ::::: |j :ﾉｲ;;ﾘ;;;|从::::::::::::::::::
;;;;/从i);;;;;;;t'､:::::::::|i:::::::::::'ｰ:､（ ）'"~´ ﾘ :ｲ/;;;;|i|i||从ヽヽヽ;;ヽ
ノﾉﾉﾉ;;;;;;;;;;;;t';::::::::::},::::::::::~''ｰ､;;;／ ij :::/::|;;; || i 从:::;;;;;;;;;;;;;
从;;;;;;;;;;;;|;;;;;;'､::::::::ij:ヽｰ__ニ三三'''=ｰ''ﾉ ノ::::|;;;|i||ii t从;;;;;;;;;;;;;;
ﾘ;;;;;;;;从;;;;j::::::::::ヽ::::::i|::::~ ､"￣￣￣"::::ﾉ r'::::::ﾘ;;r､（((ヽ't;;;;;;;;;;;ヽ
;;;;;;;;ノ ;;;;;;;|､::::::::::::ヽ:j ":::;;､ '' ~~""ヽ､ノ:::; '::::::::/;;/从ヽヽヽヽ;;;;;;;;;;
;;;;;;/ｲﾘ;;;;;;i､_::::::::::::::::ヽ::::（ ／::::::::::i;;;;从ii|ヽ))）从）;;;;;;;i|
;;;（ （i|;;;;;;ヽ､,,,::::::::::::::::ヽ;;:::''''''''''''''ヽ／:::::::::::::::t;;;;i|从ii|;;;)）''ﾉﾉ､;;;;;;
,-、 ,-、
ゝ ｀ ､ .ゝ. 丶 ,,、 ,
`'´､. ｀' ,'､..丶 ／ ﾉ .o. ╋ .o.
_ ｀' ,,_ ` 丶､__ノ ノ . |｀‐´｀‐´|
( ￣ﾞ"'''''''ｰﾞ ノ ., γ |＿皇＿|__
｀ﾞ""''''ｰ┬ ' γ ,ii| ﾉ ／− 三 - ＼
_,.-'ﾞ f':;; :!l _,, ｨﾞ ｀丶-==- ､"''' ／-(（◎） -（◎）)│
, - '´_,, -､'ﾞ ノ .ﾉ:::::::.. . Yｰ,ヽ 丶 ,,_ | ((（__人__）)) |
`ｰ '´ ｀''ｰ､´-ｰ'´ :::::::::::::.l... ',.li ヽｰ' ､＼ ｀⌒´ ／
＼ /γノ:::::::::l.!| !_.ノ! li､ ii"''' ､｀' ﾐ
` ｰ-,,. ;´ .ﾉ.!!､__ ﾘ ..ﾉノﾘ jj 丶｀'
／ |＞-＜:::｀! ii-ﾞ| '.' .｀ l ,,'' ヽ
. , '´- ､ /::::: ｀ ! || ! ' . ' ｀ l '´ 《. 〉
. /.::::: ｀;:::::::: ,､ .l: !!,,｣／〉｀ .._ ! '´ / ｀'ｰ- ,,＿ノ ､
. ,'.::::: γ"i ﾞ,::::γ'ﾞ､ `｀´｀''''´ ﾉ ! ´ ｀'- ,,／ ヽヽ､
,ｰ‐ ,,＿ _ﾉ,, ‐ｰ'ﾞ ,'､ｰ'--ｰ''´`ｰﾞﾉ ,ｰ'´ , =''｀' ､_! ｬ､ , '´ヽ
丶 ,,,_,, ￣ - _,,ノ. ｀',ｫｰ-'ｰ'ﾞノ .ﾉ `'''´>'´__｀_､ ﾉ >`´､ ノ´)-, ...',
_,, -ｰ''`'''´ ::jγ'´ﾉ_,, - .´ _, γ´''''´--ｰ'''"ノ´ ｰ'´/´, -ｧ､i''''´ rｰ'''´ `´〉 l､..:::::｝
´; _ﾉ,,,,ｲ, -'ﾞ / f /(__,, -ｧ´ _ノ´ (~___,. ヘ__ `´／, - ! ヽ ) ､ `'ﾞ! |､.ノ
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. , ´ , 'ﾞ〉 _ノ `'''''´ | '´ .__ "''ｰ＝ /= ''' , ￣"''ｰ- ,,__ __>-ｰ!.j
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. l ! / ｀'- l,,__ ||￣|| || 〈
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,,,,､-'" / ,､-'" / ／| ﾘﾘ ノ・:' :'',' :::'',':::'',':'',} :'',' ,':: 了￣ ｀''''''" ヽ''（
了 / ﾉ /／ ﾘ 从|| /从・:'､､,,~ヽ :'',':'',',､;;'" :'',' ,'::,':: ,':' ＿＿）
|| | ノ /. | / |li" ､|ミ乂三ミ）)） ,､-ｰ'''''''ミ''''''' ｰ､ ､､ ＼ え
. l| ﾘ | / | _/ ,',,r'二ミ/'',､-ﾐミ从彡三ﾐ ミミミﾐﾐ )）从'::,': L
,ノ / | / |／ ,',勿彡,, r";;;ii;;;;;;;;;/彡ｲ|lヽ从从ヽ､,,,,,,,ノ;ﾉ'::,': ／ ひ
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|ﾘ | ,､､､､,, 'i ｀'､,,r~'i､,､=＝ｰミ三彡シ;;､-ｰ'''''t }rテ。ミゝ};;;;ﾐミ三シ彡'"彡ミ'::,／
,l| | ' ､,,,ノ ｀' ､,ゝ'",''~〉-7彡三ヌ;;;;;;;;;;;;;-=彡=ｰ'''ｲfjﾐ｀;⌒´ﾃ:|;;;;ヽ三彡､-'"ｰ''"彡￣＼ い
ji | ,､､-｀''" /'{,､- ''~'ｰ ',､-'"､ミ;;;;;;;;;'ｰ-;;;r}从|~''yっ)､;从ミ;ﾘノ;;ミ彡彡三ミ￣彡"":／ ,r'"
. ﾉ '" ,,､- '(''";;;''""イ-ｰ'､ {{（彡＼ﾂｲ/;;;;l,)i;｀'Y三-ﾆ,､彡ﾐ/;;;;;;;;彡;;;彡ニﾆ从从:'',':'￣￣＼ ＿＿r'"
,ﾉ ,､-''" ） " "´i|' '・,､｀',{{:ﾘ(((|ﾂ;;､;;;;;;;;i',||イr'￣~'-'";j/};;;;;;;､-'":::: '',':','､-''"~' ､:'',':'','彡',ヽ／'',',':'',
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|| || ヽ､,,,,,,, '':: {::::::''"ノ彡iﾚ(从人从 ;;;;;ヽrｰｰ-'::´,､-'ﾇ;;;;;;ﾉ;;;;;:::::::::'','::,'':・:',､-''" ヽ彡'',':'','::'',
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iﾘ マ,,,,,,ヽ､､､､;;}}~::::ヽ ,,ｲ ,,''彡､,,~＞'~ ／:::" ,､ '" :':・i| ::::: ,ｲ''""""|ヽ :'',
ﾘ ／彡,､-'￣￣:::: / ヽｲ／ || ／''i/~ 'Y""}r-彡 ,' :::" ,'彡::.........::::::_/|:::／ ﾚ'" ﾘ ',
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,､-'"￣￣￣￣￣ ﾞ'ｰ､ ,,､-≧'''"≦三ミ｀ﾞ'ｰ､,,,､､,, ,､-ｰ ｰ ''''" ﾞ''
,r'" ヽ ,r",､-'''""三彡―ミ~'ｰ彡三ミヽ/
/ ヽ 'ｰミ彡'"´///;;;;／／シ;;;;;;ミﾐ､ﾘ彡;;;;;ミ/
／ | ,,､-''"ｨｨ ""///'"／- ､;;;;;;;l;;;;}r''";;;;ヽ/ あ
| 顔 お お お | （／///ﾉｯｯ从从ll||l|;| ｀'''ll､ｯ彡;;;;;;;ｲ
| を れ れ れ |,,,､-彡 ﾉﾉﾘ//从;;;;;;ﾘﾘ u::::::::::::::ﾞ'' ､;| あ
| ： の の の L／/ ｯｯ ///;;ノ;;／/ u :::::::::::::::::/;| ・
| ： 天 顔 ： /／／彡ノノ／":::ミｰ､,ｯu ﾉ ｨ'"／::://;;;;| ・
L ： 才. を ： |／ｯｯイノ;;;/ｨ'" ＜っﾞヽ;ゝ" {Y'∠,, |||;;;;;/ヽ ・
〈 の ﾉ彡彡ノ;;;／)-､""'''ﾐミ'''＝.ｨ'"彡;=,-､-､;;l|ll|ヽ
| ／,､彡彡ｨ' '／ ﾉ ,,-､ミﾞﾞ ヽj::::::::｀ﾞﾞﾞ'ｰヽ:ヽl|;;;;ll｀'ｰ､
￣＼ （／'""";ｨ/ /'" ｲ:／ ﾞ/:〈､〈" ）,<" ｀ヽ::::/;;;;;ﾄlll |ﾉノヽ､＿＿
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662 名前：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/04/12(日) 21:03:37.89 ID:h.v4fOco
侍医も皇帝も落ち着けwwww
.o. ╋ .o.
|｀‐´｀‐´| ／￣￣＼
|＿皇＿|__ ／ ＼ ＼
／_ノ 三ヽ__ ＼ （●）（● ） u. |
／(（◎）- （◎）)-＼ つーん （無口） （__人__） u |
／ ⌒(（__人__）)) ＼ (｀⌒ ´ |
| ｌ^l^lｎ ⌒´ | { |
＼ヽ L ／ { u. /
ゝ ﾉ ＼ /
／ / ノ ＼
__＿_,ｲ{､_＿_
,,ィ´ 〈 ﾒ､
. ／ , ,/| λ、 ＼
/ ,ノ/ | ﾒ ‐ｔ- ＼｀ヽ､.
j／ ﾒ,ｨﾃｭ ﾚ' ,ｨﾃ心､ 丶ヘ> １７４０年に生まれた三番目の子供はまたしても女児でした。
,ｲ´ / ,| ﾋ:z:! }-{ ﾋ:zj ﾊ 〉'
〈, /（| |:ゝ‐-‐' ｀‐-‐´{ ﾍ./ この時カール６世は子供の顔を見ようともせず、
|/ | |、 -‐ ,ィ´| ﾄ、 . 以前は息子同然にかわいがっていたフランツにも
〉 ｿ | ｀≧‐-‐≦ |/| |λ. しばらく口を聞かなかったそうです。
ｊ | |: | ﾍ--/ ｀＼| | 弋.
ﾉ | |: | ＼ ∨ ／／´ｉ | )
ちなみに、この時生まれた三人の子供のうち、第二子のマリア・アンナ以外は幼くして夭折してしまう。
このとき、テレジアは
｡ ﾟ | i ゜ ｡i ｡ ﾟl ｡ i ┼┼``
。 ゜i ﾟ i ! | ゜ i / ア ア ア ア ア ア ア ア ア ───‐─ ─
i l i ! ﾟ ﾟ ｡ ゜
i ゜ i | ゜ i | ゜ i l
゜ i ｡ i l i l
| l ﾟ ;゜ ゜ : ; ; i l l !
: ゜ i ﾟ i ､i;,| i, ﾟ,゜ ゜ i l ﾟ; l ｡i
| ｡i l l ゜;／￣u￣;j＼｡´ i ﾟ | !
゜ ｡ .| i i :｡／ :j :::::＼:::／＼;ﾟ !゜ ゜ i l | ゜
l ゜ ﾟ 。゜ i ／ u ｡<一>:::::<ー>。 ! ﾟ お父様がそっけなくするから、
i ゜ | |:j ° .:::｡ﾟ~（__人__）~ﾟj あの子たちは生きるのをやめてしまったんだお！
|。 ! i ! ＼、 u ;゜.｀ ⌒´,;／゜ ゜ i l ゜ i l
! l ｡i ／ﾟ:j⌒ヽﾟ '"'"´(;ﾟ ｡ ! ゜ ｡i
｡ ﾟ: ! ﾟ l / ,＿ ＼ ＼／＼ ＼゜ ! ゜ i ﾟ
､i;, ､|; ､i;, 。 ゜ ;ﾟ ､i;,と_＿＿）_ヽ＿つ_;_ヾ_つ.;._ ｡ l ｡i ゜ ;ﾟ ､i;, ゜ ;ﾟ ､i;,
´´ ﾞ ´ ﾞ ´ `｀" ´ ´ ` ~ " ﾞ ﾞ" ﾞ ´ `" ﾞ ´´ " ´ ' ´ ´ ´ ' " " ﾞ ﾞ ´ ﾞ ´ `" ´ ﾞ "´´ ﾞ ﾞ｀ ´ ' ´ " ´
と悲しんだという。
ス オ / ,､ｒ'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`';,､ ,r';;r" _ﾉ
カ ｜ L_ ／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼ ,';;/ ） ま
｜ . ス //;;／´ `' ､;;;;;;;;,,l;;' ／ヽ と た
ト ト /.,';/ ヽ;;;;,l;L_ .,,､,--ｭ、 ';;;;;;;;;i な 女
し リ l |;|┌--‐フ ┌----､､ |;ヾｒ''‐ヽ, ,､ｨ'ｒ-‐''''''‐ヽ ';;;;;;く !! 子
か ア i |l ~~__´ ､ ｀`'__''''┘ |;;;;;l rＯ:､; ´ ｨ○ヽ 'i;;;;;厶,
履 は l _|. <,,O,> 〉 <,,O,,> |;;;;;| `'''"/ ｀'''''"´ !;;;;;;;;ヽ
け ._ゝ'|. / 、 |; ,' / 、 |;;;;;;;;;;;;;ﾚ､⌒Y⌒ヽ
ぬ 「 | | （ ） .ｿ l ,:' _ ヽ .|;;;;;;;//-'ノ
の ヽヽ | _,ﾆ ﾆ,,,,,_ ', ゞ,' '"'` '" i;;;;;i, `' /
⌒. かヽ厂￣ `| ,､ィ-‐''＿_'''‐-`,､ '' ', i､-----.､ `''"i`'''l
人_,､ノL_,iノ! ', :iﾞ''''''''''｀l' ` _人__人ﾉ_ヽ ヾﾞﾞﾞﾞニﾆ'＼ ,' ﾄ､,
/ ヽ. L＿＿」 「 止 笑 Ｌ_ ヽ〈 i| Viﾞ､
ハ ワ {. ヽ. -､､､､ ' ﾉ ま い 了ﾞ, ,ヽ===-'ﾞ ,' , ／/ ヽ
ハ ハ ヽ. ハ ） ら が | ',.' , ￣ , ' ノ ／.／ ヽ,
ハ ハ ＞ /|ヽヽ､＿＿_,,,,､ 'く ん ＞ ヽ. ￣´ ／ ,､ ' ／ ／ ＼
ハ ハ / ノ. | ヽ フ / ノ:lゝt-,-‐''" ／ ,.ィﾞ ／
他国は「オーストリアはスカートしか履けない」とあざ笑い、
o
／￣￣＼ 。
／ ヽ､_ ＼
（●）（● ） |
（__人__）ﾟo │
(,｀⌒ ´ |
{ |
{ ..:/
[]() ` ー ＼
□/ ＿ l ｌ二ヽ
/ ￣｀Ｙ´ ヾ;/ | ) )
| | |´ ハ /￣￣￣ヽ
| | |-‐'ｉ′l ￣⊃ | （＼／） |
|＿＿ | ＿| ７'′ ＿⊃ | > < |
（ （ ￣ノ ｀ｰ-'′ ＿⊃| （／＼） |
＿⊃ ヽ＿＿＿_/
王宮でフランツをはじめとするロートリンゲン家の立場はますます悪化した。
|
|
|
|-−―− 、
|-−―‐- ､＼
|-−― -､ ヽ ヽ
|/.: :: :: ::ｲ::＼. l ﾍ、
|＿,:/.:／!:: :: | |_／
|ﾐ:ｲ／ ーl‐:|::l |:l おいたわしやフランツ坊ちゃま…
|ｿ ｲ::ﾂV:/ l::|
|（_人_）｀∠:ｲ |::l 南鮮石はこうして見守ることしかできないニダ…
|＞--r:: '´:: ｌ {::l
|_＼／｀ ー､| l::l
| ,小｀ヽ /' l| l::|
|/iｌ|└' / lＬ｣::l
r―ｉ:|.＿_/ |:: :: :i
T ∨::〈 r､ ｣:: :: ::i
ト､ﾉﾌ￣l寸]:: :: :: ::',
|¨´ト､__ﾉ |､:: :: :: ::ヽ
rー ── } : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :｀丶、
| : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.丶
| : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ : : : : : : : :: : ＼.
|／ : : : ,' : : : : : |＼: : : : : : : : : : : : ヽ: : :: : : : : : : : :ヽ..
. ／: : : : : : !: : /: : : | ＼´: ￣｀ヽ、: : : :丶 : │ : : : : : : ',.. もっとも、この時点ではカール６世は男子がいないことを
／: : : : : : : :..|⌒ﾄ : : │ ＼: : : : : ＼: : : : ＼:|: : : : : : : | それほど深刻には考えていなかったのかもしれません。
／: : : : : :./:/: :.:|: :∧: : : l __.＼: ヽ : : : : : : : : ＼:.:.: : : : :.|
. /: : : / : : : V: : : :レ'-ﾍ: : :.', ｨ灯ﾃ外ﾐ: : : : : : : : : : ＼: : : : l . カール６世はすでに５０代でしたがこれといった持病もなく
/: :.／!: : : : : |: : : :小Y心＼:.ヽ {iｰ'::::::jヾ: : : : : : ::＼ : :ヽｰ :l! 健康な体を保っていました。
|／ │: : : :/|:.: :.:.{ハ Vi::ﾊ ＼| Vﾍ::::ｲ:}ハ: ＼: : : : }＼: ',: :l!.
. .|: : : :.ハ: : : |｛ ﾍ ヽ:ﾘ､__{ｧ ゝ辷ン ∧: :}ヽ /|: : ヽ} :| おそらく、自らの手で孫に王冠を渡すことを考えていたからこそ
ヽ: : l ヽ: :.l人: :', ´ ﾉ , ＼ ''' ／ / ∨ ∨:.l: : : : : |. テレジアに対して君主としての教育を施さなかったのでしょう。
. ＼{ ＼ﾘ:.:`弋 ｡ ｀ ｰ一 ' ／ '´: : :∠,:│: : : :│.
／: : :.:／ﾌ＞ __ イ: : : : : :／..:.: 八 : : : │
／:./＾}／ ／ { { : : ∠: : :／ ￣￣＼￣ ＼: :ヽ : : |.
＿,, -='´＿／ ´ 二) ヽ: : ／: :./ ＼//∧: : ＼|.
´ ｀＞: :/(７ ､｀) ／: : : / ∨/∧: : : l＼
/ : : ///＼ ｘヘ ＼ /.: : : ; ｲ V//,|: : : :＼:＼
ヽ:／///// >く ）Yー’{/|: ／V |//,|: : : : : :＼:ヽ
しかし…──────────
. .o. ╋ .o.
. |｀‐´｀‐´|
. |＿皇＿|
／_ノ 三ヽ_＼ ﾝｸﾞ ﾝｸﾞ
／(（◎）-（◎）) ＼
／:::::: ((（__人__）)) :::: ＼ ﾁｭﾊﾟﾁｭﾊﾟ
| （ ＼ |
＼＿ ヽυ ::＼ ／
＼ .:::＼
.o. ╋ .o.
|｀‐´｀‐´| ／⌒＼
|＿皇＿| （ ）
／ ＼ | |
／ ⌒ 三 ⌒ ＼ |υ |
／ -(（◎）-（◎）)- ＼ | 茸料理おいしいお！
|::::::⌒ ((（__人__）))⌒ :::::|.| |
＼ `ー'´ ／ | |
.o. ╋ .o.
|｀‐´｀‐´|
|＿皇＿|
／ ＼ ,
／ − 三 - ＼ - ………
／ -(（◎） - （◎）)- ＼ `
| ((（__人__）)) |
＼ ｀⌒´ ／
ノ ＼
／´ ヽ
| ｌ ＼
ヽ -一''''''""~~｀`'ー--､ -一'''''''ー-､.
ヽ ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒＿(⌒)⌒)⌒))
.o. ╋ .o.
|｀‐´｀‐´|
|＿皇＿|
; ／ノ|||| ヽ＼;
; ／ (（◎ -（◎）)＼ ; ハウッ！
, ／::::::＼（__人__）／::::: ＼;
; | | |r┬-| | |,,
′＼ `ー'ｫ ／´
./ ／´> ) :
(＿ﾆﾆ> / (／ ;
; | | ;
' ＼ ヽ/ / :
, ／ ／＼＼ .
; し’ ' `| | ;
⌒
┏━━━━━━━━━┓
┃ ／ ＼ ┃
┃ ／ ＿＿＿_ ＼┃
┃ ／ ＼. ┃ チーン
┃ ／ − 三 - ＼ ┃
┃／ -(（◎） - （◎）)-＼┃
┃| ((（__人__）)) |┃
┃＼ ｀ ⌒´ ／┃
┃／ ＼.┃
┃ .┃
┗━━━━━━━━━┛
１７４０年 １０月２０日 神聖ローマ皇帝・カール６世死去。 享年５５。
カール６世は狩猟から帰った後に茸料理を食べると、
突然腹痛を訴え、その１週間後に死亡した。
死因は食中毒か、あるいは胃癌と言われている。
数ヶ月前からは予想だに出来なかった、突然の崩御であった。
彼の死によって、６００年以上にも渡って続いたと言われる
ハプスブルクの男系血統は、ついに途絶えることとなったのである。
フランスの思想家・ヴォルテールの言を借りるならば─────────
この「茸の一皿」が、後のヨーロッパの歴史を変えたのである。
／⌒´￣￣｀ヽ
ｒ―-- 、 /:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
| ｀Y:.:.ｌ.:.:/.:.:.ﾊ:.ｌ:.|:ｌ.;.';.:.|.ト.ゝ--一 ー- ､
| ＼ ｀ |:.:.ｊ:/:.:.;ｲｰ|:ﾄ:|:ﾄl:.l.:.|:|:|. /
! ヽｰ!://:.;ｲ:.:死ﾘ ﾊ|'ｒﾃ||.ﾄ|､＿_／ /
',. `､'/ｲ:ﾍ|:.| 〉 ﾊﾄ| ／ /
'､ ヽ V ﾚﾘl:.!､ ｰ＝‐/ヽﾘ_/ / /
`､ ｀Y| ｀ ` ｰ ｒ'__／´′ ′ ／
`､ ヽ ′／ / /
ヽ ＼ ` ー ′ ' /
. ＼ , {
i ￣｀ ′ !
', , i
ヽ } ﾊ.
＼ ′` ＼
＼ ､ ′ `ー- 、
ヽ､ ! ヽ
＼ ヽ ',.
>、 / |
ﾉ ､ｒー―-‐‐┐ |
/ .| 百 科 ! |
/ ｜ ｜ !
/ |_全＿_書」 .l
./ / | ｜
ヴォルテール
. ,､
. | ｀ヽ、.
. ,ｒ‐--}｀ヽレ‐-､.｀ヽ、
＼ ／ ,| }｀ヽ､.｀ヽ、｀ヽ、
＼ ／ / //| | /| ｀ヽ､｀ヽ ｀ヽ、. ちなみに、ハプスブルクの血統は
＼ ／/ / // .ｌ l/| |､ ヽ ヽ ｀i. テレジアとフランツの子供たちによって
＼ / / / //| /| | l| ヽ ヽ ヽ | これからも続いていくのですが、
＼ l | / /,.. -､ l | ,..-､ ヽ ヽ ', | カール６世を最後に男系が途絶えたので、
. ＼-､ ! / l //ｒ｀::ｒ ヽ、.l lｒ:::ヽヽヽ i ヽ .l | これ以後のハプスブルク家を
ｒ'{ヽ ',__ ヽ{ ﾄ| l l.:::ﾉ i__,/ ゝ l:::::::ｒ' 〉 ﾄ､ ', ∨ | 「ハプスブルク＝ロートリンゲン家」
{ﾆi／／｀ヽ、 l ､i. ___,ノ '､ ｀ｰ ,' / |) ） } | ヽ'. とする場合もあります。
. ｙ ／ ｀ < |｀ ､_ ｰ ｀ー‐'_,/ |'´ | ,/ | ||
>' ,／ /ヽ,.-､_＞-‐ ＜) l ﾚ' | ||
＼ ,／ / ,／/::／ /::/ / | }{.
１７４０年 １１月２２日
. r´⌒ヽ,⌒ヽ,
/ 人 λ ＿＿__
r .. 、 ＼ ／ _ノ ヽ＼
| ＼ ヽ ／ oﾟ⌒ ⌒ﾟo・．．
. | .ト、 ／ ﾟ。 （__人__） ＼ o 父上…
.. | | |.＼ | o |r┬-| |
| .ﾉ | .ｒ ＼ u`ー'´ .／ せめて孫息子の顔を見せてあげたかったお…
／ ./ .| ＼ ヽｰ――⌒ヽ__／
. / / .| | ＼＿＿＿＿ノ ＼
/ .／ .| .| ＼ .＼
/ .／ . | | ＼ ＼
/ ヽ, / ヽ, ヽ､__⌒⊃
ヽ、__つ と__ノ.
父の死から約一ヶ月後…
国事詔書によりテレジアは正式にハプスブルク世襲領の君主として即位した。
なおこの時、テレジアは第４子を懐妊中であったが、この子供こそ
カール６世が待ち望んだ初の男子であったのである。
そしてテレジア即位からさらに一ヶ月後
ベーメン北方の要塞にて─────
,;-、 ,;-、 ,;-、 , ー､ ;-、 ,;-、
l'i;;l l'i;;ｌ l'i;;l i!;l⌒i| l'i;;l l'i;;l __
/l三三三三三三三三三三三三l`ー'";:;;|
//i;:'';':;'';:;:'';':;'';:;:'';'i/:;'';;i/';:;''i/:':;;''i/ ;:;:;: :; "|
//;:!'';':;'' ';':;'';:;iコ';':;'';: ;:'';[l] ;:' : ;';' ;' :;'';'|
//'' |;':;' ;':;'';:;:;':;'';:;:;':;'';:;: ';:;;':;'';:; ;':;'';: :i! | ,,;=‐=,,..
`i'' | ;':;''; :;: ';:;;':;'';:; ;':;'';: ;;:;;' i!;:;;| |∩;:;:;|
|;':; |;':;'';:;: ';:;;':;'';:; [l];':;'';: ;';:;;':;'';:; ;':; '';;;;: | ,|:! i ':;:;|_
|;':; | ;':; '';:;: ';:;;':;'';:; ;':;'';: ;:i!i ,;':; '';i!;: | i'''"￣~`'i .
|;':; |;':;'';:;: ';:;;':;';':;'';:; ;':;'';:; ';:; ;':;'';: ;' | |':;'[];:;[]' ;|..
,＿,|;:_,,|:__: ＿＿; '';':;'';:; [l];':;';':;'';:; ';:;:i! ';:;;: ;| !':;'';:': ;'';:|.. .
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|:;'';:;:;'／:;'' | ;:;': | ;':; '';:;: ';:;;':;'';:; ;':;'';: ;:i!i | ._!':;'';:': ;'';:|
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ｨ'''::;;;ェ=;;;,,,..__,ﾞ＞'ﾞ´"i';;;:::::彳~'ヾｰ-z‐‐<;''~ﾞ'''=ｯ,, ￣｀ﾞ''ｰ ､,,
_,,,;;;-=-'＜ﾞ ﾞﾞ'ﾐ:::;ﾐﾞﾞヾ;;,ﾞヾ;;､ ﾞ''=::､,, ﾞﾐ,,
,ﾞ;;r'''⌒¨''''ﾞ ｀ヽｪ,, ﾐ:;ﾘﾞヾ;;､ ヾ､::､ヾミ;､ ﾞヾ;;, ﾞﾐ,,
'.,,,;;;='''ﾞ´,,,;;;=,, ､ ﾞミｯ,,_.;';/ｰ;;､ ヾ､,il, ヽ ﾞﾐ;;, li, ﾞﾐ
''' .,,;;='''''ﾞ´￣ ヾ;､ （ﾞヾ;;､ﾞミｧ ヾ{, ミ,. li
;ｒ" ,::;;ィﾆf'''' ）:） ﾐ };:ミ, ≧ ` ミ
r'';ﾂ `" =ﾆ;;;ヽ /ｼﾞ ﾐｯ ヾ;;ﾐ 三.. ＿_
'´,ｨ ./:| |;ﾉ ミ, ﾐ'' _,,ミ-‐''''.´￣ ￣'''ｰ=x
/::l iへ､ |:::{. ｎ .i::i ,ｲヾ /''::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀'=､
}:::{_ ｎ､ヽ;:ｌ lﾉ .ト, V./ヾ､.i|/::::::::::::::::::::._;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_::::::::::::::::::::|
ｰ-`- ヽ} ヽl j:{_ﾚ' /ﾍ Yﾍ::::::,, -''ﾞ￣_ ,,. __ _x_ __ ｀'''::､::::::::i ………。
ﾄ､ ヾ=､__/.iﾍ {.ﾟ ﾉﾉ ,,ﾉﾞYﾞ ィ '´_,,,;;::==--竺:-=::ﾐ､-.`ｭﾉ
ヾ_ ﾞヽ> ﾘ＾ヽ:::{ VF彡/:::=:}''ｯ〔c_ﾞ::::::::::: ..:::::::::::::::::::..`‐ﾐ{
（. ﾟ,>,~ヾ::､. ｀:} ヾ;:ヽ {::::::Tヽ;:;;/｀'ｧ‐｡x;;;,＿＿＿,,,;;;;ィTi､__
;;ゝｲ::ヽ `i:l ∨ Xｼ.{.iヽY （_ _ﾉ〉 K(´ﾟ ）｀l:/ }::::､ﾞヽ､
ゞﾆ''⌒ゝ l| キ::ヾ,｀| | ﾞー ,lｲ /;;:;:ヾ､::.＼
::::,,,, '/ i iY ﾅ-,w'ﾞYl rV'〉 .,!ソ'' "ﾐ::jﾉ:::::::::::`ｰ
"二ニに (ヽ､,,,__,,,ノﾉノ:::::ﾐ, .}ミi､ ` ' /ﾐﾘ ﾐ ﾐ::::::::::::／i::::..
ﾐ,,_-=''i才, `ー--彳:::ヽ､:::ﾐ,, ヾiﾐヽ, -=ﾆニニ= ,,ムｼﾞ ,,ﾐ'ﾞ::;ｨﾞ::/／:::::::.
::...／,/ '＾ﾒx-ｷ､''⌒ヾ ∴ }::::::ﾐi, l:;:;ゞiﾐｘ､_ _,,,ｲﾐシﾞ 彡ﾞ:／/::/./::::::::::::
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=＜__ｨ=-‐--::::xへ､_,,j;;;;''__::ﾍ. ヾ;::｀rf'''< ,ｲ ﾐ::::::i''ﾞ'ヾ､ﾐ ヾ:､ ヾ:ヽ､ﾞi:::
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.......::::::::::::::／⌒ヽ ヽ:｀ヽ､::::.｀'''=､ `:::::::.... ｀ヾ l;;ｊ:::::::
-‐ '´￣￣｀ヽ､
／ ／" ｀ヽ ヽ ＼
//, '/ ヽﾊ ､ ヽ
〃 {_{ ﾘ| ｌ.│ i|
ﾚ!小ｌノ ｀ヽ 从 |、i| ブラウン中将…どうしたですにょろ？
ヽ|l ー ● | .|ﾉ│ そんな怖い顔して。
|ﾍ⊃ ､_,､_,⊂⊃j | , |
| /⌒l,､ __, イァト |/ |
. | / /::|三/::/／ ヽ |
| | l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, |
'' _,,ミ-‐''''.´￣ ￣'''ｰ=x
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::::,, -''ﾞ￣_ ,,. __ _x_ __ ｀'''::､::::::::i
ﾞ ィ '´_,,,;;::==--竺:-=::ﾐ､-.`ｭﾉ
}''ｯ〔c_ﾞ::::::::::: ..:::::::::::::::::::..`‐ﾐ{ …悪いがこれは生まれつきだ。
ヽ;:;;/｀'ｧ‐｡x;;;,＿＿＿,,,;;;;ィTi､__
.iヽY （_ _ﾉ〉 K(´ﾟ ）｀l:/ }::::
ヾ,｀| | ﾞー ,lｲ /;;:;
w'ﾞYl rV'〉 .,!ソ'' "ﾐ
.}ミi､ ` ' /ﾐﾘ ﾐ ﾐ
, ヾiﾐヽ, -=ﾆニニ= ,,ムｼﾞ ,,ﾐ'ﾞ
:ﾐi, l:;:;ゞiﾐｘ､_ _,,,ｲﾐシﾞ 彡ﾞ:／
､:ﾐ､ヾ､:;ﾞヾi}ｴｹZﾞｴﾂﾞ:/ ミ:;ｨﾞ ,,ｲ
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/ﾞﾞ~,､.ﾟﾞﾞ!l:;:;:;:;:;:;:;ll" ｀ﾟ−-−'" ﾉ ﾚ-−ヽ｀''',,,,,,,,,,,,,＼
/ へ ヽ ﾞ三彡 _____｀"'ﾟ￣ く, ﾟ i l−-------ﾞ
l ,i `'. ,ll!ﾞ廴,l､.彡 ､,,. ＼""'ﾍ ｌ
.l l乂i'ﾞ ,l ",ﾞ'l,, ﾘ;:;:;:;:;:;:l
'〈 l {、l､ lll, li､'ﾞ＼,,_ 、丶'ソ l丶
::'l ;丶 ヽ.ﾞﾞﾞl, ｀lii r :ﾞ＼ 'く-､':,〈ｖ′ l 〉
::,,,,,,,,,i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!,_》;_l,,ＭＭ., liiiiiii,,、 ト､.,、 ﾞ" / ﾉ
ﾞﾞ!ﾞi!i!i!i!i!i!＿;;;;;;;、;;ﾞﾟ,!;'､`ﾞ'ﾞ″WWﾍ l!´｀!iiiiii,,,,,、 ﾞ＾｀ヽ､.,_、. ./´
;｀丶｀;;;.;;｀｀~ﾞｹll,,,:,,!、;;;＼;、｀;;｀ﾞ'ﾍ |｀'Y,:匸~"""iiiiiig,,.,:、: ｀｀''',,lｬ' /
,,,,,,,,_、、;｀.;;;;;;;;;;;;.ﾟﾗx,,;;;;;:｀ﾞi､;;;;:;;::::::ﾍ ﾞぐ''｀:'ll,,、 二 ﾞﾟ了iiiiiiiiiiiﾞ’ /i!i!,､、
i,,_;;;;;;;;;:;＼ﾟ''x,;|‐､、::::;:::::::: ﾍ ﾞ＼ ｀ﾞﾞlli,,,,_、 .,l ::,《° /i!i!i!i!i!i!i!、
-,,,,,,,,,、::::;;::;ﾞﾞﾞll,,;::::;::::ヽ,:ﾞﾟ!i,,:｀∴｀::::::::::ﾟﾍ ﾞヽ,、 ﾞ“‘";'::'ノ｀ ,i!i!i!i!i!i!i!i!i!ii!i､
ｘ,,;'､;｀`'‐、:::::::ﾞﾞllil,,、:::::ﾞi､:::"i､::::｀:、:::::::"'冫. `"""""""=．:、ｉTTTT.,i!i!i!i!i!!""｀ヽ
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マクシミリアン・ユリシーズ・フォン・ブラウン
アイルランド傭兵「ワイルドギース」の末裔。
帝国内の貴族としてはかなり新しい家柄であるが、各地で武功を挙げ３０台で中将にまで昇進している。
＿＿＿＿＿
,,, -─ ￣.::::::::::::::::::::::::::....￣ ｀ '' ｰ- ,,,_
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.|:::::::::::::::;;r'''´ ､wッ, __,,, -- ─- ､ ,,, __ ｀'''=::､:::::::::::::::::::::::::::::ヽ
.|::::::::::::/ _,,=.}.ili f__,,,...:::----:::.,,,,..____ ￣` - ､._ ｀''ｰ.､:::::::::::::::::::::l
l::::::::/ , ''´ ,ｨ "-:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣''''‐-- ､__ﾞ'''-､ ｀'､:::::::::::::::| 何、少々考え事をしていただけだよ。ダウン少将。
＼::〉´ :''´7:::::::::::::::::::::::::::_;;;;;;;;;;;;;ﾆ三-ｪ==‐-､;; O/ ﾞ'''-､ ヽ;::::::/
.`l,..::´/./:::;;;;;;;;;;ｪ.-=''''´／ / o ヽ`ヾ '';:;:;:;.,｀''ｰ.､ ﾞ' ､,{／
ﾉ:::::/_ｧ''´ o ヾｿ （. l / 〃'';:;:;:;:;:;:;:;.,｀''ｰ､ {
/:::／ l lf ヽ ﾞｰ---‐'' ';:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ノ‐-'､
.l;;/ |;:ﾄlヽ､_,,. -i ! ＝ .:;:;:;:;:;:;''"／.／T .ヽ
.l;| ﾄ,.i´＼ ミ'' / ./ / `':::ヽ l〃ｯ,,
（｀ヾ| ",, .l l. ﾍ,,> ｌ 〕つ:::ﾉ./ 彡ｯ
iヽ,| 丶l／ ,,.,ﾉiッ,Y.ノ ,;ミ
ヽ .| /iz,, /彡ノ' ' 彡 ,,ミﾞへ
ヽl. ,ｨ''"￣｀ 二ニニﾆ= i '´ ,,='' ＼
丶 !>.-''''' ￣ ,,,ｯ" _,,,='''
ヽ ,, ﾂﾐｯ'' _,,,-‐'''
,ｲヽ ,,へ､__/ " _,,,-‐'''
〈 l;;:::ヽ. // / /ﾐ _,,,-‐'''
〉､`ｰ=ヽ､_Y/ / /ソ _,,,-‐'''
/ ＼ヽヽヾ/ /,,ｼ´ ,,-‐'''
l. .`iー'''''ｼ" ／
-‐ '´￣￣｀ヽ､
／ ／" ｀ヽ ヽ ＼
//, '/ ヽﾊ ､ ヽ
〃 {_{ノ ｀ヽﾘ| ｌ │ i|
ﾚ!小ｌ● ● 从 |、i| 考え事、ですかにょろ？
ヽ|l⊃ ､_,､_, ⊂⊃ |ﾉ│
/⌒ヽ__|ﾍ ゝ._） j /⌒i !
＼ /:::::| l＞,､ __, イァ/ /│
. /:::::/| | ヾ:::|三/::{ﾍ､__∧ |
｀ヽ< | | ヾ∨:::/ヾ:::彡' |
-‐ '´￣￣｀ヽ
／ ／" ｀ヽ ヽ ＼
//, '/ ヽﾊ ､ ヽ
〃 {_{ノ ｀ヽﾘ| ｌ │ i|
ﾚ!小ｌ● ● 从 |、i|
ヽ|l ⊃ ､_,､_, ⊂⊃ |ﾉ│
/⌒ヽ__|ﾍ ゝ._） j /⌒i !
＼ /:::::| l＞,､ __, イァ/ /│
. /:::::/| | ヾ:::|三/::{ﾍ､__∧ |
｀ヽ< | | ヾ∨:::/ヾ:::彡' |
| | <父> .|´ |
| |、___＿＿___ r ゝ |
ﾚv |、だうん.／| ヾ!ヾ!
| ＼__／ .|
| | | |
|＿_| .ｌ＿_|
.／￣/￣￣l￣l｀＼
く / .l l __＞
｀´ヽｲ｀丶 ィ´ Ｙ´
レオポルト・ヨーゼフ・フォン・ダウン
かつてスペイン継承戦争にてプリンツ・オイゲンと並ぶほどの勇名を轟かせた名将、
ヴィリッヒ・フォン・ダウンの子。１３歳から軍隊に所属し、多くの戦線に参加している。
／ ,,,, -‐ '''' "￣""''‐-,,_ ＼
／´,,-‐'' """""'''' ‐- ､. ＼ ＼
〆Θ='''' """ ン フ''ﾐ=oｧ ｀＼ヽ l そう、考え事だ。
(;;''" _,, -‐'",,=,,ﾞ"'‐､ ヽ::::＼ ヽヽ |.
_ｪ､'ゝ;"´l ｀i ' l:::::::::::＼｀i|ﾝ' . 少将… 君はプロイセンをどう見る？
-ｲ,"-,l ` ,ゝ・‐´,, ,, i:::::::::, 'ﾆ､ヽ,
l l ・' "ﾞ'' ﾞ''..:::':::`::}..l...:::...
i´ ヽ､ﾃ ,; '; ::,:: -――‐- ､..
l ｀ _.. -‐- ､ ／;;;;;;;''''',, '':::::::::::｀:ヾヽ､
::: `､ , ',´‐ '"´´ ／;;;;;;''''' ,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,＼＼
. `､. '´ .l;;;''''',,,,;;;;;;;;''';;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,,'''';;;;;;ヾ.､
: :. ゝ .::::|,/: : : : ／｀'';;;;＞ ､"''''''';;;;;;,,,;;;;;/
..::,r'´;;;;;;;ヽ-‐ '':::" |: : : : :l;;;;;;'''''''',,,,,,,,,,,,;;;;;;＞ ＼;;
':::::. ;;;;;;;;;;;l i;;;; :::::l|: : : :ﾉ'',,,,;;;;;;;;;;;;'''''''" ,,,,,,,,,,
::: . .:: ;;;;;;;;;;lﾘ;;;;;;;;;;/: : : i;;;;;;;;;;'''''' ,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;; ; ; ;
.:::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|: : :/;;;;''' c ,,;;;;;;;;'';;;;;;;; ; ; ; ; ; ;
‐- ､_ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l: :ノ;;'' , ',' ';;;''',, ,;;;; ; ; ; ; ; ; ; ;
l |;;;;;;;;;,-､;;''´‐'´;'' c , '',,'';;'',,;;'' ,;;;;; ; ; ; ; ; ; ; ; ;
| l;;;;;;;;;ヽ';;;;;;;;r'´, -‐''//;',;;;'' /;;;;;; ; ; ; ; ; ; ; ; ;
, -‐ ￣￣｀' ‐-,,
／::::::: ／´ ゛ヽ::::::::::＼
／'::::::/ / ヽ::: ｉ:::ヽ
/.::::,r':从j -ｰ l::: }::::: l プロイセンというと……
,'.:::､ｲ :!iｌ ´● ヽﾚﾙi:::: |
ｌ .::::!､| :⊂⊃ ●゛i(⌒＼ さきごろ即位した新王のことですかにょろ？
ｌ.:::::::::| ::|l ,__, ⊂ﾍ iｙ ﾞｉ
ｌ.:::::::_| ::|>ィ ｀´ _､ゝ,､ｽ＼ ）
ｌ.::::::_ｌ'､.|ｧ＾'イーT゛ i ::::l| ＼>'
i' ,.,r' ﾞｉl＼ﾞｉ::ﾞｉ三|::ッ'ｌ ::::ｌ|ｔ,,／
ij: | ,ミ_::::ヒｉ:::∨ッ l ::::ｌ|::|
この年の５月───フリードリヒは父王の死を受けて、
プロイセン国王フリードリヒ２世として即位していた。
＿＿＿_
／ ＼
／ ⌒ ⌒ ＼
／ （⌒） （⌒） ＼
| __´___ . |
＼ `ー'´ ／
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノﾞ-､.
: | '; ＼_____ ノ.| ヽ i
| ＼/ﾞ（__)＼,| i |
＞ ヽ. ハ |
フリードリヒ２世
, '´￣￣｀ ｰ-､
／ 〃" ｀ヽ､ ＼
/ / ﾊ/ ＼ﾊﾍ
|i │ ｌ |ﾘ }_}ハ
|i | 从 ノ ｀ヽｌ小N なんでも聞いた話では、
|i （| i ● ● lｉ|ノ 即位そうそう拷問の廃止や、
| i ⊂⊃ ､_,､_, ⊂ﾉi| 宗教に対する寛容令を出したそうですにょろ。
| l x＞､ __, イｌ |
| ｌくﾐヽ::::ﾍ三l:::::ﾉl lヽ
| l( ⌒ )..::::V::／ ( ⌒ )
-‐ '´￣￣｀ヽ､
／ ／" ｀ヽ ヽ ＼
//, '/ ヽﾊ ､ ヽ
〃 {_{＼ ／ﾘ| ｌ │ i|
ﾚ!小ｌ─ ─ 从 |、i| 一時期はやれ廃嫡だ やれ死刑だと騒がれたにょろが、
ヽ|l⊃ ､_,､_, ⊂⊃ |ﾉ│
/⌒ヽ__|ﾍ ゝ._） j /⌒i ! なかなかどうして立派にやってるようですにょろ。
＼ /:::::| l＞,､ __, イァ/ /│
. /:::::/| | ヾ:::|三/::{ﾍ､__∧ |
｀ヽ< | | ヾ∨:::/ヾ:::彡' |
／ ,,,, -‐ '''' "￣""''‐-,,_ ＼
/ ／´,,-‐'' """""'''' ‐- ､. ＼ ＼
,l 〆Θ='''' """ ン フ''ﾐ=oｧ ｀＼ヽ l そんなことは問題では無いよ、君。
〈 (;;''" _,, -‐'",,=,,ﾞ"'‐､ ヽ::::＼ ヽヽ |.
〉' _ｪ､'ゝ;"´l ｀i ' l:::::::::::＼｀i|ﾝ' . 彼は先王の残した八万の軍隊をさらに増強させたそうだ。
／´-ｲ,"-,l ` ,ゝ・‐´,, ,, i:::::::::, 'ﾆ､ヽ,
｀´ l l ・' "ﾞ'' ﾞ''..:::':::`::}..l...:::... あの国の人口を考えれば八万というだけでも異常な数だというのに…
i´ ヽ､ﾃ ,; '; ::,:: -――‐- ､..
`i :::... l ｀ _.. -‐- ､ ／;;;;;;;''''',, '':::::::::::｀:ヾヽ､ もっとも、あの「巨人連隊」だけは
`ｨ ::: `､ , ',´‐ '"´´ ／;;;;;;''''' ,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,＼＼
| .::. `､. '´ .l;;;''''',,,,;;;;;;;;''';;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,,'''';;;;;;ヾ.､ 一大隊だけ残して解散させたそうだがね。
| .: :. ゝ .::::|,/: : : : ／｀'';;;;＞ ､"''''''';;;;;;,,,;;;;;/
|..: ..::,r'´;;;;;;;ヽ-‐ '':::" |: : : : :l;;;;;;'''''''',,,,,,,,,,,,;;;;;;＞ ＼;;ヽ
l ':::::. ;;;;;;;;;;;l i;;;; :::::l|: : : :ﾉ'',,,,;;;;;;;;;;;;'''''''" ,,,,,,,,,,
| ..::: . .:: ;;;;;;;;;;lﾘ;;;;;;;;;;/: : : i;;;;;;;;;;'''''' ,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;; ; ; ;
/:: ::. .:::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|: : :/;;;;''' c ,,;;;;;;;;'';;;;;;;; ; ; ; ; ; ;
::::....::l‐- ､_ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l: :ノ;;'' , ',' ';;;''',, ,;;;; ; ; ; ; ; ; ; ;
,,,,,,,,,,,l |;;;;;;;;;,-､;;''´‐'´;'' c , '',,'';;'',,;;'' ,;;;;; ; ; ; ; ; ; ; ; ;
;;;;;;;;;;;| l;;;;;;;;;ヽ';;;;;;;;r'´, -‐''//;',;;;'' /;;;;;; ; ; ; ; ; ; ; ; ;
'' _,,ミ-‐''''.´￣ ￣'''ｰ=x
/''::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀'=､
::::::::::::::::::::._;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_::::::::::::::::::::|
::::,, -''ﾞ￣_ ,,. __ _x_ __ ｀'''::､::::::::i
ﾞ ィ '´_,,,;;::==--竺:-=::ﾐ､-.`ｭﾉ さらにベルリンの大使からの報告では、
}''ｯ〔c_ﾞ::::::::::: ..:::::::::::::::::::..`‐ﾐ{
ヽ;:;;/｀'ｧ‐｡x;;;,＿＿＿,,,;;;;ィTi､__ ここのところ王自らが頻繁に演習を行っていると聞く。
.iヽY （_ _ﾉ〉 K(´ﾟ ）｀l:/ }::::
ヾ,｀| | ﾞー ,lｲ /;;:; ウィーンの王宮ではあまり重要視されていないようだが…
w'ﾞYl rV'〉 .,!ソ'' "ﾐ
.}ミi､ ` ' /ﾐﾘ ﾐ ﾐ これを君はどう考える？
, ヾiﾐヽ, -=ﾆニニ= ,,ムｼﾞ ,,ﾐ'ﾞ
:ﾐi, l:;:;ゞiﾐｘ､_ _,,,ｲﾐシﾞ 彡ﾞ:／
､:ﾐ､ヾ､:;ﾞヾi}ｴｹZﾞｴﾂﾞ:/ ミ:;ｨﾞ ,,ｲ
-‐ '´￣￣｀ヽ､
／ ／" ｀ヽ ヽ ＼
//, '/ ヽﾊ ､ ヽ
〃 {_{ ﾘ| ｌ.│ i|
ﾚ!小ｌノ ｀ヽ从 |、i| ………
ヽ|l ─ ─ | .|ﾉ│
|ﾍ⊃ ､_,､_,⊂⊃j | , |
| /⌒l __, イァト |/ |
. | / /::|三/::/／ ヽ |
| | l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, |
＼ __ ／
＿ （ｍ） ＿ﾋﾟｺｰﾝ
|ミ|
-‐ '´￣￣｀ヽ､
／ ／" ｀ヽ ヽ ＼
//, '/ ヽﾊ ､ ヽ わかったにょろ！
〃 {_{─ ─ﾘ| ｌ │ i|
ﾚ!小ｌ● ● 从 |、i|
ヽ|l⊃ ､_,､_, ⊂⊃ |ﾉ│
/⌒ヽ__|ﾍ ゝ._） j /⌒i !
＼ /:::::| l＞,､ __, イァ/ /│
. /:::::/| | ヾ:::|三/::{ﾍ､__∧ |
｀ヽ< | | ヾ∨:::/ヾ:::彡' |
'' _,,ミ-‐''''.´￣ ￣'''ｰ=x
/''::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀'=､
::::::::::::::::::::._;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_::::::::::::::::::::|
::::,, -''ﾞ￣_ ,,. __ _x_ __ ｀'''::､::::::::i
ﾞ ィ '´_,,,;;::==--竺:-=::ﾐ､-.`ｭﾉ
}''ｯ〔c_ﾞ::::::::::: ..:::::::::::::::::::..`‐ﾐ{
ヽ;:;;/｀'ｧ‐｡x;;;,＿＿＿,,,;;;;ィTi､__ ほう…
.iヽY （_ _ﾉ〉 K(´ﾟ ）｀l:/ }::::
ヾ,｀| | ﾞー ,lｲ /;;:;
w'ﾞYl rV'〉 .,!ソ'' "ﾐ
.}ミi､ ` ' /ﾐﾘ ﾐ ﾐ
, ヾiﾐヽ, -=ﾆニニ= ,,ムｼﾞ ,,ﾐ'ﾞ
:ﾐi, l:;:;ゞiﾐｘ､_ _,,,ｲﾐシﾞ 彡ﾞ:／
､:ﾐ､ヾ､:;ﾞヾi}ｴｹZﾞｴﾂﾞ:/ ミ:;ｨﾞ ,,ｲ
-‐ '´￣￣｀ヽ､
／ ／" ｀ヽ ヽ ＼
//, '/ ヽﾊ ､ ヽ
〃 {_{｀ヽ ノﾘ| ｌ │ i| 先日亡くなられたカール６世陛下はあの脱走騒ぎの時、
ﾚ!小ｌ● ● 从 |、i| フリードリヒ国王を助けた、いわば命の恩人ですにょろ。
ヽ|l⊃ r‐‐v ⊂⊃ |ﾉ│ それにフランツ様と国王は王子時代からの友人だと聞いてますにょろ。
/⌒ヽ__|ﾍ ヽ ノ j /⌒i !
＼ /:::::| l＞,､ __, イァ/ /│
. /:::::/| | ヾ:::|三/::{ﾍ､__∧ |
｀ヽ< | | ヾ∨:::/ヾ:::彡' |
, '´￣￣｀ ｰ-､
／ 〃" ｀ヽ､ ＼ かつてオイゲン公は、条約などいざとなれば
/ / ﾊ/ ＼ﾊﾍ 紙切れにすぎないと言われましたにょろ…
|i │ ｌ |ﾘ＼ ／}_}ハ
|i | 从 ● ●ｌ小N だから国王は、その条約に代わって恩人の娘である
|i （| ⊂⊃ ､_,､_, ⊂lｉ|ノ' テレジア様をお守りしようとしてるんですにょろ！
| i ﾉ、 ﾉi|
| l x＞､ __, イｌ |
| l( ⌒ )..::::V::／ ( ⌒ )
, '´￣￣｀ ｰ-､
／ 〃" ｀ヽ､ ＼
/ / ﾊ/ ＼ﾊﾍ
|i │ ｌ |ﾘ＼ ／ }_}ハ 己を知る者のために命を懸ける！
|i | 从 ＞ ＜ｌ小N
|i （|ﾐ xxx ､_,､_, xxxlｉ|ノ ﾐ これぞ騎士道！ にょろっ！！
| i⌒ヽ j （_.ノ ﾉi|__／⌒)
| ヽ ヽx＞､ __, イｌ |::::ヽ／.
| ∧ 人l||l,三|:::::/ｌ| |l||l 从
| l ( ⌒ ):::V::／ | ( ⌒ )
r‐-―-ｭ
-=ﾆ=ﾟ==＝i
（ﾟ∀ﾟ｀,,9;; ＿_
,〈ヾ､;;ﾝ''"';､´￣ _｀ﾌ;;;;,､
/ /｀ﾞ"y''ﾞ" iゝ`ー'''マ/｀'ﾑ_ﾉ ………
/ / 允 / ﾞﾞv"" ,, ｀､ '; ; ヽ
〈 ./ /i 彡 ｬi_,l riｯ'' =ミ ; ; i
｀i ,/=.| 彡､_X__ﾉ =ミ ; ; |
| .i:::::| '',, !l｀! l' ,,'' ,;;' |
| !:::::| l´ﾘ''リ｀' ,,,;;;''i |
＞ ブ…ブラウン中将！ 一大事です！！
'' _,,ミ-‐''''.´￣ ￣'''ｰ=x む？
/''::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀'=､
::::::::::::::::::::._;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_::::::::::::::::::::|
::::,, -''ﾞ￣_ ,,. __ _x_ __ ｀'''::､::::::::i. にょろ？
ﾞ ィ '´_,,,;;::==--竺:-=::ﾐ､-.`ｭﾉ -‐ '´￣￣｀ヽ､
}''ｯ〔c_ﾞ::::::::::: ..:::::::::::::::::::..`‐ﾐ{ ／ ／" ｀ヽ ヽ ＼
ヽ;:;;/｀'ｧ‐｡x;;;,＿＿＿,,,;;;;ィTi､__ //, '/ ヽﾊ ､ ヽ
.iヽY （_ _ﾉ〉 K(´ﾟ ）｀l:/ }:::: 〃 {_{ ﾘ| ｌ.│ i|
ヾ,｀| | ﾞー ,lｲ /;;:; ﾚ!小ｌノ ｀ヽ 从 |、i|
w'ﾞYl rV'〉 .,!ソ'' "ﾐ. ヽ|l ー ● | .|ﾉ│
.}ミi､ ` ' /ﾐﾘ ﾐ ﾐ |ﾍ⊃ ､_,､_,⊂⊃j | , |
, ヾiﾐヽ, -=ﾆニニ= ,,ムｼﾞ ,,ﾐ'ﾞ | /⌒l,､ __, イァト |/ |
:ﾐi, l:;:;ゞiﾐｘ､_ _,,,ｲﾐシﾞ 彡ﾞ:／ | / /::|三/::/／ ヽ |
､:ﾐ､ヾ､:;ﾞヾi}ｴｹZﾞｴﾂﾞ:/ ミ:;ｨﾞ ,,ｲ | | l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, |
_,,く!7＞-- ､
,, -ｰ'’ r‐ ､ `ｰ-､,
／ ,ィ´ l ヽ、 ヽ.
/ ／ ノ ト L ー､ l
} !-‐ l rｪｪ┐ 厂 」 j{
ﾑ { U 伝令 l } 仏
{ﾐ 厂￣￣￣￣￣￣￣`「 」ﾘ
ｰr┴┬r==くで弋.rー､ー┼ァjﾄ､ プロイセンがっ…！
〉rミj { fi} j ヽ { {ij } ｲ/ｿj! １
,/ 〉ｰ| ニ彡 」、 ミニ トイ } ﾄ､
／/7{. ﾊ ＿ヽ'__ -､ /jミﾐ/ ト}
／ 〈/ j!彡 ＼〈r仁ﾆ二ﾌﾑ /´ / ∧ ＼
／ { ヾ､ﾉj ヽ｀ー―-ｨ彡′ ／ / ヽ ヽ,
/ l ト､ ヽ、 ヾーrｰ┘ ノ ／ ／ l
/ ＼ | r‐ｭ 〉-､ ｀¨ﾆ ＿＿,, -′／ヽ / -一 !
| ＼」 j / r､} ,へ ー/ﾙ〉ー┬´ヽ, | / , -‐¬ l
| ／ﾉ └‐' ノ /ﾊ」l {￣ ｰ┐ ヽ ／ rー┐| |
l 〈 │ { / f二 -┐⌒┘二ｺ ハ r―┐ | |
l ∨ ノ¬jく二 {＿ へ jト､ | ∧
ﾉ/￣￣∧ ／ | ＼ ＼ -一ヽ、 〃 l / |
/ / { ゝ、 ／ ヽ l /＼ ＼ }ｰ‐ '´ /| / l
∧ ∧ ｀ }′ / ＼＼ { ／ │ / !
一方ウィーン…
┌┐
＿｢_l_ i┐ . ｌ二二l ＿｢_l_ i┐
,､ ― ､｢`'ｌ‐「l、 l ﾛ l ｢ ｌ┐ .,､ ― ､｢`ｌ- _
,ｒ'' _. ｀ヽ`ｒ−−‐-−−‐-−−‐-−−‐-,ｒ'' _. ｀ヽ ⊥_
l' イﾛヽ l ｌ ｒヽ ｒヽ ｒヽ ｒヽ rヽ rヽ rヽl' イﾛヽ l ｌ ヽ
く＝＝==＝=＝＝==＝=＝＝==＝=＝＝==＝=＝＝==＝＝==,>､_l_l
_ l~￣￣￣￣￣l!ﾞ~￣￣￣＾ﾞ￣￣￣￣￣ﾞ￣~￣|￣￣￣￣￣~!`'‐ﾆl
┌‐ｉ'''‐┐ |,llｴlｌ llｴll llｴlｌ l!llｴll llｴll llｴlli illｴlli llｴll llｴll llｴlｌ| llｴlｌ llｴll llｴlｌ,|┌‐i‐┐_
_,,＿_,,-''´￣￣ヽ `''‐ ､|.llｴlｌ llｴll llｴlｌ l!llｴll llｴll llｴlli illｴlli llｴll llｴll llｴlｌ| llｴlｌ llｴll ll ,,-''´￣￣＼ ､＿,,_,＿
￣￣|￣￣￣￣~|￣￣l!l￣l.ｨ−､l￣l l!l￣l l￣l l￣liｨ全.､ l￣l l￣l l￣ｌ| l￣l.ｨ−､ｌ |￣￣￣￣~|ｌi|￣￣￣
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l | l!ｒｰ、ｒｰ､ ｒｰ、l!ｒｰ、ｒｰ、ｒｰ､.|ｒｰ､|l,ｒｰ、ｒｰ、ｒｰ､| ｒｰ、ｒｰ､ ｒ.| |ｌ;ｨﾍ.
｢_l ,!｢_l ｢_ｌ ｢_ｌ|｢ｌ｢l｢ｌl!ｌ;;;;;l ｌ;;;;;ｌ l;;;ｨ'ﾍ.!;;;;ｌ ｌ;;;;;ｌ ｌ;;;;;|.|ｌ;;;;;ｌ|l,l;;;;;ｌ ｌ;;;;;l ｌ;;;;;ｌ| l;;;;;ｌ ｌ;;;;;l ｌ,ｨﾍ.ｌ .｢_l,ｨﾍ_l,|<;;.ﾐｽ ,｢_l
￣￣￣￣￣￣￣￣｢｢￣￣￣￣ <,;;ﾐｽ￣￣￣￣/三三'i￣￣ｨ ‐､￣ｒ´;;ヽ￣￣,<;,;ﾐｽ￣<;;.ﾐｽ￣ll!´￣￣
――ｒ´;;ﾍ ‐､´;;`ｒ´;;ヽ'―‐ ""ｨ‐､―,li!´―ｒ´;;ヽ―'―ｒ´;;ヽ' ~;;ヽ ;;;;ﾐｌ‐' '''''`――ｰli!´――li!´―――
＿＿＿
／ ＼
／ ─ ─＼
／ （○） （○）＼ 今…何と仰ったかお？
| （__人__） ∪|
＼ ⊂ヽ∩ ／
| | !､＿ ＼ )
| |＿＿ ＼ ／
, --、 ＿
｜｜｜ / ヽ ・ ・ ・. ・ ・ .・ .・
Ｌ L 」 ｜ / おやおや… ハンガリー女王陛下は耳が遠いのでおじゃるか？
, - ￣└--┘~| /
,-vO-^-O─| /ヽ、 ならばわが君の御言葉をもう一度伝えてやる故、
〜（ Y(○ .. (○｜ /〜^
,（.入 ″〈〉 ″| / 耳の穴かっぽじってありがたく聞くでおじゃる！
しと「厂 l`'丁 ~i| /、
〈〈_人_￣_入|/ ヽ、
（ ,二、 `ト-‐'
~~￣ ヽ＿丿
バイエルン使節 ペルーザ伯爵
＿＿＞-――‐-＜＿＿
,ィ"´:::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ、
/:ﾒ､:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:ノﾍ
|_||::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|!|
|:|{三了` ――――‐;=ｷ! この書を見るでおじゃる！
|:|!ﾐﾐｼ rｪｯ rｪｯ ヾ_||
}:|!ミ' _,..., ,...._ ﾐ|| かつて２００年以上前に我がヴィッテルスバッハ家と
fWﾐ :.;ｨtｯﾐ';} f´rtｯﾐ, }|! ハプスブルク家との間に交わされた約定が
ヾV! ｀""´,! :. ｀"ﾞ´ jj| しっかと記されているでおじゃる！
/|￣￣￣￣| しi! ,r,､__,､) lﾘ
/,'| | V､ ,.'__..:_:.._ヽ /´
`L| | /ヽヽ、' ､｀二ﾝ` ／
| |/.:.:.:.＼丶、＿_,.ｨ"| ﾄ､、
| 十 _|__ .!､:.:.:.:.:.:.:＼/小ヽ__//.:.:〉｀＞-- ､＿
| 中 ｜| |:::｀::二ニﾆ||「||工ﾆﾆ二::ノ::::::::::::::::::::｀丶、
(_）./|ヽ ､ﾉ !:_:_:_:{≧≦||:::||:::|ﾄ､:_:_:_:_:_>､:::::::::::::::::::::::::ヽ、
,. -‐:´,ィ"｀) !‐､::::ヽ::::::::ﾘ:::||:::ﾘ:l|::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::{::::i:＼
／::::::::::::ゝ=ﾆ..、 ! /::::::::ヽ::/::::::||:r'ｭ!、::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::|:::l:::::::＼
}::::::::::::::::ヽ ､-┤ !':::::::::::::::|:|:::::::Fﾕiiiiii|ヽ::::::::::::::::::|::::::::::::::::::|:::|:::::::::::｀ヽ
/::::::::::::::::::::(´ ,イ .!::::::::::::::::|:ヽ:__|iiii|llllll|:||::::::::::::::::::|::::::::::::::::::|:::|:::::::::/:::/`
バイエルン選帝侯 カール・アルブレヒト
,彡ニ三三三三三三三ﾆ=ヾ;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i;:;:;:i'
,彡ニ三三三三ニ三三ニﾆ;〃ヾ､;:;:;:;:;:;::;:;::;:::;:/;:;:/
,彡彡,'',ﾆ=ﾐﾐミ三三三三ニﾆ彡 ｀ﾞﾞ''ｰ-､;:;:;:;/;:;/
',彡'/ r' ﾉヽヾミ三三三三三彡' _,,,,,,､ヽ;:;ｨ''|
彡'|.|（‐'''" 'iﾐﾆニ三彡"´￣ ｀ﾞﾞｰ' ;;;:|
. 彡i､ヾ (' ヾミﾆ三' __,,､ ....ﾉ / これによれば、ハプスブルクの男系が途絶えた場合には
彡ゝ ｀'' " |ミﾐﾐ' ‐'"ひi,;'´ ,ｨ;;ｧ' 娘を娶っていた者が皇帝位を受け継ぐとされているでおじゃる。
'彳｀ー‐i |ﾐﾐﾐ' ｀ﾞｰｼ' |､ﾆ'
--､/ i |ミﾐ .,,r‐''" | ﾉ そして麻呂は先々代の皇帝・ヨーゼフ１世の娘婿である…
く'ﾉ :i ミﾐ ´ ., ' |'
､＼ .l ヾ .ﾉ（_,,､. |
:＼ヽ, ヽ ／ ｀t‐一'
::::ヽ ヽ ｀::. ,; ' .:i
:::::::ﾍ ヽ ｀::. ''"⌒ﾞ''一ﾉ
::::::::::ﾍ.ヽ ヽ､ ｀ ー'ｰﾉ
::::::::::::::ヽﾍ ｀ｰ┬‐一;;''""´
＼､:::::::::ヽヽ /::ﾍ ） ｀ﾞ'ｰ､_
〃｀ﾞｰ､;;;;＼＼ /i:::::::丿 ' , ' , '｀ﾞヽ､
|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ|
|丶､ ;;; __;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_,,: ィ";;_|
ﾄ､;;;;;;;;;;;;;;;｀ ` '' ー -- ‐ '' ";;;;;;;;;,:ィ;:;!
,';:｀`' ‐ｮ ､ ,_ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; , - '"l;:;:;:;:l
l;:;:;:;:;:;:;ﾐ ｀ ` '' ｰ -‐ '" ,ﾘ;:;:;:l
l;:;:;:;:;:;:;:ゝ く三) (三ｼ ｀ヾ;:t、
fﾐ{;:;:;:;:f'´ , -−-_,, _,ｨ ､_,,ｨ,.-−､ };f } つまりはこの麻呂、カール・アルブレヒトこそが
l ﾄl;:;:;:;:l ､,ィ或tｭ､ﾞ:ミ {,'ィt或ｱﾁ l:l,/ ドイツの盟主たる神聖ローマ皇帝に相応しいのでおじゃる！
ﾞi,tヾ:;:;:! ｀ヽ 二ノ ﾄ ` ‐''"´ l:l:f
ヽ`ｰ};:l ,r'､ ヽ ﾘ_） あんなドイツだかフランスだかもわからんロートリンゲンの子倅なぞ、
｀"^l:l ,/ﾞｰ､ ,r'ヽ l とっととハンガリーにでも引っ込むでおじゃる！
ﾞi ,ノ `'" 丶. ,'
ﾞl､ ′ ,, ｨrｪェzｭ､,_ 〉 } / あとついでにベーメンとオーストリアもよこすでおじゃる！
',ヽ ヘヾ'zｪｪｪッ',ｼ' //ヽ
} 丶、 ` ｰ--‐ '"'´,/ノ:.:.:ヽ
/l 丶、 ,.ｲ:.:.:.:.:.:.:.:丶､、
,r'"^l ! ` ー‐;オ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.,ノ ,}、
,. -ｧ＝く（:.:.:.l l ／/:.:.:.:.:.:., - '" ,／ ヽ、
, - '"´ ／ ,／｀＞'t､_」＿＿_,ｨ'ﾞ,ィ,.: -‐ '" ,. -‐ '" ＼
／ ヽ-（ / / f }li, ,. -‐ '" ＼
／￣￣￣＼
／ ─ ─ ＼
／ （○） （○） ＼. な…
| （__人__） u |
＼ ｀ ⌒´ ／
／ ＼
ﾉ Ｌ＿＿＿_
⌒ ＼ ／ ＼
／ （○） （○）＼ 何を言ってるんだお！？ 二百年前？
／ （__人__） ＼
| |::::::| | 父上の国事詔書を認めておきながら、
＼ l;;;;;;l ／l!| ! なんでそんな昔の話を引っ張り出すんだお？！
／ `ｰ' ＼ |i
／ ヽ !l ヽi 通るかっ…！ そんなもんっ…！
（ 丶- 、 しＥ |そ
`ー､＿ﾉ 煤@l､Ｅ ﾉ <
ﾚY^Ｖ^ヽｌ
＿＿＿_
／ u ＼
／ ＼ ／＼
／ し （○） （○） ＼ こんな無法、他国が認めるハズないお！
| ∪ （__人__） J |
＼ u ｀⌒´ ／
ところが…─────────
/ﾆＹﾆヽ
(ヽ /（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ /) それもそうだなっていうｗｗｗｗｗｗ
(((i ) ／::::⌒｀´⌒::::＼ ( i))) やっぱり女があんな馬鹿でかい領土を受け継ぐなんて
／∠_| ,-）＿＿＿（-，|＿ゝ ＼ おかしいっていうｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
( ＿＿＿､ |-┬-| ,＿＿ ）
| `ー'´ /´
| /
ザクセン選帝侯 フリードリヒ・アウグスト2世
(ヽ (ヽ ( i))) /) /)
(ヽ(((i (ヽ((/ﾆＹﾆヽ ( i)))/) /)
((i(ヽ(((i )/（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ ( i)))/) i)))
(ヽ (((i ) ／::::⌒｀´⌒::::＼ ( i))) それに俺もヨーゼフ１世の娘を嫁にしてるから
.(((／∠_| ,-）＿＿＿（-，|＿ゝ ＼/) 俺にも皇帝になる権利があるっていうｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
( ＿＿､ |-┬-| ,＿ ）
((＼＼ | `ー'´ /´ ／／＼)
(/ (((i )| / ( i)))( i)))
(/ ＼) ＼)
(ﾉ(ﾉ:: ｀゛''ｨ.,_｀゛''ｨ..,_ /ﾆＹﾆヽ _,.ｨ''"´_,.ｨ''"´ ::ヾ)ヾ)
ミ,,(ﾉ(ﾉ.／ ／｀゛''ｨ., (ヽ /（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ /)ｨ´_,.ｨ'"´＼ ＼.ヾ)ヾ),,ミ でも前の皇帝には
ミ,,(ﾉ(ﾉ::. ／:: (((i ) ／::::⌒｀´⌒::::＼ _,.( i)))＼ ::＼ .::ヾ)ヾ),,ミﾞ ポーランド王にしてもらった恩があるっていうｗｗｗｗｗｗ
ﾞミ,,(ﾉ(ﾉ.／ :: ／∠_| ,-）＿＿＿（-，|＿ゝ ＼ :: ＼.ヾ)ヾ),,ミﾞ
ﾞミ,,(ﾉ(ﾉ(ﾉ( ＿＿＿､ |-┬-| ,＿＿ ）ヾ)ヾ)ヾ),,ミﾞ だからメーレンをよこせばそれで我慢してやるっていうｗｗｗｗ
ミ,,(ﾉ(ﾉ(ﾉ(ﾉ／.| `ー'´ /´＼ヾ)ヾ)ヾ)ヾ),,ミ" 俺様寛大っていうｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
゛ミ,, (ﾉ ,.` | / `、ヾ) ,,ミ"
:.:.:.:/ .. ./:/ u ι .:::. u ヾi:.:.:.: ',:.', ,
:.:.:.l:.:.:.::.:.:/:/―一 ''´:. :.:.:.:.:.:zｰ;---!l:.:.:.:.:.l:..
:.:.:l:.:.:.:.:.:.jV＿＿__ :.: :.:'´:.:.:.:.:＿lﾄ!:.:.:.:.:.:.
:.:.l:.:.:.:.:.:.:|l´,o‐ ､ﾞヽﾞ' ,':.:.:.:ｯ' ,o‐iﾐ!:.:.:.,':.{
:.:l:.:.:.:/|:.:ﾄrtｭ･ ﾉ _,ﾞ |:.:.:.:'､ ､ ･ ﾉ:.:./:.:|
:.l:./!:.! |:.ハ丁￣´u |:.:.:.:.:.｀""丁ﾞi:.:/|:.:.l
:.:/ |:.| |:,' （_j r |:.:.:.: ,｝ |:/,レ''
:/{, ﾚ' ,ﾘ |:.:.:. `ｰﾘ
ﾄ'､'、 ι ,へ、 /
ヾゝ':、 ` "´ u
ﾘヾゝ、 =＝==＝= ,､
_ ` ι´−ﾆ^二ﾞ二^ﾆ'ｰ`ーｧt)
＼ ｀--―――‐--‐｀'´ '″,ｲ
｀、 ι ／
｀"""""""""´ ／
スペイン王 フェリペ５世
さらにはイタリアに地盤を築こうとしていたスペインも、
ハプスブルク領のロンバルディアを獲得するために
バイエルンやザクセンの主張に同意した。
/￣ ＞―───―-
, -ー─ |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀丶
|: : : : : : l: : : : : : ヽ: : : : : : : : : : : : : : : ＼
. |: : ／: :.:|: : | : : : : l＼ : ヽ: : : : : : : : :＼: :ヽ
j／ : /: :.|: : | : : : : |ー＼‐丶-: : : : :.ヽ: :＼ﾊ ┼
/: : : / : : |／|ｌ.: : : :.| _＼ }＼: : : : : l: . : |:| かつて息子のいないカール６世が
/: : : / : : ∧ :八.: : :│ 行う示_ヽ: : : j＼: |:| _人__ 娘に自分の領土を継がせようと発令した国事詔書は、
/: : : : | : : ,′'ｘ=ﾐ､ : : ｌ、 |j:_ﾊ_jW:.ﾍ : / : :j/:| ｀Y´+ 海洋国家スペインに憧れて設立した東インド会社の解散や、
|: :/| :│ : | /ｲﾉ'ﾊヽ :{ :＞弋_Yソ |│:.Vヽ: : :│ ＋. フランツの故郷・ロートリンゲンの割譲など
| :ハ: : ヽ:小'{iﾍ_Yｿfｊ⌒ヾ､ '' ￣ ,| j: : :! } : : |. その承認に対して様々な代償を支払ったのですが…
∨ ヽ: : ﾄ{ ハ ゞ'´/tｰ'＾ヽ`ー‐ '´|/∨:|イ : :│
ヽ ＼!/＼j__''_ノ ∨ ｝ / : : :.|│: :│ かつてプリンツ・オイゲンが危惧したように
|: :.:ﾉゝ, __/⌒'＜＿ イ.: : : :.:|⊥:.:八. カール６世の死後になって
|: :/: :j: : |/ ﾉ`ｰくヽ ∨: : : : : ﾘ'⌒＼丶 あっさりと反故にされてしまうのです。
∨: :/ : / ￣ヽ_)_)‐': : : : :〃 `､:＼
／ : / /7 Y '´ ,ィ’ : /: :/ |: : :＼
／: : : / ∧{. ﾉ ／/ : : /: :/ │: : : :.ヽ
/: : : ／{ノ ヽ＼ｰ／｢ /! : :∧:/ ﾊ: : : : : :i
/: :.／ :厂＼ ＼＼ヽ∨∧ / 〃 {: ヽ.: : : :|
,r''" ﾞヽ､
／ `'ヽ､
／ ___,,,,､---───-､, ＼
/ :; ／ ＿＿,,,,､---──-､ ﾞヽ, ､ ヽ
/ :;' / / __,,,,,_ __,,,,,,,,,,,,,,,ヽ ヽ ヾ:: ヽ,
! ::;;' / /-="""""'lll ,lll"" ヽ ﾞ! ヾl ﾞl 残念でした！
l ::i / / ﾐV彡,, ﾞ! l l l
l ;!/ / ゝ く三) (三ｼ ､ l, i､ l l あなた だまされちゃったの！
! / / ／ _, -−-_,, _,ｨ ､_,,ｨ,.-−､ l,丶, :l !
l i"rｲ /".､,ィ或tｭ､ﾞ:ミ {,'ィt或ｱﾁ, ヽ ヽl !
l l /i ﾞi, ﾞ ｀ヽ 二ノ ﾄ ` ‐''"´/ ﾞ! l l
! :ﾘ│! ﾞi, ﾞｰ''''"ﾞ ::::,r'､ ヽ /ﾍ ! l､
l ,l' l::::l､ i, ,/ﾞｰ､ ,r'ヽ / /＼! !l,
lﾞ/ l:::::::ﾞi. l,. ,ノ `'" 丶. / /:::::lﾞl l│
l ! l:::::::::::i, ';, ′ ,, ｨrｪェzｭ､, _ 〉 } / /:::::::/ l l
lﾞ ! l::::::::::::ヽ ヽ ヘヾ'zｪｪｪッ',ｼ' //／:::::::l l l
/ ! l:::::::::::::::::} 丶、 ` ｰ--‐ '"'´,/ノ::::::::::::l l !
,lﾞ l l:::::::::::::::::::::::l,ﾞ丶､ ﾞ'''' ／"l:::::::::::::::::l l l
,! l l:::::::::::::::::::::::l, ﾞ''ｰ==-'" l:::::::::::::::::l lﾞ l
/ l l:::::::::::::::::::ノ ｰ - 彡l::::::::::::::::l / l
/ l l:::::::::::::／ ﾞｰ､;:::::::::ﾘ l
721 名前：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/04/12(日) 21:51:22.63 ID:tx9rUkgo
さすが、この頃のヨーロッパは仁義がない
..：, -─‐──‐-、：.. 貴様らっ…！ 貴様らっ……！
.：／ ＼：:
：／ ; ヽ.： それでも… 人間かっ…！
：l U l： ．．．..
:：| , 、 ; |⌒´⌒｀ヽ、．
：!、 _ノ" "ヽ、__ ∪ ＼：
¨:ヽ。(（◯） （◯）。):: /⌒゛` l：:
:/ヽ~゜（__人___）~__ ,ノ| , |：
：/ /`:j⌒:。´ |. | , !：
：/ / ; | `ー-,,,|" |___,ノ |：
..：/ / ゜ .| | | ,lー─- 、．
, --‐-ー、_ / ゜ l ,| | ,／ ） ）：
く / / ァ- ,ノ 。 ＼ノ＾ノ^／⌒ヽ.j＼ ／＾ー-‐'
`ー' ー´￣ ~τ゜υ'゜~ (_イ_,イ、_,ィ'´__/ ￣
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ー）（ー）
.| u （__人__）
/ ｀ ⌒´ﾉ （オイゲン公の懸念された通りになってしまったか…）
／ ヽ ⊂二二￣＼
／ ＼ ⊂、' ヽ
/ ＼＿, ｀7 /
/ へ ＼ !/ /
| ＼ Υ /
| ＼ /＼
| / ＼＿_／.,,_r ヽ、
/ _,,＿_|'"´ ﾚi }
| ｀'"´ ｀¨ー､ /ﾉﾉ
| }ィ ´/
／＼＿＿＿,,.._7 /::/ , '
/::::::::::::::/::::::::::::::::{ /::/ /:
|:::::::::::::::|::::::::::::::::::! /:::/ f::::::
|:::::::::::::::|::::::::::::::::/ /:::（ ヽ、
|:::::::::::::/::::::::::::::/ {,_:::::::｀ヽ、＿_,,ゝ
/:::::::::::::|:::::::::::::（＿ ｀¨つ:::::::::::::::
|::::::::::::::::＼:::::::::::::::::｀¨ー-'"::::::::
::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::
|┃三 ∩＿＿＿∩
|┃ | ノノ ヽ
|┃ ≡ / ◎ ◎ | た、たた大変だクマー！！
＿＿__.|ミ＼＿＿_| U ( _●_) ミ
|┃=＿＿＿ |∪| ＼
|┃ ≡ ） ヽノ 人 ＼
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ー）（ー）
.| u （__人__）
/ ｀ ⌒´ﾉ どうしたんだバルテンシュタイン卿、そんなに慌てて。
／ ヽ ⊂二二￣＼
／ ＼ ⊂、' ヽ
/ ＼＿, ｀7 /
/ へ ＼ !/ /
:::::: :: ＿＿＿_ ::::: :::: :::
:::::: :::: ／ ::: ＼ ::: ::: ::
:::: ::::／ :: ＼:: ::: ::
:::: ／::: ─ ─ ＼ :: :: これ以上悪いニュースでもあるってのかお？
::: | :: .（＿） （＿） | : ::::
::: ＼ （__人__） ,／ : :::
:: ノ ｀ ⌒´ ＼ : :::
／´ ヽ :::
| ｌ ＼:::
ヽ -一''''''"~~｀`'ー--､ -一'''''''ー-､.
ヽ ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒＿(⌒)⌒)⌒))
|! ﾄヽヽ,＼__ __,、
f ,i !- ':´ ￣￣ヽ. ヾト ｨ',ｨ, ,.ィ__
__∠ ― 二 =､ ヾY,}:i:iK '｀ ｀てｲｰzｨ
`斗ﾚ' ¬ .＜ヾﾄ､ Y}:}:j厶- - ､ `ｔ__
__ノ’ ,. --､ヽ.＼ヽ:Y!iv厂 --一- ｀`、 `^戈__,＞`ヘ シュレジエンが…
__Z , ィ'´fiﾐ__Yiいヽ!:ﾘ√ィ彡r '´￣´¬丶ヽ、 X. i{ ',
＿__） ≦ 'ﾗ_{(･)}j川 kｿ个rイ〃 '/／ ＿ヽ ヽ. ﾍヾ } プロイセンに侵略されたクマーー！
＿,)'/, z 彡rｼ ｿｿ:｀,ｿ:' ﾒ⌒i. j ‐､ヾi i,.ｨ_'ﾆ二ヽ, ヽ ｝:i /
勹/〃, -ｰ彳´ ;／¨:::`::く._ ヾ Yij{(･)>= ≧ヾ:ヽ:ヽ ヾ, `ﾐゞ--:r'
之. イ/ ／ , ﾞ ,' {::f⌒}::,':::::::::ヽ ,丶 `iヾ三ぐ¬ミド} }ヽト :} ゞﾐ(＾
'ﾗｲ〃i;' ,' ,' :v'ヾ| ,ﾉ:::/⌒!:::/ ,.i ﾄヽヽ丶` ヾﾐ:ヾﾄ､ ヾヽミi}
_,ﾒィ/;:イ ' / ;i: i! ヽ.. ｰ' ¬'Lｲ ji ,i ,i.l }: ヽ丶`｀ ヾ ヽ ＼:.ヽ:ﾄゝ
__Z イｨ /i ,〃 /!i iト .,___ ヾ´ '’ ,八 ヽ }! ＼ヽ` ＼､ヾ :,ﾊ ﾍ,
ブｲ〃/／i ,:/:, ﾊ1ｉ: ,＞'‐L/7'ｧ-ｧｧ'个 ､ ヽ ヾ c ヾ` ､`: ﾐﾄ､} ﾊ ﾒゝ
厶'〃// ,' ,.ｲ ,' / 'i:iﾊ.y' ｛_ ￣ ブZ j:j:ヽヽ__,ｨこつ ヾヽ、 ヽ. ＼ ヾﾄ､ﾍN
,ﾉiii/〃/ ,'/ ,' ,: ,' i:{,ﾊ! 7ｰ'´/り } :ﾄ､ ￣´ ヽ ＼ヽ`: ＼ヽ`＼ﾍﾍ!
,jﾊ/:〃/〃/〃,' ,' ,'iﾊ/`ﾄ､/__,_,_仄! .Ｎﾄ､＼ ヾﾐJヽﾄ､ヾ` ｀ ヾ`｀ヾ`｀ヾ`｀ヾし!
, ｲ:〃/〃/〃/〃;ﾊli `'く,_l,｣jﾉ┘iﾄ :i: j: ヾ`ヾ`ヾ`ヾ`ヾ`ヾ`ヾ`ヾ`ヾ`ヾミ三;く
,ﾉｨ〃/〃/〃/〃〃,':ヾ= ｰz i ､ﾄヾｉ: .:|:. ! i i:.i:. i:.ヾ＼ヾ＼ヾ＼ヾ＼ヾ＼ヾﾐ::(_
＿＿＿. ／￣￣＼
／⌒ ⌒＼ ／ ノ ＼
／（ ￣） （＿）＼ | （ ○）（○） ━━┓┃┃
／::::::⌒（__人__）⌒:::: ＼ | （__人__） ┃ ━━━━━━━━
| ゝ'ﾟ ≦ 三 ﾟ｡ ﾟ | ゝ'ﾟ ≦ 三 ﾟ｡ ﾟ. ┃ ┃┃┃
＼ ｡≧ 三 ＝=- . { ｡≧ 三 ＝=- ┛
ﾞヽ-ｧ, ≧=- 。. ヽ -ｧ, ≧=- 。
ｲﾚ,､ ＞三 ｡ﾟ ･ ﾟ ヽ､., ｲﾚ,､ ＞三 ｡ﾟ ･ ﾟ
≦｀Vヾ ヾ ≧ ≦｀Vヾ ヾ ≧
｡ﾟ /｡･ｲﾊ ､､ ｀ミ ｡ ﾟ ｡ ｡ﾟ /｡･ｲﾊ ､､ ｀ミ ｡ ﾟ ｡
Brandenburg i
, , , ,'
" ' ' " ' , , ,､ ',､
; !､｀ ´ ‐ ´ ヽ
; , i‐｀ ｀‐, Polska
Sachsen . | ´､,r‐'‐-‐,
,,,､ | ヽ ,,,,,,、
､‐´ ｀´ ｀‐-‐-´ ヽ
｀~｀~｀''´｀´| ｀´｀!,
| ヽ
ﾉ く, ,,､,,_
, , , / ｀´ ヽ
;, "; ; ' ' ;,｀7 Schlesien ｀ヽ,
; ' ' " ', , , , , ; ; { ｀､,,_
｀‐‐-､,,､ ｀‐､,
'‐､ ,,､_,-､ ヽ
" ノ /
(´ )
｀´､ （
ヽ ,-‐-､ ､´
Böhmen ヽ,´ ヽ, !､_____
; ｀i ｀‐‐i
; ｀'‐--, {
; {､ ､､ ﾉヽ !､
; Mähren ヽ,､} ｀´ ヽ ）
" !､ ,ノ´｀´｀´,
i !ノ｀'‐----‐-! ;
シュレジエン…───
人口百五十万を数え、肥沃な農産地と多くの工業地域を持つ、
ハプスブルクの重要拠点のひとつである。
iヽ iヽ ＿＿＿
ゝヽ,-〈 〉 ／ ＼
>7（(._)ゝ ／ ⌒ ⌒ ＼
┌（77!＞ﾂ､ゝ .／ （●） （●） ＼
ﾒy' 'V'じ:| ﾚゝ| __´___ . |
ﾉ//.人 / ﾚゝ＼ `ー'´ ／、_
/ﾉ .∧/>:! ﾚゝ ｨ‐ﾋ-､ﾝﾌ Fﾗ￣ '- ､
i./ i } /ﾒ , ﾚyｯv' ﾘ=百= ﾍ、ゝ ゝゝヘ
{ ﾉ'!i_ /i :,:゛ ﾚゝﾝﾞﾚ=目≡ﾐﾝ'-ゞゞ ゞ へ
L_.ﾚ'!i'-|､ .:';" ﾚゝ ﾋ=貝三ミiﾒ ,.. ﾖﾐ=ゝ
ヾゞ' !i_i!‐' 彡 ﾚゝﾗｿﾐ 彡-．_,ン -､ﾖミ
}＼ ヽ,ｉ､､ ﾚゝ〔ﾐ =三：__,.壬》=ｦ＼
ﾉ ` ﾒ 彡 ﾚ丿ﾍ'_ラﾟ=-､＼( て_,__,､
＿ｸ-ｯ､ ﾐ|i , -.､ 彡｣/, -‐‐`､ゝ ミﾐ `ー､
_ 〕 ヽ-ィ､_ゝ舎!ﾚﾉ _.｣メ"ﾉFﾘy､|vﾍヘ┐_ ﾐ ミ ヽ､
__／ ﾐ -={ミi| v》' 彡==ﾄ-ﾐ泪 ﾉ,-ｌ-ゝ`-ゝ __ﾋl-､） ﾐヾ <゛`
/ ＿.. ミ -={ミ Y Y 彡=ﾒ=-ﾐ$杁 7-,-ﾒゝｉ_.ﾉ `ヾ_ ﾐヾ. ゝ
"┌ ' !|,ヤﾚﾄ-ﾁ＞く ﾒﾐ ｉ li ｉｉ' ﾘ ゝ` .| |ヽ ﾐ 〈
} _, - ､ﾐ !i ﾒ､_!i ツ丶メﾍ | l| ||个!ｉ| |: | 熹 .|ﾟ＾ヽﾐ ｒ‐`
'" __.〉 ミﾐ ! " 彡 `ﾒ､! ﾘ !ﾒ ﾘ | | |ｉ ﾘ r-!
ノ _,-､./:! ﾐ ﾐ 彡 彡彡 '`ﾍﾒ､_ﾙ人 》 i!:〉iﾘ ﾐ
ﾌ __.ソ } ﾐ ﾐ 彡 彡彡ｿ ｯ ｲ員.ﾄ＼ i! ll ﾐ
!/ i! ﾐﾐ 彡 彡 彡 ﾝ ﾂﾞ ﾀ888b ＼._./ﾉ^.ﾘ ﾐ
i! ﾐ ﾐ 彡 彡ﾐ ﾂ ﾐ 彡 彡 彡ﾐ ｿ ミ ゞ
ノ ﾐ 彡彡 ｿﾞ ｯ ﾞ ﾐ 彡 ﾂ 彡ﾐ ﾐ ﾐ彡
／ 彡彡彡ﾐ ﾒ "ﾄﾞ ｿﾞ 彡 彡,､､彡ﾐ ﾐ
彡 彡 彡彡 ミ ﾉﾒｩﾀｪ, 彡 ﾐ ﾐ彡 ミ
_.ノ 彡 彡ミ ﾐ ﾐ ﾉﾌ ､､、_ 彡" 彡 ミゞ
彡 ﾐ ﾐ ,,丿ミ` 彡,ﾘﾐ ﾐ __ 彡ﾐﾒ"i
_.彡_, -, , -ッ__ﾐミミ '`'`'i （ ﾐ , - ' ﾉ､ ,_| .ﾐ
ﾉノ ノ" ) 〈 { 〉 _7 .ｊ ﾉ ｿ ! .ﾐ
_／ ｖ-' i" {. / .< メ.,__,ゝ
｢__＿ゝ '--‐'' '`‐--" ﾑ__,ゝ
カール６世が崩御してわずか２ヶ月…
フリードリヒは宣戦布告もないままに、突如として三万の兵を率いて
このシュレジエンへの侵攻を開始したのである。
プロイセン、シュレジエンへ侵攻
この報は、瞬く間にヨーロッパ全土を駆け巡り…──────────
:.:.:.:.ノ /:.:.:.:.:.‖ |ｌ ｌ | ｌ ｀､｀ヽ l ヽﾄ､
:.:.:.:{ !:.:.:.::.:;ハ |l |l ! | ＼ ヽ、＼ l| ｌ| |
::.:.: l |:::.:.:.::) ﾄ、|ﾄ､|l } ﾄ､ヽ ヽ、 | l|ヽ ヽ |ヽ l|ﾉ
::..::.:ｌ |:.:.:爪,斗七|廾ﾄ-|‐1ヽ }｀ヽﾑ-l¬ ∧ﾉ/ }ﾘ
ヽ.:.:ヽ. ヽ::.}| ｌ ﾊ/ﾚ=ﾆミ刈 | ﾘ ,.ﾆ气 l |
）:.:rへ_}|/ l| {ｌ f伍｝` ﾉ 狄ｌ ' ハ 何ですって？ プロイセンが！？
ヽ､!{ﾚ' /// ゞ='′ ¨´ ∧ |
／／/人 u ' 八l |
／／ ／_＞ト､_r个､ r¬ ＿／| ヽ＼
/／ ／ /: ／::..::..::{::..:ヽ. ／::..l｀'┴:-:ﾍ ＼
´ ／ _工l::..::..::..::..ヾ::..::ﾄｧ=く::..::..:l::..::..::..::..::}ヽ、＼
ノ ／ : : {::..::..::..::..::..:∨{ﾘ廻ｌト､::.ｌ::..::..::..::./ ヽ、ヾｰr- ､
／: : : : : ｀ヽ､::..:;:-'´丁ヾﾆｼ::..｀T:ｰ::-:r'′ ｀ｌ / ∧
. /: : : : : : : : : : /´::..::..::.l!::..:| |::..::../::..::..::.＼ ﾚ' | / /
英国首相 ロバート・ウォルポール
列強の要人達を驚愕させた。
/ ／ ／/ ／ ヽ＼
. / // // l／ ヽ丶
/ l / r―/ ｌ ｜ ハ l ヽ ﾄ､}
ｌ l' ﾚ７ｌ l ﾊ !_ ヽ.ﾄ、 |ﾊ、 l ﾉ
ｌ l / ハl l { l/ ｀ヽ! ヽf,r､l !
/ ｌ / 〃,くl ! ﾚf示ｒ' lﾘ/ ! | そいつは一大事ね…
. / // ∨lﾊ (_! l ﾊﾄ辷ﾘ ､´l l
/ // l l ＼l |ノ〃ﾉ r'フ _ ﾉ/ /
|/ l l ヽ l | |｜Y 〈＿_´／ ′/
. | /{ ﾄ､ ヽヽヽ、 ｀ヽ, ノ
. l/ ', ﾄ,l＼ ﾄ.}⌒￣｀ヽ､＿, r′
. / ヽヽ.＼＼ﾉノ ＼ '、
/ ｀ ＼ l＼ ヽ
. / ｀, ヽ ＼ ヽ
/ l `, 丶
. / ヽ ヽ } ',
ロシア皇女 エリザヴェータ・ペトロヴナ
やがてヨーロッパのみならず、海外をも戦火に巻き込んだ動乱
『オーストリア継承戦争』の幕開けであった…
__i、:::=-ト,ﾉ:::::::::::!:::::::::::::::::::::| `;::::::::::::;:::::::::::::;:::::::::::::i;:::::::::::::::::::|::::::::i,
／':´::::::/ ○ `;::::::::|:::::::::;:::::::::::| ヽ::::::::::ヽ;::::::::::;::::::::::::|;;::::::::i::::::::|:::::::::!
／:. ::::::::::{ : : : : : ,!::::::::|::::::::;::::::::i::! ヽ:`;::::::i＼::::::::i;:::::::::|!;::::::::|:::::::|::::::::::|
/::::::::::::...::::::;;＞,,__,..ノ::::::::::|::::::::i::::::/:i ＼＼:ヽ ＼:::::i;;::::::| !;::::::!::::::!::::::::::::|
./::::::::::::::::::;;;／/ |:::::;;::::::::::::::|::::::;!:::::/!i ＼＼:、 ＼`!;:::| 'i:::::ii:::::|::::::;;;:::|
|::::::::;;::::;;;／ / |::::::::::::::::::::::|::::::|;::/ i! ` ＼、 ＼!:| _,!::Yi::;;|::::;:;;;:::!
|::::;;/;;／ { |:::::;:::;::::::::::::|::::ﾄ|:へ,..、_ ,.、/ `!r=ﾆ_=二.、!/|::1:::::::/i::!
.i::;;!;;/ ! !:::::;;;;:;;;;;::::ミ|::! !/ _,,..二=ヾ´ //::::::::ci ｀iﾉ'!::/!::! i! ………
.!;;iV !;;:::;;;;;;;-ヽ! !:| ／／::::::::C、 {:::::::::::::! ﾉ /i: /
.ヽ! ヽ:::;;i rヽ、` { {:::::::::::::::ﾉ ヽー-´ ..'::i /
ヽ::!、:::::::i, ヽ ヽー-´ .::::::::!
ヽ:!ヽ ::::'、 .:::::::::::::::. ' :::::::i
ヽ ＼,,__,、::::::::::::::: /
＼::＼ ''''' ／
'vヽ:> 、 ,-ｰ-´｀ ／
V／｀'ヽｰ 、 _ ,. +'´ ＼、_
／ i`,::::::￣｀'''''''''''´ !,i _,,,.ゝ,、｀-..,_
／/ |'!::::: !
フランス宰相 フルーリ枢機卿
某国某所──────────
/::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ､
|;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: : ｀ヽ-. .､.＿ ,..,.. --､ くっくっ… そうか…
f/;ィ:l:i:::::::::::::::::::::::::::::::,ｨ: : :_:-ﾍ_: : : : :￣: フ/ i ヽ＼_
r' ´ ヽ,＞-‐ヽ｀ﾉ:ﾞﾍ ヽヽi､:{ フと´｀>r '' "´ ||.l _ ヾ ヽ ＼｀7 プロイセンがね…
.i! ノ_ ﾒ-__,r, >､:jノl'' ' ヽミ'' l / V ｀ｰ'>､ ヽ､ ＼
.l ,r l ｀ﾒ´l.lﾞf<＿j,ノ .〉､｀'_ ﾞ rfヽ ｲ,ﾆ「´ |＼ ＼_
ヽ,' l l|.| l '､ ｀ j:::::｀:ｰ..､ ノ r――' ,j l: l ｀‐ .._,ﾉ
i .l ｆ⌒i
| lｊ .__ノ
l ,_.''__ ,'ﾊ､ 気のせいかもしれませんが…
'､ ー / "'ヽ
＼＿＿＿／ ヽ えらくご機嫌ですね、将軍。
／⌒` ￣ ` ヽ＼_
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i ヽ ｊ ノ | } l
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ゝ:{ ＼: : : : 彡' l ゝ : : : . . : :
＼ ｀＼ ヽ: : : :ヽ ヽ,,`,,, ; ; ;_,;z;; ;, ､） : . : : : : : ああ、楽しくなってきたじゃねえか…
｀ヽ￣￣￣｀ ､ ﾉ: : : : : ＼ ､;;='''ﾞﾞ"~´ ∠ゝィ: : : : : :
:. ＼＿__{ : : : : : 厂∧ イ￣ヽ ／ヽ.／{: : : . : : : : こいつは「戦争」だぜ？
::.. ＼ ＼ｒｚく ｊ : ＼ｊ: : : : ＼／: : : : ｝ Y |: . : : :
:::i::.. ヽ 丶ヽヽ.V: : : : : : : : : : : : : : :/ ／ヽlヽ : : :
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（:::::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＿ノ
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)::::( く三) (三ｼ . | そりゃもうトンでもねえ規模のなァ！！
|:::::） ￣`ﾒ､_,ルｨ ､_,.イ´￣, .ｌ
|::::::| ､,ィ或tｭ､ﾞ:ミ {,'ィt或ｱﾁ |
ｒ⌒ヽ|. ｀ヽ 二ノ ﾄ ` ‐''"´ |
| ヾ ,r'､ ヽ |
| ,/ﾞｰ､ ,r'ヽ |
ヽンイ ,ノ `'" ,丶. |
|. ′ ﾄｪｪｪｪｪｪｲ,._ 〉∴ |
| ∴∵ ヘヾ'zｪｪｪッ',ｼ'∵∴|
| ∵∴∵ ` ｰ--‐ '"''´∵∴|
| ∵∴∵∴∵∴∵∴∴ |
| ∵∴∵∴∵∴∵∴∴∵|
＼ ∵∴∵∴∵∴∵∴／
帝国元帥 ザムエル・フォン・シュメッタウ
＿＿ ＿＿. `` .／
ヽ ヽ <
＿ﾉ ＿ﾉ .＼
__ __ __ __
l__ゝ / /＿,へ, / /======へ, =======へ /ヽ / /
, //ノ7 ｌ7／ / / // 7/ / / ______「｀´r´~,へ, ノ／=/ /=へ
／/ / （´ / / // // / / ￣￣/ /￣/／ =====/_/===へ
l l ／ 人 ＼ / /.//=// / / ___/ / ´ /７=====,へ,
l＿| 〆´ ｀ヽ/ /_/======/__/ ヽ___ﾉ /_/=====/_/
ドラ、明日も無事に生き残れると思うかい？
＿＿＿
／ ＿＿＿＿ヽ ／ ￣ ￣ ＼
| | /, −､, -､ｌ /､ ヽ 未来を予測することはできない。
| _| -| ･|< || |･ |―-､ |
, ―-､ (6 ＿ｰ っ-´､} ｑ -´ 二 ヽ | 男は、今を生きることに全力を尽くすべきだ
| -⊂) ＼ ヽ_ ￣￣ﾉﾉ ﾉ＿ ー | |
|￣￣|／ （_ ∧￣ / ､ ＼ ＼.￣｀ | /
ヽ ｀ ,.| ￣ | | O＝＝＝＝＝ |
｀− ´ | | ＿| / |
| （t ） / /
, ─── ､
ゝ／＿＿＿＿＿_＼
/ | ／/ ⌒ヽ ⌒ヽｌ
| |─ | ・|＜ | そうすれば明日につながるってわけだ
Y ⌒ ` ー oーヽ､
ヽ_ ┌───┘ｌ |
ヽ ＼ /／ ＼
>ｰ── く ｀＼ ヽ
／ ＼ ／＼ｌ ￣|￣ ﾉ
/ | ├‐┴−´
,､＝''￣:::::::::::::::￣ﾞ'''ヽ、
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/:::::_,_､:::::::＞‐-､:::::::::::::::::::::::::::::
/::::／~ヾ,}::::j| ｡ ｝:::::::::::::::::::::::: 明日には希望という光がある。
l::::/|_ ﾟ ,.>ｰ､ゞー≠￣ヽ::::::::::::::
|::/ ヾ≦ﾍ,_ノヽ ＼::::: その光を得るために、今日を戦いぬかねばならない
|Ｙ l| ヽ
|ﾉ〆 l| ｰ- |
/| ／ l| ｰ- |
l / r ｣{, ヽ |
l, ﾍ_ _,,＞ｰ＝､_ /
∧ ｀Σ,,､-‐─ﾞゝ=´ /
ﾍ ==＝一 ノ
∧
＼≧≡＝ﾆー ノ
＝: : :
─: : : :
=: :＿:＿:＿:_:
. .／ ￣ / ・） i・)ヽ＼: : :
/ , -i | |- ヽ: : : : :
/ ／ ＿ `− ●- ′＿ヽ: : : : : : : : : : 見ろよ、ドラ
i / ＿二 | 二＿ | : : : : : : ＿＿＿_
ヽ | i ＿─ |__ ─＿ | : : ::／＿＿＿＿_ ヽ:: :: :: もうすぐ夜明けだぜ。
ヾ: : | ! _ ） !: :: :: |− ､ − ､ヽ | | :: :: :: :: :: 希望の明日が来るってわけだ。
ヾ＼: : : ! ! _) /: : : :: | (‘|‘) |─|__ﾉ:: :: :: :: :: :: :: ::
､ ヾ＼: : : : : :ヽ__ヽ＿＿＿＿＿＿__／: : : : :: |− o − ′ ）:: :: :: :: :: :: :: :: :: ::
: : : : : : : : : : :|────────!:_ : : : : :: ヽ｀―― ノ:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::
: : : : : : : : : : : :| （__） : : :/⊃｀＞_−＿⊆ヽ:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::
: : : : : : : : : : : : | |￣|: : : :: ::| ﾉ／lヽ/＼ ∈ j:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::
_＿＿_
ゝ／＿＿_＿_＼
/ | / − ､−､ｌ
| __|─| ・|・ | そして今日もまた、戦うってことなんだな…
（ ` ー oｰヽ
ヽ ３ ﾉ
>ー─ ､ ´
/ ＼/ヽ/ヽ
| l | |
じゃあな、ドラ。 またな。
次回 第５話 「 第一次シュレジエン戦争 」
￣￣7〃 ┼┼┌┐ ノ _土 ─┬─ ＿|＿ | ヽ
_|三|_ |二| ノ─┼ |＼ ゝ | ヽ
/＿＿ ハ ﾉ ､| │ヽ│ .| ＼＿ ヽ
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